Eventイベント
人文科学研究所
人文科学研究所主催公開研究会開催のお知らせ(「性と文化」チーム)
- 日程
- 2017年2月19日(日)14:30~17:00
- 場所
- 駿河台記念館 580号室
- 日程
- 2017年2月19日(日)14:30~17:00
- 場所
- 駿河台記念館 580号室
- 講師
石川千暁 氏 ( 立教大学文学部 助教)
- 内容
テーマ:「一緒に女の子」であることの親密—ネラ・ラーセン『パッシング』からトニ・モリスン『スーラ』へ
要 旨:「私たちは一緒に女の子だった (We was girls together)」。初のアフリカ系アメリカ人ノーベル賞作家トニ・モリスンToni Morrisonの『スーラ』Sula (1973年)の結末において、今は亡き親友スーラを想って幼馴染ネルNelはそう呟く。二人の親密性をめぐっては、レズビアン的であるとも、逆に同性愛とは異なるとも評されてきたが、そうした相反する見解は、『スーラ』に書き込まれている流動的な—クィアな—性の表現を期せずして言い当てているだろう。
同じくアフリカ系でハーレム・ルネサンス期の作家であるネラ・ラーセンNella Larsenの『パッシング』Passing (1929年)もまた、女同士の親密な関係を描いている。スーラを弔うネルの呟きに、ネラが描き得なかった類のセンティメントが込められていると考えることはできないだろうか。本発表は、女同士のエロティックな欲望の抑圧を描いたラーセンのテクストのクィアな書き換えとして『スーラ』を読む試みである。
- 企画実施名義
人文科学研究所研究会チーム「性と文化」