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研究科紹介

専攻横断型の副専攻制度を導入

理工学研究科では、副専攻制度を導入していることも大きな特徴として挙げられます。これは、新しい分野の学問や、各専攻分野の横断的なプロジェクトの中から生まれてきた学問など、これまでになかったカリキュラムを提供すべく2003年度からスタートさせたユニークな制度です。

副専攻は以下の7つの分野で構成されています。

防災・危機管理工学副専攻

本副専攻では、地域スケールから地球スケールの21世紀における防災と災害発生時における危機管理のあり方について理論的かつ体系的に修得し、高度な専門知識、複眼的思考能力を身につけたオピニオンリーダーとして活躍する人材の育成を目指しています。内容としては、自然現象としての防災・災害論のみではなく、社会現象と絡み合った形での防災・災害論と被害回避、軽減を目的としています。

このため、従来の力学的学問体系に基礎を置く防災工学に加えて、社会システム工学、情報処理工学などの最新工学、GIS、GPS、リモートセンシングなどの大規模情報データベースの活用法などを積極的に取り入れています。また、自然系および社会学的災害において、その被害の最小化を目指す社会の構築と危機における物理・社会学的管理方法の学問体系の教育研究を目指しています。

具体的には、
「災害の物理的・社会的発生機構や要因の分析」
「甚大な被害をもたらした過去の災害の実態の把握、分析方法の理解と習熟」
「災害を回避する社会構造のあり方、災害発生時の危機管理のあり方」
などに関して物理、情報工学、社会システム工学、社会学などのアプローチから危機管理に特化した総合的な学問体系として学びます。

図:防災・危機管理工学副専攻

環境理工学副専攻

環境に関する問題への接近は、

  1. 環境の状況や変動を的確に把握するための観測、測定、試験、環境データの解析などを中心とする環境評価
  2. 現象を支配する法則やダイナミクスを解明し、環境の変動をモデル化して予測・予知を行う環境動態解析
  3. 自然環境を維持していくための環境保全・修復・管理技術の開発
  4. 人類社会が地球環境の中で最適な形で持続していくための環境経済並びに環境法制の立場からの政策の提言と実施

の4段階に大別されます。

いずれの段階においても高度な専門知識と技術、社会的協働体制が要求されることは言うまでもありません。本副専攻を履修することによって環境科学と環境工学における先端的知見を修得するとともに、研究指導を通じて環境に対する正しい認識と調和のとれた素養を培うことによって環境にかかわる現代社会からの要請に応えることが可能となります。

これらの知識を基にして、人類を取り巻く地球環境の保全・修復・管理に加え、資源循環型社会の構築に貢献できる人材を育成することを目指しています。

図:環境理工学副専攻

データ科学副専攻

データ解析の手法は、近年の肥大化するデータ社会において、あらゆる分野の標準的な解析ツールとなりつつあります。データ解析で得られた情報・知識は工学、医学、薬学、農学、生物学の理系分野にとどまらず、経済学、心理学、文学とその計量分野を広げています。データ科学副専攻では、こうしたさまざまな分野にまたがるデータ分析のための共通する基礎理論、近年急速に発展している統計科学の諸分野を体系的に学習します。

本副専攻では、現象に対する科学的な認識ならびに潜在的モデルの構築を数学的な表現などを用いて行い、データによる現象の解明を体系的に行うための基礎理論を効果的に研究・教育します。また、各学術分野固有の特徴を十分生かした形でマルチメディア的な情報に対し「調和のとれた数理科学的アプローチならびにヒトにやさしい情報処理」を適応・発展させるとともに、それぞれの学術分野に適合した新しい観点からデータ科学の研究・教育を行います。

さらに、データ科学に関連する情報データ処理技術を活用して対象学術分野で生じる統計モデルの構築、データ構造の解明やデータ科学解析の観点から当該分野に本質的に貢献します。

図:データ科学副専攻

ナノテクノロジー副専攻

21世紀の日本の産業創成のカギを握ると言われている分野にナノテクノロジーがあります。ナノテクノロジーが目指しているのは、ナノメートルサイズ(10億分の1メートル)の分子1つ1つを操作して新しい高度な機能を持ったナノマシン、ナノバイオチップおよびエネルギー・物質変換材料を創成しようとする科学技術です。「新たな技術革新はナノテクノロジーから」が合い言葉になるくらい、ナノテクノロジーは世界的にも注目されており、産官学の連携も盛んに行われています。

ナノテクノロジーの分野は、従来の学問の枠を超えた学際領域であり、物理学、化学、生物学、精密機械工学、電子工学、医用工学、薬学などの“分野横断的”な視点からの教育体制が必要です。

本副専攻ではこのような教育を行うために、化学、物理学、精密工学の教員が協力体制を組み、さらに外部からも研究者を招へいして教育に当たっています。ナノテクノジー副専攻を履修すれば、自分の行っている研究に対しても新しい角度からの見方、考え方が得られることになります。

図:ナノテクノロジー副専攻

電子社会・情報セキュリティ副専攻

コンピュータとネットワークによって構築されるサイバー空間は、人類未踏の新しい世界であり、人々により広い自由をもたらすと同時に、安全性、プライバシー保護などの面で従来になかった課題が生じています。

これらの諸課題の解決には、情報セキュリティ技術、管理運営手法、システム監査、情報セキュリティ法制度、情報倫理などの諸分野を強く連携させて、自由の拡大、プライバシーの保護、安全性の向上、監視社会への恐れの最小化を同時に達成する方策が探究されなければなりません。その意味で、情報セキュリティを対象とする学問は総合科学と言えます。

本副専攻は、学際的カリキュラムを編成し、大学の諸学科の卒業生、産業界や自治体等政府系機関の情報システム管理者・技術者など、広い層を対象とした電子ビジネスや電子政府・自治体あるいは電子医療などの分野における人材の育成を図ることを狙いとしています。情報セキュリティ分野の人材育成は、先進各国において喫緊の課題となっており、米国や韓国などの一部の大学で教育体制が整備され始めています。本副専攻のような体系的カリキュラムは、世界にもほとんど例を見ない先駆的なものです。

図:電子社会・情報セキュリティ副専攻

感性ロボティクス副専攻

感性ロボティクスとは、感性工学とロボティクスを核に、情報学、心理学、福祉工学、建築工学、経営学、哲学などの分野を横断的・文理融合的にカバーした新しい科学技術領域です。これは、単に「スマートなロボットを作る、あるいはロボットに知性・感性を感じられるようにする」という狭い接点の話ではなく、感性工学的な視点(人間の多様性・個別性)からの科学技術と、ロボティクス的な視点(人と機械、人と人の相互作用・共生)からの科学技術を融合させて、21世紀のパラダイムである「多様性と共生」を科学技術の面から支える、新しい情報社会基盤を構築しようという壮大なチャレンジです。

本副専攻では、このような新しい科学技術体系とその応用がどのように進められつつあるのか、最先端の知識を各分野の研究者から学び、彼らとの共同研究に参加して新しい技術を深く掘り下げる形で研究開発能力を身につけます。

情報通信産業・家電産業ではインターネット+モバイルネット+ユビキタスネットを融合させて人にやさしい情報機器・情報サービスの研究開発、福祉・介護産業では介護福祉ロボットやユニバーサルデザインの概念に基づく機器・サービスの研究開発、官公庁などでは都市や公共的な空間の設計等の分野での活躍が期待されています。

図:感性ロボティクス副専攻

国際水環境理工学副専攻「中央大学国際水環境理工学人材育成プログラム」

文部科学省「キャンパス・アジア」選定
(旧)「日中韓等の大学間交流を通じた高度専門職業人育成事業」

現在の国際情勢には環境問題、食糧問題およびエネルギー問題が深い影を落としており、それらは全て水をキーワードとして繋がっています。例えば、水汚染や水の多寡に起因する環境の悪化と水災害、それに伴う食糧不足の問題、化石エネルギーの減少を補う形で出現した食糧を原材料とするバイオエネルギーの出現は、地域(生活)環境の悪化や食糧の安定供給を脅かし、国際紛争の根源的な原因となっています。特に近年の東アジアにおいては、"too much and too little water problems" と呼ばれる、水に起因する各種の環境災害・環境被害が頻発し、地球規模での気候変動や水環境の汚染とあいまって、その解決は喫緊の課題となっています。

本プログラムでは、外国人留学生を含む大学院生を対象に、我が国の産業界と行政の風土ならびにその利点に習熟し、かつ国ごとの歴史・文化・風土を尊重する国際的視野を持った高度専門職業人としての水環境・水処理技術者を育成するためのユニークな教育カリキュラムを国内外の大学・研究機関と協力して開発・実施します。これにより、東アジアを含む世界の諸地域の水環境に関して、総合的かつ抜本的な改善策を提案・実施できる国際的な人材を育成し、世界の持続可能な発展がなされるように支援します。

なお、本プログラムは、国際連合が提唱し、中央大学が参画するアカデミック・インパクト・イニシアチブの一環として実施します。

図:国際水環境理工学副専攻

プログラムの詳細については、こちらをご覧ください。