Eventイベント

人文科学研究所

人文科学研究所主催公開研究会開催のお知らせ(「英雄詩とは何か」チーム)

日程
2016年5月21日(土)14:00~17:00
場所
多摩キャンパス 2号館4階研究所会議室2
日程
2016年5月21日(土)14:00~17:00
場所
多摩キャンパス 2号館4階研究所会議室2
講師

       松原 文 氏
            (東京大学大学院博士課程・日本学術振興会特別研究員DC2)

内容

テーマ:  「ヴォルフラム・フォン・エッシェンバッハ『パルチヴァール』における「名誉」と「誠実」」

要 旨:    『パルチヴァール』は13世紀初頭のドイツの代表的な宮廷叙事詩であり、フランスのクレティアン・ド・トロワによって書かれた『ペルスヴァル』が原典である。アーサー王物語というジャンルに属するが、次の2点が大きな特徴である。まず、主人公パルチヴァールの終着点はアーサー王宮廷ではなく聖杯城であること、また、物語の後半では主人公の代わりにアーサー王の甥ガーヴァーンがいわば第2の主人 公となって筋を担っていることである。2人の騎士の比較は、作品解釈の鍵と言えるだろう。本発表では主に、パルチヴァールとガーヴァーンの2人が「誠実」さに欠けていると批判されて「名誉」を失い、宮廷を出て冒険の旅に出る物語の中盤の場面を扱う。 騎士の「誠実」と「名誉」とはなにか、パルチヴァールとガーヴァーンにおいてそれはどう異なっているのかを考察する。「誠実(triuwe)」という概念は 『パルチヴァール』のテーマであり、原典の『ペルスヴァル』には対応する単語が存在しない。原典を大幅に改変したヴォルフラムの翻案の構想にも迫りたい。

企画実施名義

 

人文科学研究所研究会チーム「英雄詩とは何か」