第2回CGSAセミナー2009
「Convergence or Adoption: What Does It Mean for IFRS Introduction into Japan?」を開催いたしました。
8月2日に「Convergence or Adoption: What Does It Mean for IFRS Introduction into Japan?」と題して、第2回CGSAセミナー2009を開催いたしました。
ディスカッションの様子
今回のセミナーはオーストラリア会計協会(National Institute of Accountants Australia)会長のグレッグ・デニス氏による夏季集中講座を公開する形式で行われ、通訳をつけず全て英語で行われました。セミナー当日は、あいにくの雨天と英語のみのセッションということにも関わらず、セミナー会場は満席で、IFRSについての議論を英語で行うという試みに非常に多くの関心が寄せられていました。
実際のセミナーでは、デニス氏よりオーストラリアの実務経験に基づく、日本へのアドバイスを数多く行いました。その主たる内容としては、
①IFRSの完全なアドプションではなく、ある部分は修正し、受け入れる混合型にならざるを得ないのではないか。
②IFRS移行の際には、教育の意義が極めて大きい。
③IFRSを本来的なグローバルスタンダードにするためには、アジアの視点からのIASB(International Accounting Standards Board)に対する提言が重要である。
④アジアの視点を明確にするためにもAOSSG(Asian-Oceania Standards Setters Group)の働きが必要不可欠であり、日本はそこでのリーダーシップを果たすべきである。
の4点に要約することができるとのことでした。
デニス氏の議論内容もIFRS導入のカウントダウンに入った日本の現状に対して刺激的なものであったとともに、IFRSの議論が単に会計内部の問題にとどまらず、国際政治や金融恐慌後の新しい国際社会の秩序までもその視野に含まれている国際的な内容でした。
このようなデニス氏の問題提起を受け、コメンテーターとして参加いただいた、加藤厚氏(企業会計基準委員会常任委員)は、今後の日本におけるアドプションの方向性および、FASBとIASBの金融商品に関する相違に関しての問題点を指摘しました。
また、同じくコメンテーターとして参加いただいた、木下俊男氏(日本公認会計士協会常務理事)は、教育、とりわけ専門職におけるIFRSトレーニングの問題に関して、ディスカッションをおこないました。もちろん、これらのディスカッションもすべて英語で行われました。
以上のように、デニス氏のオーストラリアでの実際の実務経験に基づく講演とそれに対するディスカッションであったため、抽象的な内容に陥ることなく、かつ、国際的豊かなセミナーが開催できました。また、英語だけのセミナーという初めての試みであったにも関わらず、聴衆の評価は大変よく、セミナー後のアンケートでは英語で別のテーマのセミナーの実施を求める声が数多く寄せられました。今後IFRSの問題を英語で語るということが、新たなスタンダードになる可能性も感じられたセミナーでした。
このような新しい試みが成功裏に終わった理由としては、デニス氏が今回のセミナーが全て英語で行うことを考慮し、事前に自らの基調講演の概略を全文セミナー出席者に配布するといった細やかな心配りをすることにより、出席者が容易に議論を理解できることになったものと思います。
なお今回講演をしていただいた、デニス氏へのインタビューが近々、週刊「経営財務」に掲載される予定です。是非ご覧になってください。
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グレッグ・デニス 氏 (オーストラリア会計協会会長) |
加藤 厚 氏 (企業会計基準委員会常任委員) |
木下 俊男 氏 (日本公認会計士協会常務理事) |
次回の第3回目CGSAセミナーでは、「原則主義のIFRSを我が国に導入する際の実務上の課題」と題し、財務諸表作成者(企業)、利用者(アナリスト等)、監査法人、会計学者、企業会計基準設定者をパネリストとして招聘して10月末に開催を予定しております。こちらもご期待ください。