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人文科学研究所

人文科学研究所公開研究会のお知らせ

日程
2014年2月1日(土) 13:00~18:00
場所
多摩キャンパス 2号館4F 研究所会議室1
日程
2014年2月1日(土) 13:00~18:00
場所
多摩キャンパス 2号館4F 研究所会議室1
講師
①乙黒 亮 氏(早稲田大学准教授)
②森田 順也 氏(金城学院大学教授)
③広瀬 友紀 氏(東京大学准教授)


 
内容
①テーマ:「語彙機能文法:並列的言語処理モデルと心理的実在」
①要 旨:語彙機能文法(Lexical-Functional Grammar; LFG)は生成文法  の中でも制約に基づく理論として発展を続けてきた理論である。LFGでは統語的派生が存在せず,複数の異なった情報が並列的に対応付けられる言語処理モデルを仮定することによって,言語使用者に内在する言語知識を心理的実在性のある形で解明することを目指している。本発表では,LFGの理論的枠組みを導入しながら,派生理論において移動を仮定することで説明される現象の分析を概観し,それらが言語理論に対して示唆する点を議論する。

②テーマ:「分散形態論の展望」
②要 旨:本発表では、まず分散形態論(Distributed Morphology: DM)の骨組み及び基本システムを、名詞化現象を用いて例示する(Harley and Noyer(2000)、Morita (2007))。次に今後の検討課題として、「l節点仮説」と「後期挿入」をめぐる初期のDMと近年のDMの見解を比較・検討しTakano (2003)、森田(2005)、Harley (2009)、Embick (2010))、最後に、これまでDMの枠組みで余り扱われていない事象―形態‐統語の相互関係の制約―について短評する。

③テーマ:「大人と子供の日本語関係節処理のあり方を探る:眼球運動測定実験を通して」
③要 旨:関係節の処理においては、要素が節内のどの位置から抜き出されているかにより、処理コストが異なると考えられている。主語関係節と目的語関係節を比較した先行研究では、言語に関係なく一様に主語関係節がよりスムーズに処理ができるという見方が大勢だが、異なる言語を題材に調べてみると、実は、データにおいても、理論的予測においても、結論は一致していない。また、成人と発達段階にある子供では異なる振る舞いをすることも指摘されている。本研究では、日本語関係節処理にかかわる、成人と6-7歳児の眼球運動測定データを報告し、先行研究の結果との比較、議論を行う。
 
主催:研究会チーム「言語の理解と産出」