Eventイベント

研究開発機構

MELT up フォーラム 組織間機密通信のための組織暗号の研究開発と社会的利用

日程
2015年6月15日(月)18:00~20:00, 6月17日(水)18:00~20:00, 6月19日(金)10:00~17:00, 6月20日(土)10:00~17:00
場所
後楽園キャンパス 3号館3階3300号室(15,17日)駿河台記念館610号室(19日),5号館2階5233号室(20日)
日程
2015年6月15日(月)18:00~20:00, 6月17日(水)18:00~20:00, 6月19日(金)10:00~17:00, 6月20日(土)10:00~17:00
場所
後楽園キャンパス 3号館3階3300号室(15,17日)駿河台記念館610号室(19日),5号館2階5233号室(20日)
内容

開催趣旨

20世紀までの通信・放送は、通信の秘密を基本理念とする個人通信と、公序良俗という価値観に基ずく公共放送の2分野であった。21世紀に入ると、SNSが急速に普及してきた。今後は、この3者に加えて、企業、自治体、医療機関など多様な組識間での、電子化された文書による通信が、文書の電子化・ビッグデータ化の進展、クラウド環境の広がり、及び、マイナンバーの導入などに伴って、広がるものと予想される。従って、これからの通信・放送分野は、個人通信、組織通信、SNS、公共放送の4つに類型化されるものと考えられる。
比較的自由な個人通信と異なり、組織通信の場合は、伝達情報の正確性、迅速性・緊急性、証拠性、機密性、個人情報保護、法的整合性、論理的無矛盾性、多言語性などへの配慮が求められる場合が少なくない。
 組織通信における、これ等の理念の内、機密性、証拠性を支える基本技術は暗号であり、自治体の有する個人情報・企業の機密情報の限定的送出や、再暗号化、秘匿検索・推論などの暗号化状態処理を含む暗号技術(以下組織暗号と総称する)は、クラウド環境の広がりなどの中で、不可欠となっている。
1990年代、「暗号は軍事外交以外に、情報社会でも有用なのかということから社会的関心を集めたが、暗号が認証・署名や秘匿の基盤技術として生活を支えるようになると、新技術の宿命として、暗号への人々の関心は薄れていった。
最近、第2次大戦において、エニグマ(ナチスドイツの暗号)を解読して、連合国を勝利に導いた、悲劇の天才、アラン・チューリングを主人公にした映画「イミテーション・ゲーム」が話題を呼んでいる。チューリング時代の古典暗号の解読も鍵管理の不完全さがきっかけになる場合が多かったが、この点は、現在も通じる課題である。暗号がセキュリティの基本技術として、話題になり始めたころ、大蔵省(現在財務省)のある局長から「素数は、そんなに沢山あるのですか」という玄人裸足の質問を受けたことがある。それ程関心を集めた暗号も、現在は、情報システム技術者ですら「素数の使い回し」という初歩的なミスを冒しているという状況である。我々暗号技術者は、再度、暗号に対する社会的関心を高めることに智慧とエネルギーを注ぐ必要があると痛感している。

 本フォーラムは、中央大学研究開発機構が、国立研究開発法人情報通信研究機構から委託を受けている「組織間機密通信のための公開鍵システムの研究開発―クラウド環境における機密情報・パーソナルデータの保護と利用の両立に向けて―」の研究活動の一環として行うものであり、これまでの本委託研究成果を含め、産学官の関連研究動向について広く討議することにより、今後の組織暗号の研究開発と社会的活用に資することを目的として開催するものである。

講演内容等はこちらをご覧ください。

参加費

無料

参加手続き

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企画実施名義

主催:中央大学研究開発機構 研究ユニット「組織間機密通信のための公開鍵システムの研究開発」(ユニット責任者 辻井重男 研究開発機構教授)

実行委員会

 委員長 辻井 重男
 副委員長  山口 浩
 幹事長    才所 敏明
 幹 事 五太子政史
 幹 事 藤田 亮
 事務局 堂上 一男