ビジネススクール

戦略分野の露木恵美子教授の共著『職場の現象学:共に働くことの意味を問い直す』(白桃書房,2020年3月26日)が刊行されました。

2020年04月14日

 日常生活を送るうえで、職場について次のような疑問を持つことはあまりないだろう。 職場の「雰囲気」はどうやってできあがるのか?
「対話」を成立させるためには何が必要か?
しかし、このような疑問を持つことが、生き生きとして高い創造性を発揮する職場を実現していく上で極めて重要である。本書では、このような問いをめぐって、現象学者と経営学者が、学問領域の境界を越えて、具体的な職場の事例について思索している。
現象学とは、「人間が人として何を求めて、どう生きるのかの自覚を伝え合い、確認し合えること」を目的にした哲学である。そして本書は、人々が働く「職場」の雰囲気や人間関係がどのように作り上げられていくのかを解き明かす。
ただし、学術的というより、あくまでも一般的な職業人や企業人向けに、深い内容ながら平易な文章で書かれている。
すぐに使える「ノウハウ」が書かれているわけではないが、どこの職場でも起こり、人々が日々頭を悩ませ心を砕いている職場での「人間関係」について普遍的な理解が得られるだろう。

*本書は、JSPS科研費JP25380477「地域ネットワーキングと起業プロセスの研究」(平成25~28年度)、JP17K03895「地域における事業化を支える社会基盤としての「場」とネットワークの研究」(平成29~31年度)、ならびに、中央大学特定課題研究費「コミュニティにおける慣習的社会制度の成立と変容に関する研究」(平成27~28年)の助成を受けた研究成果の一部です。