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2018年06月27日

連続公開講座「LGBTをめぐる法と社会」第一回「LGBTと人権—府中青年の家裁判を振り返る」を開催いたしました

 2018年5月12日(土)、本学後楽園キャンパスにて、中央大学とLLAN(LGBTとアライのための法律家ネットワーク)共催による連続公開講座の第一回、「LGBTと人権—府中青年の家裁判を振り返る」(司会進行 谷口洋幸氏、登壇者 風間孝氏、中川重徳氏、服部咲氏)を開催いたしました。

 

 「府中青年の家」裁判とは、東京都が同性愛者の宿泊施設の利用を拒否したことに対し、1991年に「動くゲイとレズビアンの会」(アカー)メンバーが提訴に踏み切ったものです。(裁判の概要はこちらをご覧ください。

http://www.ne.jp/asahi/law/suwanomori/special/supplement3.html

 

 講座は本学法学部の中島康予教授とLLAN理事の佐々木弘造氏による開催の挨拶から始まり、前半は各登壇者による短い講演、後半は谷口氏の司会進行によるパネル・ディスカッション形式で進められました。

 

 アカーの弁護団を務めた中川弁護士からは、1997年のアカー勝訴の判決まで当時の経緯を振り返り、若手弁護士の自分がアカーとの対話を通じて性的指向と差別の問題を深く理解していった過程、提訴が社会を変えその変化が裁判に影響していくという法廷闘争の意義について力強くお話しいただきました。本学文学部を卒業直後に原告となった風間氏からは、当時のゲイメディアによる裁判批判の紹介、そこから現在までつながる異性愛社会における「クローゼット」と「寛容」の力学について明快な分析を示していただきました。さらに現在若手弁護士としてLGBT関連の案件を多く手がけられる服部弁護士より、いまの法曹界では問題の所在をよく理解する人も少しずつ増えており、弁護士間での協力関係も作られていることが紹介されました。

 

 判決から20年、性的指向と人権をめぐる日本初の裁判として重要なこの事件への関心は高く、140名を超える参加者が集う会場は熱気あふれる場となりました。大声をあげれば忌避される、しかし声をあげずに多数派の「寛容」を当てにする限り自らの権利を自ら手にすることはできない。風間氏が指摘されたジレンマはいまだ存在しますが、それを冷静に認識した上で前向きに対話を続けよう、という登壇者からのメッセージに、多くの参加者から「励まされた」という感想をいただきました。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。今後の講座へのご参加もお待ちしております。

 

 今後の連続講座の予定はこちらでご確認ください。

 第一回講座の動画はこちらで視聴できます。