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研究支援室(理工学研究所・研究開発機構・CLIP)

理工学研究所附属センター

感性ロボティクス・高次感性情報処理研究センター

理工学研究所
センターの名称 理工学研究所附属 感性ロボティクス・高次感性情報処理研究センター
センター長 加藤 俊一 (中央大学理工学部教授・経営システム工学科) 理工学研究所・研究員
設立年 2011年
センターの概要 ■全体構想

従来の科学技術は、人間・モノ・これらが集まって構成する環境の普遍性や共通性を前提として、均一なサービスなどを高効率に提供することを目的に開発されてきた。これに対して、本研究では、一人一人異なる個性(価値観・知識・ライフスタイル)を持つ人間や、それぞれ特有の性質を持つ情報機器やロボットが、相互に作用する環境(ロボティクス環境)を実現し、一人一人の人間が、人間と人間・人間とロボット・人間と環境の間の相互作用をとおして、相互にメリットを受けながら最適な状態で活動し生活する(共生的生活空間)を構築し、その上で多様なサービスや知的・身体的な行動への支援を行えるようにするための基盤技術の確立をめざす。
上記の目的を達成するため、感性工学・ロボティクス・情報学・都市環境工学・脳科学・心理学・芸術学・哲学などの関連分野に横断科学技術的なアプローチにより、人間の多様性の理解と支援技術を、人間が生活する実環境および情報環境の基盤技術を一体化させる。
特に本研究では、五感に伴う感性(知覚感性)とその情報処理のモデル化だけでなく、人や情報に対する親近感・信頼感など、コミュニティ形成の上で非常に重要な感性の計測・分析・モデル化にも研究対象を広げて感性ロボティクス環境の枠組みを強化し、共生的生活空間を実現する基盤技術の発展を目指す。

■国内外の動向

実空間内での人間の状態の計測・認識技術と行動支援への応用に関しては、東京大学のロボティックルーム、京都大学のスマートクラスルーム、ATRのe-ナイチンゲール、また、特定領域研究「情報爆発」の高度センサールーム等、近年、ユビキタス情報ネットワークの研究と並行して、研究開発が活発化してきている。海外では、CMUがNFSの資金によりQoLTERCを設置し、多様な特性を持つ人々の生活の質を高めるための研究開発を展開している。
これらの研究では、人間の姿勢等の物理的状態、緊張等の生理的状態、人間を取り巻く物理的環境の計測技術とユビキタス情報ネットワーク技術との融合、身体障害者や高齢者の身体的行動の支援に重点を置いており、一人一人の主観的かつ知的な行動に現れる多様性の計測・理解・モデル化とその応用は必ずしも志向していない。

■本センターの特色・独創性

これに対して、人間の知覚・表出過程における個人性やモノの個別性などの多様性に対応した情報処理技術と、人や情報に対して感じる親近感・信頼感などの高次の感性の情報処理技術、個々の人間・モノを含む実環境でのセンシング技術と個人の文脈での状況の理解、相互作用技術を融合させ、人間の生活空間に埋め込んで社会的な情報基盤技術とするチャレンジは、世界的にユニークであるだけでなく、基盤技術のあり方そのものに大きな影響を与えうるオリジナリティのある研究である。

■本センターの位置づけ

高齢化や国境を越えた人の流動化が進み、21世紀を迎えた我が国の社会状況は急速に変化し、世代や文化の違いを超えた相互理解や、一人一人がその個性や能力に応じて個として精神的にも経済的にも自立して活動し生活することが求められるようになった。本研究が取り組む科学技術課題は、このような重要な社会的なニーズに応える情報基盤・社会基盤を確立するもので、特に我が国自身で研究開発を進める必要があると共に、産業的にもその応用範囲は広い。

■研究目的及び目標

本研究では、(a) 感性工学:人間の知覚・表出過程における個人性やモノの個別性などの多様性に対応した情報処理技術(図1)、(b) ロボティクス:個々の人間を含む実環境でのセンシング技術と個人の文脈での状況の理解、相互作用を通した人間への支援技術(図2)、(c) 共生的生活空間:これらの技術を人間が活動し生活する実環境や、ユビキタス・モバイル・インターネットが複合した情報環境に埋め込み、人間への支援と結びつけるためのシステム化技術の基礎研究と共に、融合化を進める(図3)。
また、このような人間を対象とした科学技術は、学術としての深化だけではなく、現実の社会で必要とされる場面(実問題)への適用・評価を通じて、構築する必要がある。本研究では、家庭内空間・ショップ空間・オフィス空間・都市空間における個々の人間への多様な生活支援・活動支援の実現を実問題として積極的に取組み、世界に先駆けた科学技術の開発、実問題に取組める人材の育成をはかり、高度に多様化しつつある社会のニーズに応える。

(参考図)
図1 感性の構造のロボティクス的なモデル

図1 感性の構造のロボティクス的なモデル

図2 ロボティクス的手法による感性の計測とモデル化

図2 ロボティクス的手法による感性の計測とモデル化

図3 複数の実空間連携による高品質な行動支援サービスの実現法

図3 複数の実空間連携による高品質な行動支援サービスの実現法

■研究計画

以下の研究課題を相互に関連付けながら、総合的に進める。

(1) 感性:
人間の個人性。個々人によって異なる人間の特性を、知覚・知識・状況・表出・意図の5つの側面から研究すると共に、これらを総合した感性と考えられる信頼感・親近感などの高次感性についての研究を進める。

(2) ロボティクス環境:
人間やロボットなど自律的・能動的に行動する要素が、相互作用することにより、それらの内部状態や環境全体の状態を変化させるようなシステムの研究を進める。

(3) 共生的生活空間:
人間と人間、人間とモノ(ロボットなど)、人間と環境が、相互にメリットを得ながら(=共生)、最適な状態で活動・生活できる空間。このような共生型生活空間を実現するための技術開発を行う。

(4)実問題:
人間を対象とした科学技術は、学術としての深化だけではなく、現実の社会で必要とされる場面(応用分野)への適用・評価を通じて、構築する必要がある。複数課題を設定し、その中で各要素技術とシステム化技術を研究開発する。

以上の研究開発を総合的に展開するためには、外部資金も含めたまとまった研究開発費が必要である。外部の競争的研究資金への応募と並行しつつ、各研究員の経常的な研究費の中での共同研究も実施する予定である。

■到達目標

以下の研究課題を相互に関連付けながら、総合的に進める。

(1)感性

(a)知覚感性:
感性の高精度なモデル化と共に、複数の人の間での感性の可視化による共創支援を可能にする。

(b)知識感性:
個々の人間の持つ知識・概念の集合とその体系(オントロジー)のモデル化・データベース化・共有化を可能にする。

(c)状況感性:
個々の人間が状況を解釈し、意味づけする過程をモデル化し、状況に適合した情報提供サービスを可能にする。

(d)表出感性・
技能:技能の計測・モデル化・蓄積・共有・再利用を可能にする。また、行動パターンの違いなど、実空間内での個人の行動の観測・意図の推定を可能にする。

(e)意図感性(価値観・目的意識):
ある個人的な状況・文脈における意思決定過程をモデル化し、適切なサービス・支援が行えるようにする。

(f) 高次感性:
親近感・信頼感などの要因を分析し、高次感性の分析方法を確立する。また、コミュニティ形成支援にこれを応用する手法を開発する。

(2)ロボティクス環境

(a)人間の計測:
モバイル・ウェアラブル・ユビキタス機器を連動させて、人間に負担をかけることなく、身体的・生理的状態を計測可能にする。

(b)人間とのインタラクション:
人間に身体的・心理的な負担をかけることなく、(強制されたのではない)自然なインタラクションを通して、判断・意思決定を推定できるようにする。

(c)人間のモデル化:
対象の知覚・表出感性、知識感性を、インタラクションや履歴の解析をとおして、動的・能動的にモデル化する。

(d)状況の計測・認識・理解:
多数の人間が含まれた「その時・その場所」の物理的な状態を計測可能にする。

(e)状況感性の認識・理解:
特定の個人にとっての「その時・その場所」の解釈を推定可能にする。

(3)共生的生活空間・実問題:
プライベートな空間の例として家庭内空間、パブリックな空間の例としてショップ空間、および、プライベート・パブリックをつなぐ生活空間を構築し、多様な支援サービスの試作・評価を行えるようなプラットホームを実現する。

現在の研究テーマ 感性ロボティクス環境のための高次感性情報処理の総合的研究
共同研究者 渡邉 則生 (中央大学理工学部教授・経営システム工学科) 理工学研究所・研究員
庄司 裕子 (中央大学理工学部教授・経営システム工学科) 理工学研究所・研究員
北川 頌悟 (中央大学理工学部任期制助教・経営システム工学科) 理工学研究所・研究員
木下 源一郎 (中央大学理工学部教授・電気電子情報通信工学科) 理工学研究所・研究員
大隅 久 (中央大学理工学部教授・精密機械工学科) 理工学研究所・研究員
梅田 和昇 (中央大学理工学部教授・精密機械工学科) 理工学研究所・研究員
中村 太郎 (中央大学理工学部准教授・精密機械工学科) 理工学研究所・研究員
新妻 実保子 (中央大学理工学部助教・精密機械工学科) 理工学研究所・研究員
姫野 賢治 (中央大学理工学部教授・都市環境学科) 理工学研究所・研究員
緑川 晶 (中央大学文学部准教授) 理工学研究所・研究員
山口 真美 (中央大学文学部教授) 理工学研究所・研究員
松田 美佐 (中央大学文学部准教授) 理工学研究所・研究員
安野 智子 (中央大学文学部准教授) 理工学研究所・研究員
秋澤 光 (中央大学商学部教授) 理工学研究所・客員研究員
久野 節二 (筑波大学教授) 理工学研究所・客員研究員
柴田 滝也 (東京電機大学准教授) 理工学研究所・客員研究員
森島 昭男 (中京大学准教授) 理工学研究所・客員研究員
高岡 明 (玉川大学・准教授) 理工学研究所・客員研究員
荻野 晃大 (京都産業大学講師) 理工学研究所・客員研究員
中田 亨 (産業技術総合研究所(デジタルヒューマン研究センタ)研究員) 理工学研究所・客員研究員
多田 昌弘 (国際電気通信基礎技術研究所研究員) 理工学研究所・客員研究員
平井 成興 (産業技術総合研究所(知能システム部門)部門長) 理工学研究所・客員研究員
三井 実 (ものつくり大学・講師) 理工学研究所・客員研究員
村上 昌志 (中央大学大学院理工学研究科経営システム工学専攻博士後期課程3年) 理工学研究所・準研究員
鈴木 啓章 (中央大学大学院理工学研究科経営システム工学専攻博士前期課程3年) 理工学研究所・準研究員
永易 健史 (中央大学大学院理工学研究科経営システム工学専攻博士前期課程3年) 理工学研究所・準研究員
上坂 俊輔 (中央大学大学院理工学研究科経営システム工学専攻博士前期課程2年) 理工学研究所・準研究員
王 文浩 (中央大学大学院理工学研究科経営システム工学専攻博士前期課程2年) 理工学研究所・準研究員
四方 絢子 (中央大学大学院理工学研究科経営システム工学専攻博士前期課程2年) 理工学研究所・準研究員
幡鎌 啓介 (中央大学大学院理工学研究科経営システム工学専攻博士前期課程2年) 理工学研究所・準研究員
成勢 智明 (中央大学大学院理工学研究科経営システム工学専攻博士前期課程2年) 理工学研究所・準研究員
大島 知也 (中央大学大学院理工学研究科経営システム工学専攻博士前期課程2年) 理工学研究所・準研究員
仁居 智也 (中央大学大学院理工学研究科経営システム工学専攻博士前期課程2年) 理工学研究所・準研究員
石橋 隼 (中央大学大学院理工学研究科経営システム工学専攻博士前期課程1年) 理工学研究所・準研究員
小林 健人 (中央大学大学院理工学研究科経営システム工学専攻博士前期課程1年) 理工学研究所・準研究員
印部 勉 (中央大学大学院理工学研究科経営システム工学専攻博士前期課程1年) 理工学研究所・準研究員
三澤 雄太 (中央大学大学院理工学研究科経営システム工学専攻博士前期課程1年) 理工学研究所・準研究員
籾山 祐亮 (中央大学大学院理工学研究科経営システム工学専攻博士前期課程1年) 理工学研究所・準研究員
大寺 貴宏 (中央大学大学院理工学研究科経営システム工学専攻博士前期課程1年) 理工学研究所・準研究員
飯田 祐亮 (中央大学大学院理工学研究科経営システム工学専攻博士前期課程1年) 理工学研究所・準研究員
宇野 勇斗 (中央大学大学院理工学研究科経営システム工学専攻博士前期課程1年) 理工学研究所・準研究員
岡田 知己 (中央大学大学院理工学研究科経営システム工学専攻博士前期課程1年) 理工学研究所・準研究員