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研究科紹介

各専攻の特色と研究内容

数学専攻

数学は、自然科学や社会科学を体系的に思考し論理的に記述するためには不可欠の言語であり、それ自体、科学としての研究対象でもあります。コンピュータが社会全般に普及し、生活のあらゆる局面に情報化の波が押し寄せている中、数学の価値と重要性はますます大きなものとなってきています。

当専攻では

  1. 代数学
  2. 幾何学
  3. 解析学
  4. 統計学
  5. コンピュータ・サイエンス

に大別し、それぞれに研究指導を行っています。数学は一つの分野にこだわらない普遍性と汎用性を持ち合わせています。最近は、代数学の研究室では暗号理論に関する学際的研究を展開し、解析学の研究室では工学、医学、環境科学との学際的研究を志向しています。

また、統計学の社会における有用性は言うに及ばず、コンピュータは社会のどの分野でも活用されています。 コンピュータはアルゴリズムに基づいたプログラムを実装することによって動いていますが、アルゴリズムの理論的な正しさを保証するのは数学にほかなりません。このような観点から、純粋数学から応用数学に至るまで、幅広い内容の講義を提供し、活発な研究を展開しています。

物理学専攻

物理学の広い分野にわたり、ミクロからマクロまで自然界に見られるさまざまな現象の解明を目指して、理論的、実験的、あるいは計算機を駆使した数値的な研究を行っています。具体的には、以下のテーマを研究課題とした研究指導と、それらに関連した授業が行われています。

素粒子・宇宙物理

素粒子と場の理論およびそれに関連した数理物理学の研究、X線望遠鏡を用いた星の生成過程の研究。

物性物理

固体やクラスター中の電子相関と物性の研究、量子ホール効果など半導体の低温物性の実験、水素結合系物質の量子物性に関する理論、新しい遷移金属化合物の合成と物性の実験的研究。

生物物理

蛋白質による輸送、運動、エネルギー変換に関する実験的研究、生体生命情報学。

複雑系

乱流における揺らぎの統計理論、カオス力学系の理論的研究、平衡系および非平衡系に見られる相転移・臨界現象の理論的研究、自然界に広く見られるフラクタルなどのパターン形成に関する実験的数値的研究。

土木工学専攻

土木工学は従来、人間社会の快適性と利便性を追求し、これを実現する目的を有するものでした。近年はこのような狭義の土木工学を基礎としつつ、人間の社会活動に伴う自然現象の変化にかかわる諸現象の解明や、その工学的対応策の創造と研究にまで及んでいます。つまり、土木工学は人間社会の発展と自然環境との調和を図るための責任を負っているわけです。

このような中で当専攻は、

  1. 自然現象の究明としての地球を取り巻く水資源(降水・河川・海岸・海洋)の研究
  2. 各種プロジェクトの計画と評価論、交通現象の解明と制御、都市や地域の計画
  3. 大気や地盤・水環境変化の定量的解析などの研究
  4. 土木構造物の材料としての鋼、コンクリート材料などの材料力学的特性の解明、アスファルト舗装の構造と材料の研究
  5. すべての土木構造物が載る地盤と基礎の相互作用、動土質力学
  6. 構造物構築の前提としての設計に使われる各種設計・計算手法の開発、特に有限要素法による構造・流体・制御問題の解析

などの各分野で、さらにそれらを総合化した研究に関して指導と関連授業を行います。

精密工学専攻

精密機械は製造業の基盤を構築する重要な役割を担っています。特に「いかに造るか」から「何を創るか」に力点を置く重要性が認識される中、製品に高付加価値、創意が求められています。

一方、その実現に期待がかかる先端分野では、μm台の精度を基準とする超精密の新しい領域が広がっています。また、マイクロマシン、ロボット、工作機械など、精密を追求する新分野の広がりは洋々としています。このような状況を踏まえて、工学先端を追求しつつ産業基盤にも貢献することを目的として、研究を進めています。

主な研究分野は、

  • 知能化機械加工システム
  • 精密位置決め
  • マクロ形状精度の評価と向上
  • エコファクトリー型生産システム
  • 生産情報システム
  • 環境に優しい熱エネルギーシステムの開発
  • 分子動力学解
  • 金属材料の特性評価
  • 機構解析
  • モード解析
  • 音響解析
  • 計算流体力学
  • バイオロボティクス
  • ロボット制御理論
  • ロボットのセンサーとプログラミング
  • 人間機械協調システム

などがあります。

電気電子情報通信工学専攻

本専攻は、重要性を増している情報通信工学の発展に対応し、従来の電気電子工学専攻を電気電子情報通信工学専攻に変更してその充実を図っています。

具体的な研究内容は、

  • 半導体物性
  • 半導体デバイス
  • 磁性材料
  • VLSI回路の計算機援用設計
  • 低消費電力VLSI設計
  • アナログ・ディジタル混載LSI設計
  • データ構造とコンピュータアルゴリズム設計
  • ハードウェアアルゴリズム
  • システムVLSI化技術
  • 回路シミュレーション
  • 非線形現象と非線形回路の解析
  • 非線形光学
  • 回路・ネットワークとモデリング
  • アナログ・ディジタル信号処理
  • 情報通信ネットワークの構造とセキュリティ技術
  • 多次元移動情報ネットワーク
  • モーバイルコミュニケーション
  • モーバイルパーソナルインテリジェンス
  • マルチメディアネットワーキング
  • コンカレントエンジニアリング
  • 放送工学
  • 画像工学
  • バーチャルリアリティ技術と制御
  • 知的コミュニケーションと制御
  • 知能情報処理と制御
  • メカトロニクス
  • 人にやさしいロボット
  • センサー工学
  • 情報記録
  • レーザ
  • 電磁波の散乱・回折問題の解析
  • プラズマ現象ならびにアーク現象と環境問題への応用

など多岐にわたり、先端的・先進的基礎研究および基盤技術研究を行っています。

応用化学専攻

応用化学は物質科学の華であり、真に新しい物質を作り出すことのできる学問分野です。その中で活躍できる研究者・技術者は高度な知識を身につけ、それを実際の系に応用することができ、国際水準の成果を得てそれを対外的に発信できる能力をも備えていることが必要です。

そのような人材を育てるため、専門知識の講義のほか、さまざまな研究課題を通じて実際の研究・開発の現場で生かされる能力の開発を行っています。研究課題としては大まかに以下のようなものが挙げられます。

先端材料開発

サイズ選別されたナノ物質の創製とその特性解明
分離機能を持つ機能性高分子材料の開発
金属錯体の集積化とその単一分子エレクトロニクス機能の探索
無機酸化物・窒化物の合成と物性の解析

バイオテクノロジー

DNA塩基配列を認識する金属錯体の分子設計
生体エネルギー変換と光情報伝達機構の解明
有用酵素のバイオテクノロジー

化学反応プロセス

精密合成のための触媒の分子設計
生活・産業廃棄物の高度処理技術の開発
有機金属錯体の合成・構造・反応の基礎的研究と触媒への応用
数値流体工学・化学装置の数値モデリング

分析・物性解析

環境試料および生体試料中に含まれる微量元素の分析手法の開発
走査プローブ顕微鏡技術等による固体表面構造と物性の解析
レーザー光を用いた微小液相空間内での化学物質の検出・化学反応ダイナミクスの測定

経営システム工学専攻

本専攻は、組織の経営管理に適用できる科学的理論と実践的技術についての研究指導と関連授業を行っています。

具体的には、

  • 経営のグローバル化
  • サービス産業の伸展に適応した品質・環境マネジメントの理論と応用
  • 顧客の潜在ニーズを把握する手法の開発と新製品開発への応用
  • 信頼性及び製品安全評価と確保の基礎理論と応用
  • 情報と補完性に着目した企業経営のあり方、データ解析のための統計モデルと方法論
  • 生存時間分析と応用多変量解析
  • 経営・生産活動において生起する諸現象の数理モデルによる解析
  • 確率過程を用いた価格モデルや需要予測モデルの構築
  • 工業製品の特性評価と機械・構造システムの最適化
  • 理財工学
  • 大域的最適化手法
  • ポートフォリオ理論
  • 市場リスクと信用リスクの計量と管理
  • 大規模最適化手法とその高速計算
  • 経営・経済システムの分析と予測
  • ソフトコンピューティングの応用
  • 情報資源管理と情報システム論
  • 拡張性の高い情報システムを設計するための方法論
  • インタラクションによる価値創成プロセスのモデル化
  • 知能ロボットシステム技術と知能システム構成法
  • 人間と親和性の良いマルチメディア情報環境の構成法とマルチメディア情報処理技術

などについて研究や授業を行っています。

情報工学専攻

本専攻は、情報技術・情報工学の基礎から応用にわたって研究・開発・実務に携わるための知識と能力と意欲を持ち、それぞれの分野で指導的役割を果たして活動・活躍できる人材の育成を目的としています。

具体的には、

  • アルゴリズムの系統的設計法・解析法
  • 計算可能性理論と計算複雑度理論
  • 知識知能処理技術および情報システムの知的制御への応用
  • 数値処理における制度保証法と大規模・高速化
  • システムの構造とそこを流れる離散と連続情報の数理的構造についての基礎理論
  • 現象から数学的モデルを構成する手法
  • 非線形問題の解析手法と情報・事象の可視化手法
  • 情報ネットワークの構造や暗号と情報
  • セキュリティ技術
  • オペレーティングシステムに代表される情報システムとソフトウェア
  • コンピュータの基本となるマイクロプロセッサ
  • 高性能LSIの設計・製造・評価・低消費電力化
  • LSIデバイス関連技術

などについて研究指導と関連授業を行っています。

情報セキュリティ科学専攻

本専攻では

  • 代数幾何学、整数論と情報セキュリティの数学基礎理論の研究
  • 暗号理論と情報セキュリティの基礎研究
  • 暗号プロトコルとその応用に関する研究
  • コンピュータ・ネットワークセキュリティに関する研究
  • 情報メディアと情報セキュリティに関する研究
  • 高信頼・高安全性ソフトウェア構築技術に関する研究
  • 無線通信の信頼性とセキュリティ技術に関する研究
  • 非線形システム研究と暗号理論における乱数の統計的研究

などを研究分野とし、情報セキュリティ技術に関する専門家を養成します。