研究開発機構

ノーベル化学賞受賞者 Richard R. Schrock 氏 講演会の開催報告

2013年07月23日

講演会後、シュロック先生を囲んで

 2005年度ノーベル化学賞受賞者で、米国マサチューセッツ工科大学 Richard R. Schrock 教授をお招きし、下記のとおり特別講演会を開催いたしましたことをご報告いたします。

題目: Advances in Olefin Metathesis with Molybdenum and Tungsten Catalysts.
日時: 2013年7月19日(金)16:20~17:50
場所: 後楽園キャンパス3号館3階小ホール

 講演会には、本学教職員、学生、学外者約160名にご参加いただきました。

 Schrock教授は、先例のなかった炭素=炭素二重結合の組み換えによる有機合成新手法を実現したもので、金属と炭素二価種であるカルベンとの錯体が触媒になることを明らかにされました。この錯体が不安定であるため、ご苦労が多々あったと報じられています。本講演では、この錯体の発見から最新のタングステンやモリブデン錯体を用いる進歩をご紹介いただきました。
 変った現象を見落とさず本質を追求してSchrock型カルベン錯体を発見されましたので、科学・技術に身を置く人はもちろん、これからその方面に進学しようとする若人にとって有益なヒントが得られたことと思います。

 また、講演後も、Schrock 教授には学生からの質問、写真撮影、サインに気さくに応じていただきました。
 
 最後に、多忙なスケジュールの中、講師をお引き受けくださいました、Schrock教授に深くお礼申し上げますとともに、本学での講演会開催にご協力いただきましたた、大阪大学大学院基礎工学研究科 真島和志 教授、及び日本ゼオン株式会社様に深くお礼申し上げます。