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アカウンティングスクール
【第3回CGSAセミナー2013】

CGSAセミナー「統合報告と企業価値創造」を開催しました。

第3回CGSAセミナー 「統合報告と企業価値創造」

国際会計研究科(CGSA)は、最新の会計・ファイナンス・マネジメントの実務と理論の教育を行うアカウンティングスクールです。その教育内容や日頃の研究の成果を広くご紹介すべく、定期的にCGSAセミナーを開催しております。

金田 晃一 氏
金田 晃一 氏
小西 範幸 氏
小西 範幸 氏

2013年度第3回セミナーは、最近ますます注目されている統合報告をめぐって、実務面と学術研究の面からそれぞれのスピーカーにご講演頂きました。 まず、この統合報告にいち早く注目し、先駆的に取り組んできた武田薬品工業(株)コーポレート・コミュニケーション部(CSR)の金田晃一氏より、「CSR活動と統合報告」というテーマで自社のこれまでの取り組みの経緯やその意義についてご講演頂きました。

金田氏はCSR活動に取り組む過程で、グローバル社会における企業責任を果たすためには、自社の持続可能性を考慮しつつ途上国、新興国との関わりを重視し、社会と企業にとって有意義な長期的投資に対応すべく、非財務情報を含めた統合的な開示が必要となっているとの認識を示されています。かくして、年次報告書とは別に環境報告書を作成した時期からCSR報告書に至り、そしてこれらを一つに統合した統合報告書を公表することになりました。加えて電子ブックや動画などの情報も開示し、戦略的な企業情報開示の拡大に取り組んでいます。このことは、企業価値の創造と保全の両面で有意義とされています。

続いて、青山学院大学教授の小西範幸氏から、「統合報告による経営と会計のイノベーション」についてご講演頂きました。小西氏は、財務報告の有用性を高めるためには、単に開示情報の整理と削減を目指すだけではなく、情報の統合開示というアプローチが必要であるとの認識から、非財務情報(CSR、環境・社会・ガバナンスなど)の開示の意義に関する研究に取り組んでいます。そして、IIRC(国際統合報告評議会)が2013年12月に公表した「国際統合報告<IR>フレームワーク」における統合思考を紹介し、統合報告が企業経営と財務報告に与える影響について検討しています。その際、財務諸表本体、その注記、そして非財務情報の識別を、リスク情報の観点から整理することが重要であると強調しています。

お二人の講演終了後、参加者から、統合報告の意義を投資者に対してどのように数値的に訴求できるのかとの質問があり、直接的には難しいが、過去に生じた問題によってどれほど企業が損失を被ったかを確認し、それを回避できる点を示すことで間接的な説明は可能との応答がありました。また、統合アプローチとして、財務諸表を中心として拡大する方向と非財務情報から出発して財務諸表に迫る方向とあるがどちらが望ましいか、ワンレポートかツーレポートか、任意開示か強制開示か、等々さまざまな論点につき意見交換が行われました。当日は、CGSAホームカミングデーを兼ねていたこともあり、修了者も含めて多数の参加者があり、講演者の熱意と参加者の関心の高さが一体となり、有意義なセミナーとなりました。