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理工学部教授 加藤俊一 コニカミノルタ株式会社との共同研究成果を国際会議で発表

2016年07月15日

理工学部経営システム工学科教授・加藤俊一の研究グループが、コニカミノルタ株式会社と共同研究した成果を国際会議(HCI 2016 International)で発表します。

 

 加藤研究室(ヒューマンメディア工学研究室)はコニカミノルタ株式会社と共に、多様な特性を持つ個々の読者それぞれに、読みやすく理解しやすいデジタル書籍・文書を提供する仕組みを作るために、文書の表示形式やヒューマンインタフェースのデザインに関する感性工学的な研究を進めています。本国際会議では、加藤研究室に所属する博士前期課程2年の2人が、この共同研究での成果の一端を発表します。

 福井優太さんは「視覚的強調効果と理解度の関係」について発表します。福井さんは文書の様々な視覚的強調の表現に着目し、強調が読みやすさや重要なポイントの把握に役立つのかについて研究しました。適切な強調は、その箇所への注意・理解を高める一方で、過剰な強調・焦点がボケた強調では、注意・理解は低減する恐れがあるという結果を得ました。今後は、文書全体のレイアウトや強調の付け方などの視覚的な特徴と、主観的に感じる読みやすさ、実際の理解度との関係を数理的に解明し、文書の読みやすさに関する感性モデルの構築を目指します。これによって、多様な読者が、それぞれの目的に見合った重要な部分を理解しやすいと感じ、また、実際の理解につながるような表示方法で文書を読み、作成し、共有する仕組みに繋げたいと考えています。

 同じく須藤祐太さんは「専門用語の難易度推定法」について発表します。須藤さんは、文書の表面的な「読みやすさ」ではなく、内容的な「わかりやすさ」について研究を行っています。ネットワーク上で誰もが簡単に利用できる情報リソースとして、Wikipediaの参照関係やカテゴリ分けの情報から、自動的に専門用語の難易度を推定することを可能にしました。読者の知識に関する感性モデルとして、ある話題に対する関心の強さや馴染みのある用語のレベルに関する情報を利用します。個々の読者の感性モデルに合わせて、「文書のわかりにくい部分がどこか」がわかるようになったことで、その読者にとって難解な用語の説明を文書中に挿入・補完するシステムへ応用できるとのことです。

 

上記の発表は、2016年7月17日~22日にカナダで開催される「HCI 2016 International」にて発表されます。(HCI Internationalは、1984年から続く、ヒューマンインタフェースやユニバーサルデザインなどの分野では最も歴史のある大規模な国際会議の一つです。)

リンク:

HCI International 2016

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