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日本比較法研究所
裁判規範の国際的平準化

研究テーマ

[ 裁判規範の国際的平準化 ]

(代表:植野 妙実子)
2015.2.20(承認)
2015年度(開始)

研究の目的

国境を越えて共通問題になっている事象の裁判内容や判決基準の『ヨーロッパ化』の傾向を研究する。これにより、グローバル化の時代にあって、人権保護の規範的基準を標準化することの意義を明らかにし、わが国の対応に対する提言も行う。

研究活動及び成果

総括

3年間の研究期間において、それぞれの分野で著名な方々、元欧州人権裁判所裁判官、コンセイユ・デタ評定官、大学教授等をお招きし、国際的に裁判基準の平準化のためどのように動いているかを検討できて、大変充実した研究ができた。16年度は、フランスでの国家緊急権をめぐる議論を通して、各裁判系列の裁判所(憲法院、コンセイユ・デタ、司法裁判所)の役割とそこにおける裁判基準を検討した。これは、2015年1月、11月に起きたテロ事件により、一挙に国家緊急権への関心が高まり、これまでの1955年非常事態法の内容を、憲法改正によって憲法への格上げをはかることが提案されたが、果たして妥当か、という問題であった。日本でも憲法改正により、国家緊急権に関わる条文を挿入しようという動きがあるが、フランスは緊急権発動や継続に対し、効果的なチェックやコントロールの仕組みを持っており、それが存在しない限り、非常に危険なものだということも分かった。結果的にフランスではこの憲法改正は行われなかった。欧州全体も同様の問題に直面しており、安易な自由や権利の規制は、テロ対策の場合特に、抑止効果とならないことも証明された。

学術雑誌

ベルトラン・マチュー著、植野妙実子・兼頭ゆみ子訳
「フランスの合憲性優先問題」『比較法雑誌』50巻1号(2016年6月)

レジ・フレス著、植野妙実子・石川裕一郎訳
「憲法院とコンセイユ・デタ」『比較法雑誌』50巻1号(2016年6月)

グザヴィエ・フィリップ著、植野妙実子・兼頭ゆみ子訳
「非常事態と国籍剥奪措置」『比較法雑誌』50巻3号(2016年12月)

口頭発表

2016年 6月 グザヴィエ・フィリップ
「非常事態と国籍剥奪措置—2015年11月13日パリ同時テロに対する法的解決策」於市ヶ谷田町キャンパス

2016年10月 チエリー・ルノー
「フランスにおける非常事態とテロリスムに対する戦い―どのように自由を尊重しながら安全を守るか」於駿河台記念館

2016年12月 植野妙実子
「フランス公法における『グローバル・スタンダード』の影響」第26回中央大学学術シンポジウム「法化社会のグローバル化と理論的実務的対応」於多摩キャンパス