Eventイベント

人文科学研究所

人文科学研究所公開研究会開催のお知らせ(「批判的比較文化研究」チーム)

日程
2016年1月12日(火)18:30~20:30
場所
日仏会館5F 501号室(渋谷区恵比寿3-9-25)
日程
2016年1月12日(火)18:30~20:30
場所
日仏会館5F 501号室(渋谷区恵比寿3-9-25)
対象者

テーマ:「パリ同時テロ事件を考える」
 山元   一「安全と自由をいかに両立させるか」
 伊達  聖伸「ライシテは共生の原理か排除の原理か」


講 師:山元  一  (やまもと・はじめ) 氏( 憲法学・慶應義塾大学教授)
   伊達  聖伸 (だて・きよのぶ)氏 (宗教学・上智大学准教授)
司 会:三浦 信孝 氏(中央大学名誉教授)


要 旨:去る11月13日、パリとパリ近郊で金曜の夜を楽しむ市民たちを無差別に襲った同時多発テロは、テロ組織「イスラム国」IS系ジハーディストの犯行とされ、15日オランド大統領は両院合同会議で「フランスは戦争状態にある」と宣言、前夜からフランスは報復措置としてシリア領内のISの拠点に対する空爆を強化しました。2001年のニューヨーク「9・11」後のブッシュのアメリカと同じく、フランスはイスラム過激派組織の殲滅をめざす「テロとの戦争」に入ったのでしょうか。戦争とは国家と国家のあいだの戦争であり、国境を越えた目に見えないテロ組織に対して戦争を宣言することは、フランス政府が国家として認めないためDaesh(ダエーシュ)と呼ぶISを国家として認める矛盾をおかすことにはならないでしょうか。同時テロの犯人はパリとブリュッセルの郊外に生まれたイスラム系移民二世のグループであり、テロリストを育てた温床はイラクやシリアではなく国内にあり、「ジハード」の名を借りた無差別テロは、移民統合の失敗と差別からくる移民二世たちの絶望と憎しみのニヒルな表現という面も無視できないように思われます。
 

主 催:人文科学研究所研究会チーム「批判的比較文化研究」