学生相談室新着ニュース

2020年07月10日

学生の皆さんへ【学生相談室からのメッセージ Vol.4】

学生の皆さんへ

 

 全科目オンライン授業で行われた2020年度の春学期の授業も、そろそろ終わりを迎えつつあります。学生の皆さんはいかがおすごしでしょうか。おそらくはオンライン授業にとまどいつつ勉学を進められていることとおもいます。実はわれわれ教員も同じです。

 

 私は法学部で主として「ローマ法」や「法学入門」という講義を担当しております。通常の講義の進め方は教員によって様々でありますが、私は比較的舌がまわる方だと自認しており、大まかなレジュメだけを用意しておき、あとは学生諸君の反応をみながら、即興で、話題を追加したり、省いたり、簡単にしたり、掘り下げたりしています。100分授業というのは、教員にとっては熱が入りさえすればあっという間なのですが、受けている皆さんからしてみると実に長い時間です。集中力がとぎれたときには適宜雑談をいれたり、ちがった角度から同じ話に切り込んでみたりと、私なりに工夫をしているつもりでしたが、ここ数年、どうも話がうまく通じないなと思うことが増えてきていました。

 

 ところで、コロナ禍のため、ここのところ私は面白い体験をしています。我が家には中学生の娘がおり、娘も家で動画配信型のオンライン授業をうけております。親のサポートなしで勉強を進めるのはやはり難しく、5月以降、朝からまずは娘とともに中学の授業をうけてきました。娘と一緒にラジオ体操をし、オー・ソレ・ミオを歌い、因数分解に取り組み、英語の読解をしています。そして娘の勉強が一段落ついたのをうけ、自分の講義の準備や、ゼミの学生のレポート添削にとりかかっています。つまり、私は、中学生と大学教員を同時にするという世にもめずらしい日々をおくっているのです。この体験により、いままで気づかなかったことにいろいろ気づかされました。中学校の先生の授業では、毎時間、「いまなにをすべきか」がはっきりと示されています。そのため落ち着いていま取り組むべき課題にじっくり取り組めます。私の講義は全くの真逆で、学生の反応をみながら即興で展開するという方法ですから、波長があえば刺激的なのかもしれませんが、うまくついてくることのできない学生には、雲をつかむような話になっていたようです。

 

 コロナによる変則的授業はとまどいもありますが、新たな気づきのチャンスでもあります。先生から直接話をきくことができないのは困りものですが、そのかわり、動画等の資料を繰り返し確認することができます。せかれることなく自分のペースで資料を読むこともできます。また、普段ですと一方的に授業を聞くことが多いのですが、いまは課題等を出し添削を受け取る機会もふえています。また、図書館が利用できないなど情報量が制限されていますが、逆にいえば、限られた資料にじっくり深く向き合うことができるチャンスともいえます。この機会をとらえていままでの躓きの石を是非探してみてください。

 

 7月になり迫り来る試験に恐怖を感じている人も多いのではないでしょうか。通常のように一堂に会しての試験はもちろんできません。多くは平常点やレポートでの試験という形をとることになると思います。こういう形の場合には、日頃の堅実な勉強がより評価されます。いままで課題にきちんと取り組んでいれば、必ずその姿勢は評価してもらえるはずです。また、レポート試験という形での試験がなされる場合も、普段より対策しやすいともいえます。通常のように緊張の中で答案を書く必要はありませんし、通常のようになくしたレジュメ探しに奔走する必要もないのですから。

 

 いまは学生のみなさんもわれわれも教員も試練の時ではあります。しかし、いまの状況は悪いことばかりではありません。この機会を利用し今までの自分を振り返り、この時期が自分にとって意味のある時期であったと思えるように、何事においても考えて取り組んでみてください。今後の大学の判断がどのようになるかわかりませんが、体調管理をしっかりとしながら、対面授業再開時には、キャンパスで皆さんに会えるのを楽しみにしています。

 

2020年7月10日

学生相談員 法学部教授 森 光