社会科学研究所

公開研究会「北海道におけるOSSコミュニティ」開催報告(社会科学研究所)

2018年07月25日

2018年7月7日(土)、札幌コンベンションセンターにて、下記の公開研究会を開催しました。

【テーマ】 北海道におけるOSSコミュニティ

【講 師】 佐々木 伸幸 (有)サンビットシステム取締役社長

【日 時】 2018年7月7日(土)13:00~13:45

【会 場】 札幌コンベンションセンター

【主 催】 社会科学研究所 研究チーム「情報社会の成長と発展」

【要 旨】 

 本公開研究会は、オープンソース歴史研究会の一環として実施されたものである。オープンソース歴史研究会では、1990年~2000年代の記録を残すプロジェクト活動をしている。今回は北海道オープンソースコミュニティで活躍されている佐々木氏からの報告がなされた。

 本報告の趣旨は、90年代から00年代にかけて、フリー・ソフトウェアやオープンソース・ソフトウェアに関する活動が、北海道ではどのようにしておこなわれてきたか、中心的に活動した団体やコミュニティにはどのようなものがあったかというものである。日本においてインターネットの商用化は90年代の前半に進められたが、北海道では、Internet Initiative Japan (IIJ)の札幌支店が起源となった。その活動を中心として、北大などで学術的にインターネットを利用していた人々やパソコン通信などで繋がっていた人々が北海道のコミュニティを形成していった。物理的なつながりとして90年代前半に札幌市のテクノパークを中心としてコンピュータ・ネットワークが接続された他、1996年には、北海道大学、山本教授を中心にNetwork Community Forum (NCF)が発足、人的なコミュニティ活動が拡がっていった。2005~2006年頃には法人格を持った団体であるLOCALが設立され、今までバラバラにやっていたコミュニティ活動の運営、会場の手配や受付などの運営支援をする活動が行われるようになった。LOCAL設立の趣旨は、コミュニティを支援するコミュニティがメタコミュニティーをサポートする人コミュニティを支援するというものであった。

 なお、今回の報告においては、札幌を中心とした活動に加えて、地理的に広範囲に渡っているという北海道の特殊性を加味したうえでコミュニティ活動がどうあるべきかについても論じられ、さらに、次世代をになう人材を支援していかねばならないと考えている今後の展開についても報告された。(主催チーム記)