公共政策研究科

大学院公共政策研究科公共政策専攻(修士課程)の廃止について

2017年07月28日

                                              2017年7月
                            

                                         中央大学 学長 酒井正三郎

 

 中央大学は、2017年6月の文部科学省への届け出をもって、大学院公共政策研究科公共政策専攻(修士課程)を廃止いたしました。
 公共政策研究科は、国際化や高度情報化という社会を取り巻く環境の変化に伴い、公務員養成においても高度な問題解決能力を涵養する大学院教育の必要性があるとの社会的ニーズを先取りする形で、2005年(平成17年)4月に開設され、公務分野における高度職業人養成に努め、多くの優秀な公務人材を輩出してまいりました。
 しかしながら、公共政策系大学院の修了者に対する需要が拡大せず、本学としても公共政策研究科における特色ある教育の展開、各種の改革にも取り組んでまいりましたが、従来型の大学院と比較して、その優位性を十分に確立するには至りませんでした。その結果として、予定した入学者数を確保することが困難となり、教育環境の運営改善に見通しが立たないことから、2015年4月から学生募集を停止し、2017年3月の修了生をもって在籍学生がいなくなったことから、今般、文部科学省に対して公共政策研究科の廃止の届出を行いました。
 公共政策研究科がこの12年間に培った有用な取組・教育コンテンツなどについては、元来、公務人材養成に特色のある中央大学内で継承されることとなり、今後は中央大学全体として公共政策研究科の有していた目的を果たしていくこととなります。
 例えば、東京都特別区と行っていた個別協定によるインターンシップは、キャリアセンターに引き継がれ多くの学部学生のキャリア形成に資するものと思料されます。また、本学出身の首長のご協力の下、地方行政の醍醐味と今後の課題等についてローカルガバナンスと絡めながらの双方向によるリレー講義については、総合政策学部の「特殊講義(首長が語るローカルガバナンスの真髄)」として引き継がれ、総合政策学部学生だけではなく、多摩キャンパスの文系学部の学生が広く受講できることとなっており、公務員を目指す学部生のモチベーション向上に繋がるものと期待されます。さらには、公共政策研究科で開発した「ケースプログラム」の手法については、開発に携わった教員がそれぞれの所属学部での展開を図っているほか、「院生カルテ」という学生のポートフォリオについても、全学的な教育取組の中で検討がなされております。
 公共政策研究科としての使命は今般の廃止をもって終わるわけですが、以上のとおり、公共政策研究科が志向していた目的については失われるものではなく、中央大学全体で共有し昇華されることとなります。
 最後に、これまで公共政策研究科の取り組みを支えていただきました多くの方々に対しまして、ここに深く感謝申し上げます。
                                                以 上