研究開発機構

理工学部教授 竹内健:SSDの高速化・高信頼化に関する研究成果をプレスリリース

2015年02月26日

理工学部教授(電気電子情報通信工学科)竹内 健の研究成果をプレスリリースしました。本成果は、2015年2月22日~26日に米国・サンフランシスコで開催された「国際固体素子回路会議(ISSCC 2015)」で発表されたものです。

自動運転やインダストリ4.0に向けて リアルタイムにデータを処理・記憶するSSDを開発

IoT(Internet of Things:モノのインターネット)と呼ばれるように、医療、農業、流通、交通、電力網など社会の至る所にセンサが張り巡らされ、人間だけでなく、機器同士、機器と人間の間で様々なデータがやり取りされるようになります。例えば、自動運転ではセンサによって周囲の車、障害物、車線などをモニタしながら運転を行います。また、インダストリ4.0と呼ばれる製造工場でのITの活用では、高速に動くモーターなどを周囲の環境に合わせて最適に調整することで生産性を高めることが期待されています。このようなリアルタイムのIoTの応用では高速にデータを処理、記憶、管理する記憶装置(ストレージ)が必要になります。しかし、従来のITではデータを格納するストレージ(SSD)が信頼性と性能のジレンマを抱えていました。すなわち、データの信頼性を高めるために強力な誤り訂正技術を用いると、メモリを読み出す時間が長くなる(読み出し性能が劣化する)という問題がありました。今回、周辺のメモリからの干渉を補正する技術、メモリセルの劣化にあわせて読み出しのレベルを調整する技術などを開発し、SSDの6倍の高速化と5倍の高信頼化を達成しました。高速かつ高信頼にデータを記憶、処理することが可能になり、自動運転、インダストリ4.0などのIoTの応用が実現することが期待されます。

本研究成果はJST戦略的創造研究推進事業CRESTの支援を受け、研究開発機構「高信頼低電力VLSIメモリシステム研究プロジェクト」にて実施されました。