人文科学研究所主催公開研究会開催のお知らせ（「ルソー研究」チーム）

土橋 友梨子 氏
     (学習院大学文学部フランス語圏文化学科助教)

テーマ：  「ジャン=ジャック・ルソー『対話』の四草稿について」

要 旨： ルソーの晩年の作品である『ルソー、ジャン=ジャックを
            裁く―対話』には４つの清書原稿があり、これらはBnF
            草稿、ロンドン草稿、パリ草稿、ジュネーヴ草稿と呼ば
            れている。ルソーは生前、この作品がいつの日か出版
            されることを切望しながら、４人の異なる立場の人物に
            『対話』の草稿を託した。そしてルソーの死後、草稿を
            託された人々もまた、できるだけ忠実にルソーの願い
            に従おうとしたのであった。
            本報告では、ルソーの草稿を研究するうえで有用と
            考えられる事柄に少し触れながら、これらの四草稿が
            図書館に収められるまでに辿った数奇な運命を概観す
            る。特に謎の多いパリ草稿の歴史については、2016年
            10月に出版されたクラシック・ガルニエ版の『対話』校
            訂者であるジャン=フランソワ・ペランと意見が異なるた
            め、詳述したいと考えている。


　

人文科学研究所研究会チーム「ルソー研究」