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2015年08月03日

理工学部教授 石川幹子:新国立競技場再整備計画について神宮外苑の水・緑・歴史的環境の再生を文部科学省・JSC・東京都に提言

理工学部教授 石川幹子は、日本学術会議環境学委員会・都市と自然と環境分科会委員長として、平成27年4月24日、「神宮外苑の環境と新国立競技場の 調和と向上に関する提言」を公表した。

「神宮外苑の環境と新国立競技場の調和と向上に関する提言」(http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-23-t211-1-1.pdf)

 

平成27年7月18日に新国立競技場計画の白紙撤回が、安倍首相より表明されたことに伴い、学術会議がこの間、提言してきた神宮外苑の水・緑・歴史的環境の再生について、計画見直しの基本的条件とすることが、喫緊の課題となったため、以下の提言を、文部科学省、(独)日本スポーツ振興センターに提出し、東京都に説明を行った。

今後、新国立競技場整備計画再検討のための関係閣僚会議及び、新国立競技場の整備計画再検討推進室に、提言を行う予定である。

以下の内容のファイルが必要な方は、こちらからダウンロードください。

新国立競技場再整備に向けた提言pdfファイル

 

 

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平成 27年 7月24日

 

文部科学省スポーツ青少年局御中

(独)日本スポーツ振興センター 新国立競技場設置本部 御中

 

「新国立競技場計画の白紙撤回を踏まえた、神宮外苑の水・緑・歴史的環境の再生基本方針に関する提言」

 

日本学術会議環境学委員会 都市と自然と環境分科会

委員長 石川幹子(中央大学教授、東京大学名誉教授)

〒112-8551 東京都文京区春日1-13-27

Mail:ishikawa.27w@g.chuo-u.ac.jp

TEL・FAX:03-3817-7268 (ex.7268)

 

日本学術会議環境学委員会・都市と自然と環境分科会は、平成27年4月24日、「神宮外苑の環境と新国立競技場の 調和と向上に関する提言」を公表した。

「神宮外苑の環境と新国立競技場の調和と向上に関する提言」(http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-23-t211-1-1.pdf)

 

平成27年7月18日に新国立競技場計画の白紙撤回が、安倍首相より表明されたことに伴い、学術会議がこの間、提言してきた神宮外苑の水・緑・歴史的環境の再生について、計画見直しの基本的条件としていただきたく、改めて、その具体的内容を明示し、提言いたします。

 

 

提言1 新国立競技場を取り囲む環境は、神宮の森の生態系の特質を踏まえ、大地に根ざした「本物の森」を創り出す。コンクリート構造物の上に整備が予定されていた立体公園は、建設費・維持管理費が膨大であり、樹木が長期的に生長していくことは不可能な公園であるため、取り止め、失われる明治公園と同等以上の広さの市民に開かれた緑地を地表面に確保する。

 

提言2 渋谷川の清流を復活させ、熱環境・景観の改善をはかり、健全な水循環を回復し、生態系の回廊を形成していく。

 

提言3 現在、残っている樹木については、極力保存するものとし、少なくとも、新計画が決定されるまでは、伐採を行わない。隣接する都営霞ヶ丘アパートは、新国立競技場を支える外苑の森として、生態系と水循環回復を基本として一体的整備を行う。

 

提言4 昭和初期に整備された現在の神宮外苑の森は、国民の献木により創りだされた。これに鑑み、今回のオリンピック・パラリンピックを多くの人びとが祝福することができるよう、広く献木を募り、この精神を象徴する場とする。

 

提言5 これまでの案に基づいて変更された、都市計画明治公園及び神宮外苑地区地区計画については、案の白紙撤回に伴い、合わせて見直すものとする。その際、既存の風致地区、景観計画を遵守すること。また、公園が地表面に充分に確保できない場合は、立体公園制度を適用せず、替わるべき公園を都心部の別な場所に地表面で確保すること。

 

提言6 震災復興の成果を世界に示すオリンピック・パラリンピックとするという開催地決定時の首相声明を遵守していく。

 

提言7 水と緑の神宮外苑再生と将来ヴィジョン策定委員会を立ち上げる。計画案の白紙撤回を踏まえて、新しい計画の策定にあたっては、2020年のオリンピック・パラリンピックへの対応に留まらず将来世代に何を手渡すかのヴィジョンの策定が必要である。国、東京都、独立行政法人日本スポーツ振興センター、新宿区、渋谷区、港区等は、関係する多様な団体、アスリート、市民、学識経験者などの意見を聞き、将来ヴィジョン策定委員会を立ち上げ、検討を行うべきである。

 

以上