Eventイベント

人文科学研究所

人文科学研究所・中央大学仏語仏文学研究会共催公開研究会開催のお知らせ

日程
2018年7月14日(土)13:00~15:00
場所
多摩キャンパス 2号館4階研究所会議室1
日程
2018年7月14日(土)13:00~15:00
場所
多摩キャンパス 2号館4階研究所会議室1
内容

講 師:       篠田 知和基 氏 (名古屋大学文学部元教授)

テーマ:       「昆虫神話をめぐって」

要 旨:   「世界動物神話」「世界植物神話」「世界鳥類神話」に
            つづいて「世界昆虫神話」をまとめた。神話世界の鳥獣
            虫魚の集大成をめざしており、目下は魚類の部にかか
            っている。人間は自然の脅威をまえにしておそれおの
            のくとともに、そこに神の力をみてなぜ、神はそのよう
            に怒り狂うのかと問いかけ、それを理解しようとすると
            ともに、その怒りをなんとか慰撫し許しをえようとした。
            それが最初の神話となった。そこで自然の恐ろしさをあ
            らわしたのは獣であり、猛禽だったが、自然を見つめる
            目はよりちいさな虫たちが、華麗な蝶などに変態する
            様子に驚異を感じ、そこにも神の神秘をみた。ちいさな
            虫が羽化して大空へ飛んでゆくのなら、人間もたとえ
            ば、死後、翼がはえて常世へむかって飛んでゆくのか
            もしれない。変態の秘密が昆虫神話の形のもとに語ら
            れた。変身の神話はカフカが文学としてときあかそうと
            した。富士川のほとりでは橘につく「常世蟲」が神として
            まつられていた。その神話は坂東眞砂子によって小説
            化された。蟻の社会についてはウエーベルが観察にも
            とづく創作をした。虫をめぐる神話語りはエジプトの「死
            者の書」から現代の文学にいたるまでいまだその魅惑
            をかたりおえていない。

                        以上

企画実施名義

共催:人文科学研究所研究会チーム「アーサー王伝説研究」

   中央大学仏語仏文学研究会