Eventイベント
人文科学研究所
人文科学研究所主催公開講演会開催のお知らせ(「視覚と認知の発達」」チーム)
- 日程
- 2018年3月16日(金)15:30~17:30
- 場所
- 駿河台記念館670 号室
- 日程
- 2018年3月16日(金)15:30~17:30
- 場所
- 駿河台記念館670 号室
- 内容
講 師: 山本 寿子 氏 (東京女子大学大学院特任研究員)
テーマ: 「情動と音韻の視聴覚統合プロセスは独立か」
要 旨:
他者の情動を判断する際の手がかりに,情動音声と表
情があげられる。音韻知覚では,音声に加え,唇の動
きも手がかりとなる。このように,情動判断と音韻知覚
は,いずれも聴覚情報と視覚情報を統合することによ
って成り立つという共通点を持つ。先行研究では,日
本人が情動判断と音韻知覚のいずれにおいても,他
の文化と比べて聴覚情報に重きを置くことが明らかに
なっている。そこで,情動判断と音韻知覚の間の視聴
覚統合プロセスは共通であるのか,あるいは独立であ
るのかを明らかにするため,(1)日本・オランダの成人
を対象とした知覚実験結果に見られる相関,(2)日本
の5歳から12歳の子どもを対象とした発達パターンの比
較,(3)視聴覚統合プロセスの相互干渉,の3つの側
面から検討を行った。
講 師: 藤原 寿理 氏
(福島県立医科大学システム神経科学講座助教)
テーマ: 「自由の価値に関する脳機能イメージング研究」
要 旨: ヒトは日常生活で多くの選択を行っている。その際多
くの選択肢の中から選ぶ権利がある場合は、そうで
ない場合に比べて選択行動自体の価値が高くなるこ
とが知られている。本研究では「選択肢の数」=「自
由度」と定義し、自由度が増えるに従って選択時に活
動が強まる脳領域をfMRIを用いて検討した。結果、
自由度に対する価値は報酬関連領域である線条体
で表現されていることが明らかになった。
本研究ではさらに選択前後での商品価値の違いに
も着目し解析を行った。これまでに自ら選んで手にし
た物の価値が選択前に比べて高くなることが知られ
ていたが、一方で選択肢の数が多いと選択行動自体
に負荷がかかることも知られていた。本研究の結果、
選択肢増加に伴う自由度および選択負荷が再評価
へ与える影響のバランスは、腹外側前頭前野領域で
調節されていることが示された。本研究により、我々
が日々直面する選択に伴って生じる複雑な価値のア
ップデートを司る神経基盤が初めて明らかにされた。以 上
- 企画実施名義
人文科学研究所研究会チーム「視覚と認知の発達」