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アカウンティングスクール
【第2回CGSAセミナー2013】

CGSAセミナー「IFRSの動向と日本の会計」を開催しました。

第2回CGSAセミナー「IFRSの動向と日本の会計」

国際会計研究科(CGSA)は、最新の会計、ファイナンスならびにマネジメントの実務と理論の教育を行うアカウンティングスクールです。その教育内容や日頃の研究の成果を広くご紹介すべく、定期的にCGSAセミナーを開催しております。

加藤 厚 氏
加藤 厚 氏
渡辺 浩樹 氏
渡辺 浩樹 氏

2013年度第2回セミナーは、IFRS(国際会計基準)の動向と、これに対する日本の対応に着目し、制度面および実務面から二人のスピーカーに講演して頂きました。

まず、公認会計士として国際的舞台で活躍され、本年3月までASBJ(企業会計基準委員会)の副委員長を務めていた加藤厚氏より、「IFRSを巡る最新動向と日本の対応~『当面の方針』、概念FWのDP、等~」について解説して頂きました。

国際的動向として、4月にASAF(アドバイザリーフォーラム)が活動を開始したこと、7月にIASB(国際会計基準審議会)が「概念フレームワーク」(ディスカッション・ペーパー)を公表したこと、他方、国内の動きとしては、6月に企業会計審議会が「当面の方針」を公表したこと、そしてASBJが「無形資産に関する検討経過の取りまとめ」を公表し事実上、関連する論点のコンバージェンスが中断したこと、に注目しています。ちなみに、米国もASAFへの参加を決定しましたが、IFRS導入のシナリオについては必ずしも明らかにしていません。このような状況において、「当面の方針」は任意適用の拡大、単体開示の簡素化など提言しています。ただし、いわゆる日本版IFRSにも言及している点は、世界的なコンバージェンスに逆行する可能性もあると指摘されています。また、概念FWについては、日本の関心からすると、包括利益計算書における「その他の包括利益」の中身や「リサイクリングの可否」が注目されます。

続いて、中外製薬株式会社(財務経理部 IFRSグループ)グループマネージャーの渡辺浩樹氏から、「中外製薬のIFRS移行と管理指標」についてご講演頂きました。中外製薬は2013年よりIFRS導入を決定し、すでに四半期報告書を作成しているので、IFRS導入を決めた経緯、その意義、課題などについて紹介して頂き、さらに、管理指標としての活用について説明されました。まず、その経緯としては、2002年のスイスのロシュ社との戦略的アライアンス(ロシュ社が過半数の株式を取得)を契機として、EUにおけるIFRS強制適用との連動性があります。したがって、IFRS導入の目的は、国内外投資家の利便性向上と裾野の拡大とともに、経営管理指標の一本化が大きな意味をもっており、すでにIFRSへの対応の準備も進めていました。IFRSによる会計数値を基礎とした経営管理指標としては、外部R&D取得費や非経常的事項を除いた「Core実績」や「純営業資産」などを用いて価値創造指標を活用しており、今後IFRS導入を検討中の会社にとって貴重な示唆となります。

二人の講演終了後、質疑応答において、日本における「概念FW」(DP)の受け止め方やアメリカの対応について、また、IFRSにもとづく開示量の増加と課題、管理指標の開示のあり方などについて意見交換がなされ、大変有意義なセミナーとなりました。