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2021年04月03日

研究科長から令和3年4月入学生へのお祝いメッセージ

 みなさん、中央大学ビジネススクールへのご入学おめでとうございます。入学に際して、みなさんを励まし、背中を押し、支えてくださっているご家族・ご友人・パートナー・職場関係者のみなさまにも、心からのお慶びを申し上げます。
 今日こうしてこの場に一同に会して、みなさんの入学式を挙行できること、準備を整えてくださったすべての関係者の皆様に感謝したいと思います。
 中央大学ビジネススクールは、2008年に設立され、この4月で14年目を迎えます。この間で入学式を開催できなかったのは2回あります。東日本大震災の起こった2011年と新型コロナ禍に見舞われた2020年です。世界ではこの未知のウイルスのために、人と人との接触や行動が制限され、社会や経済に大きな混乱と不安をもたらしています。みなさんも、職場やご家庭で、今までにないご苦労をされてきたとお察しします。
 CBSではオンライン授業の準備を整えて、昨年5月の連休からようやく完全オンライン双方向で授業開始、そして、在学生の協力を得て実証実験を積み重ねた結果、9月末から一部対面(ハイブリッド)授業も開始しました。しかし、昨年12月からは、第3波によって、ほとんどをオンライン授業に切り替えざるを得なくなりました。仕方ないと頭では理解しつつも、教員としては残念な気持ちでいっぱいでした。
 このような状況のなかで、CBSに入学することを決断されたみなさんの勇気と学ぶ意欲に心より敬意を表します。 
 さて、昨年からオンライン双方向授業を積み重ねるうちに、利便性や教育上の課題・そして限界もわかってきました。通学しなくても自宅で学べること、学内でしか見られなかった録画を自宅からも見られるようになったこと、何より対面授業のニーズが一定以上あり、実際に会って授業を受けることの喜びや教育効果についても、再確認できました。
 従来、CBSのほとんどの授業では、グループワークやディスカッションが頻繁に行われ、対面授業で相手と対峙することで学習効果が高まります。しかし、新型コロナウイルスが蔓延しているからといって、みなさんの学びたいという「心の火」に水をさすことは、CBSとしては絶対にしてはいけないことです。初めての試みが多数あり、未知の世界でもありますが、これを機会に遠隔授業に真摯に向き合ったことで、新たな気づきも生まれました。これがわれわれの新たなチャレンジです。
 ビジネスの世界でも、ピンチをチャンスに変えている企業が多数あります。私の教え子に旅行業に従事している方がいます。その方が語っていたことで印象に残っていることを少しお話します。その方の勤める企業では、新型コロナ禍の影響でほとんどの仕事がキャンセルになってしまいました。多くの職員の方々は仕事がなくなり、給料が減り、当初は先の見えない暗闇に迷い込んだという絶望感に襲われたと言います。そして、今なお多くの職員が他の企業に出向したり、地域のボランティア活動などに従事しているとそうです。そのなかで「実は自分たちの企業の文化は健在だ」という気づきを得たといいます。その企業で培ったお客様本位の言動を、それぞれの職員が派遣された場所で発揮した結果、派遣先で高く評価され、「ああ、自分たちはこういう特徴があるんだ、企業文化はそれぞれの職員に根付いていたんだ」と再発見したというのです。
 このように、自社の外に身を置いてこそ、わかる自分たちの特徴というものがあります。この企業のように、現在の状況は決してよくはないけれど、この経験が次の10年につながると、その方は確信していました。今は過酷な現実に直面しているけれど、新しい視点を得られてよかったとさえ言っていました。
 みなさんも、今のような状況であるからこそ、自分のいた世界からいったん抜け出して、CBSという場に身をおいて、多様な視点・多様な価値観と触れ合うことで、きっと新しい気づきがあると思います。それがチェンジリーダーとしての入り口に立つということです。どうぞこれからの2年間を大いに期待してください。
 最後に、みなさんにお願いしたいことが一つあります。われわれは、互いに学びあうコミュニティです。みなさんにも「単なる教育サービスの受け手」ではなく、一緒によりよい学びの場をつくることに協力してほしいのです。みなさんを、共に学びあう「仲間」としてお迎えしたいと思います。
 さあ、今日から新しい学びの始まりです。CBSへようこそ!

  令和3年4月3日
  中央大学大学院戦略経営研究科 研究科長 露木恵美子