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総合講座

 

絵画と装飾 ―ルネサンスから19世紀まで―

  • 対面式
  • 歴史
  • 総合講座

講座番号:14111

土曜日 11:00~12:30

場所
後楽園Map
定員
20名

お申込受付終了

[秋期/全3回]
10/9、11/6、12/4
受講料:9,300
申込締切日:2021/09/08

講義概要

コーディネーター 小林亜起子
 美術といえば、多くの皆さんは絵画を思い浮かべるかもしれません。しかしながら、美術にはもうひとつの重要な領域として装飾芸術があります。この両者をとらえなければ、美術をトータルに理解することはできません。そこで本講座では、ルネサンス期から近代に描かれた絵画と装飾芸術について、3回にわたり学びます。
 初回の講義では、ルネサンス時代の芸術家が手がけたグロテスク装飾について取り上げます。古代の宮殿装飾にインスピレーションを得て生まれたこの古代風装飾であるグロテスクの成立過程や、ラファエロとその工房によるグロテスク装飾の傑作などに光をあてます。2回目は、17、18 世紀に絵画、建築、工芸の分野で一世を風靡するシノワズリー(中国趣味)に注目します。磁器を彩るシノワズリー装飾をはじめ、ロココの時代の画家が描いてみせた豊かなシノワズリーの世界を散策しましょう。3回目は、19世紀にとりわけ装飾芸術に高い関心をもって制作活動を繰り広げたナビ派の画家たちとその作品を中心に見ていきます。近世、近代を生きた西洋の画家たちが、装飾と向き合い、作り出した美の世界をごいっしょに探訪しましょう。


第1回 グロテスク装飾――古代装飾の復興 10/9(深田麻里亜講師)
 ルネサンス時代のイタリアでは、古代美術への関心が高まり、熱狂的な人気を博すようになります。その重要なきっかけの一つが、古代ローマ皇帝ネロの黄金宮殿の内部装飾です。15世紀末に発掘された宮殿の遺跡は、まるで洞窟(グロッタ)のようであったことから、内部に残された絵画装飾は「グロテスク装飾」と呼ばれ、当時の芸術に大きな反響をもたらしました。とりわけラファエロとその工房は、古代人の空想に富んだ表現に着想を得た装飾を、宮殿内部に大々的に用い、後世へ継承される規範を形成していきます。当時の芸術を華やかに彩る古代風装飾の成立の背景を確認しつつ、代表的作品を鑑賞します。


第2回 シノワズリーと装飾芸術 11/6(小林亜起子講師)
 『東方見聞録』を著した13世紀ヴェネツィアの冒険家マルコ・ポーロの時代より、ヨーロッパの人々は遠く離れた東洋に強い憧れを抱いてきました。17世紀後半から18世紀にかけて、西洋の王侯貴族たちのあいだでは、「シノワズリー(中国趣味)」の美術作品に対する興味・関心が高まりを見せるようになります。西洋の芸術家たちによって中国風の磁器や中国を題材とするタピスリーなどの装飾工芸品が作られ、また建築装飾のなかにもシノワズリーは広く浸透していきます。この講座では、ロココ時代を代表する画家フランソワ・ブーシェが手がけたシノワズリーの絵画装飾やタピスリーをはじめ、マイセンやセーヴル磁器製作所で制作された中国風の磁器を取り上げ、その魅力に迫ります。


第3回 ナビ派と装飾芸術運動――装飾にあこがれる絵画 12/4( 袴田紘代講師)
 19世紀末、美術アカデミーの弱体化とともに絵画や彫刻といった「大芸術」の概念が揺らぐなか、小芸術とみなされていた装飾芸術が台頭してきました。産業革命以来の技術や資本主義の進歩を背景に、芸術と産業をも融合させる装飾美術は振興され、同時代の絵画にもその影響が及びます。その頃、装飾美術を手がけるのみならず、時代の美学を体現するような装飾性のつよい絵画を生み出したのが、ナビ派の画家たちでした。アール・ヌーヴォーやジャポニスムの動きにも目を向けながら、彼らの作品を装飾芸術運動との関わりのなかで見てゆきます。

※講座の性質上、原語の資料も多く文献資料を明示できないこともありますのでご理解ください。

対象 どなたでもご受講いただけます

日付 タイトル
秋1回目 2021/10/09 グロテスク装飾――古代装飾の復興(深田麻里亜講師)
秋2回目 2021/11/06 シノワズリーと装飾芸術(小林亜起子講師)
秋3回目 2021/12/04 ナビ派と装飾芸術運動――装飾にあこがれる絵画( 袴田紘代講師)

日程

土曜日11:00~12:30

  • 秋期全3回 :10/9、11/6、12/4
小林 亜起子

講師

東京藝術大学講師

小林 亜起子(こばやし あきこ)

パリ第十大学修士課程・東京藝術大学大学院博士課程修了、博士(美術)。
著書『: ロココを織る』(中央公論美術出版)、共著:Arachné(Presses universitaires de Rennes)、『イメージ制作の場と環境―西洋近世・近代美術史における図像学と美術理論』(中央公論美術出版)、『新古典主義美術の系譜 』(同上)、訳書:フイエ『イタリア美術』監訳(白水社)など。

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深田 麻里亜

講師

東京藝術大学非常勤講師

深田 麻里亜(ふかだ まりあ)

東京藝術大学大学院美術研究科博士課程修了、博士(美術)。
著書:『カラー版ラファエロ-ルネサンスの天才芸術家』(中公新書)、『ヴィッラ・マダマのロッジャ装飾―メディチ家教皇の理想図像』(中央公論美術出版)、共著:『ラファエロ―作品とその時代を読む』(河出書房新社)、『システィーナ礼拝堂を読む』(河出書房新社)、訳書:ヴァザーリ『美術家列伝』共訳(中央公論美術出版)。

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袴田 紘代

講師

国立西洋美術館主任研究員

袴田 紘代(はかまた ひろよ)

パリ第十大学修士課程・東京藝術大学大学院美術研究科博士課程修了、博士(美術)。
現在国立西洋美術館主任研究員。「北斎とジャポニスム」展(国立西洋美術館)担当のほか、ナビ派に関する研究発表や素描展企画も。

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