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文部科学省:私立大学研究ブランディング事業
期待される研究成果

(1) 法秩序の多様性を調査・解明する研究

第1の成果目標は、国際的な研究連携を基礎に、法秩序の多様性を明らかにするための基準の設定を行い、爾後、この分野の研究における参照モデル(本研究成果との差分をもって爾後の研究が説明できるモデル)を構築することである。第2の成果目標は、上記(a)~(c)の各論的領域における多様性について、実証的な調査を行い、既存の法秩序を基底法文化との関係を含め、記述することである。

(2) 「比較法事情データベース」の構築の研究

上記(a)~(c)について、6つの法域の法事情を英語(及び日本語)で記述して、研究者及び実務家が利用できる環境を整備することであるが、これは、第1に上記(1)での研究成果を受けて、比較項目(データベースの項目)を適切に設計し法事情データベースの参照モデルを構築することと、第2に実際に構築されたデータベースを研究者と実務家(ビジネス、法、政府交渉等)に提供することが含まれる。これにより、研究者は自らの比較法研究に必要な基礎資料入手の時間的・経済的コストを低減し、法内容そのものの研究に専念できるほか、実務家であれば、国際取引・データ移転の実務において、法多様性の無視や誤解から生じる契約不履行や訴訟のリスクを低減できる。

(3) コンバージェンスの方策研究

例えばデータプライバシーの領域では、EUは、コンバージェンスではなく、EU法への服従を求める傾向が強い(EU法と同等以上のデータ保護水準にあるとEUが認めない法域には、EUから個人データ移転を認めない)。これは確かに、プライバシー確保の一法策であるが、プライバシー概念自体が異なる法域では、そもそも「同等以上の水準」という議論が成り立たず、EU法は、自らの法文化に対する侵略的制度であるという紛争を生みかねない。そこで、当該法域の法事情から、何が調整されるべき問題であるかを明らかにし、具体的なコンバージェンス方策を論文、契約書モデル、政府交渉案あるいはコンピュータシステムという形で提示することが必要である。これらの成果として期待されるのは、まず差異の可視化によって、不要な対立やコスト増加を回避する基盤の提供である。たとえば、個人データの移転について、抽象的な「プライバシー・リスク」ではなく、具体的なリスクを把握することは、合理的法行動の基盤である。次に期待されるのが、可視化を通じて相対的にリスクが小さな法制度・運用が示されることにより、法のコンバージェンスが促進されることである。「大国」の法が事実上強行され、合理性や「法の支配」に反した法実務が存在することも稀ではない現状に対して、代替策を提示するのである。第3に、この研究成果が認められると、今回の3課題以外でも、同様の取り組みを期待することができる。アジア太平洋地域において「法の支配」が強化され、安定することが、研究の発展的目標である。

なお、上記研究を行うためには、とりわけ(1)との関係では、アジア太平洋地域における海外パートナー研究者・研究機関との連携が必須であり、(2)との関係では構築したデータベースの運用についての安定的な基盤が必要となる。すでに研究代表者らは海外パートナーとして、香港大学アジア国際金融法研究所、シンガポール経営大学比較商事法研究所、メルボルン大学アジア法研究所の協力内諾を得ているほか、「事業実施体制」記載の海外研究者からも個別に協力内諾を得ている。また、法情報DB提供社と共同研究又はライセンス供与に向けた交渉を開始している。

また、達成度の測定方法を明確化するため、当初の3年度の目標として、以下の5つを定める。(1)3課題について、その多様性を比較する基準を設定し、(2)その基準に基づく個別課題調査を70%終了させ、(3)これを比較法事情データベースに格納してテスト稼働させ、(4) 基底法文化の差異についての調査研究を公開し、 (5)法の多様性を明らかにするための基準の設定に関する論文等を発表する。これらの研究成果を用いてアジア太平洋地域における法多様性の可視化とコンバージェンス研究を行う方策を討議するシンポジウムを開催し、国内外の研究者、実務法曹、企業法務関係者から、研究の可用性が認められることが目標たる中間成果である。そこで、3年度目の研究成果測定としては、上記DBの構築進捗度(量的評価)に加え、外部評価者及びシンポジウム参加者からの可用性についての評価(質的評価)を用いる。さらに、4・5年度においては、上記シンポジウムや外部評価委員から得られた意見を元に、比較法事情DBを調整の上発展させ、予定する比較項目の100%についてデータを入力した上で、再度5年度目にシンポジウムを開催し、本研究成果に基づく発展的なコンバージェンスの方策研究を開始させることが目標となる。量的測定方法としては、4年度目以降のDBのβテストにおいて、無償利用ライセンスを日本国内の法学研究部門がある大学・大学院の70%以上に提供すること、事業年度終了後に商業DBのコンテンツとして利用せしめることで、爾後のDB維持に必要な費用を確保することとする。

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