理工学研究所

理工学部教授 鈴木 宏明らの「衝撃センサ」研究成果をプレスリリース

2018年04月11日

試作センサ

理工学部教授(精密機械工学科)鈴木 宏明、助教 岡野 太治、髙橋 大吾さん(大学院理工学研究科学生・当時)、原 啓佑さん(理工学部学生・当時)の研究グループは、マイクロ流体工学をベースとした衝撃検出センサを提案し、その開発に結びつく設計指針を確立しました。
 
  近年、スポーツシーンでの外傷性脳損傷が国内外を問わず社会問題化しており、そのリスク管理の一環として、身体にセンサを装着して行う衝撃モニタリングが一部で実施されています。本研究グループは液体の比重差などを利用することで、電子部品が不要で衝撃の有無を目視で確認できる衝撃検出技術を提案し、その原理検証を進めてきました。オイル中に液滴を作ると、両者の比重差によって液滴は重力の働いている向き(または逆向き)に移動します。提案技術ではこれを利用し、樹脂製センサの内部に封入された液滴の移動状況から衝撃の有無を判断することで、スポーツシーンで危険とされる約20~100 Gの衝撃(作用時間約10ミリ秒)を検出することに成功しました。

 

このセンサで検出可能な衝撃力は、液体を封入する区画の形状や使用する液体の組み合わせなど、多数の因子が複雑に関与することで決まります。本研究グループは、これを二つの無次元数注1を用いることで容易に決定できることを明らかにし、液滴を使った衝撃検出センサの開発に有用な設計指針を確立しました。

 

本研究成果は4月11日(日本時間)、米国科学誌「PLOS ONE」に掲載されました。

 

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