Eventイベント
人文科学研究所
人文科学研究所主催公開研究会開催のお知らせ(「英文学と映画」チーム)
- 日程
- 2017年2月11日(土)14:00~18:00
- 場所
- 法政大学大学院棟(案内を当日に掲示)
- 日程
- 2017年2月11日(土)14:00~18:00
- 場所
- 法政大学大学院棟(案内を当日に掲示)
- 内容
講 師: 松本 朗 客員研究員 (上智大学教授)
テーマ: 「ロマン・ポランスキー監督の『テス』」
要 旨: ロマン・ポランスキー監督の『テス』(Tess,
1979)は、1977年のポランスキーの逮捕事件のせい
で十分な評価・検討がなされてこなかった作品だが
、近年になって、再評価の必要を唱える研究者が現
れ始めている(Riquelme 153-
54)。最近のアダプテーション史研究においても、
この映画は、パナヴィジョンのレンズを用いて大型
スクリーンで抒情的な風景を映し出すスタイルを有
する1960~1970年代の一連のアダプテーション映画
と、〈作家性〉を打ち出すスタイルの映画という、
二種類のスタイルの〈間〉を探る重要なテクストで
あるとの見解が(ちらりとではあるが)示されてい
る(Greg and Hasenfratz 296-
302)。本発表では、この映画テクストを悲劇という
よりはメロドラ
マのジャンルに属するものとみなし、ヒロインが〈
田舎性〉と〈都会性〉、〈伝統〉と〈モダニティ〉
の間を行き来し、異種混淆性を有する形象としてあ
らわされていることに着目することによって、ヘリ
テージ映画の時代の直前に製作されたこの映画のナ
ショナリティの概念にたいする批評性を検討したい
。それと同時に、この映画テクストで探られている
と言われる〈間〉のスタイルを浮かび上がらせるこ
とができればと考えている。講 師: 佐藤 元状 客員研究員 (慶應義塾大学准教授)
テーマ: 「ヘリテージ前夜のシェイクスピア映画」
要 旨: ヘリテージ映画には、イギリス文学の古典的作品か
らの数多くの翻案が含まれる。オースティン、ディ
ケンズ、フォースター、ジェイムズなどと並んで、
シェイクスピアもとりわけ1990年代以降、次々と翻
案され、ヘリテージの一角を担うようになっていっ
た。シェイクスピアの伝記を『ロミオとジュリエッ
ト』の筋書きと見事に組み合わせて、批評的、商業
的な成功を勝ち取ったジョン・マッデン監督の『恋
に落ちたシェイクスピア』(1998年)は、まだ記憶に
新しい。だが、そもそもシェイクスピア映画はいつ
からヘリテージ=文化的遺産と見なされるようにな
ったのだろうか。本発表では、シェイクスピアの翻
案の歴史を概観しながら、とりわけ1930年代のトー
キー 初期のシェイクスピア映画の困難に注目してみるこ
とで、現代のヘリテージの諸問題を逆照射してみた
い。以下の三つの映画を分析の対象とする。As You
Like It (Paul Czinner, 1936), Romeo & Juliet
(George Cukor, 1936), A Midsummer Night’s
Dream (Max Reinhardt, 1935).
- 企画実施名義
人文科学研究所研究会チーム「英文学と映画」