理工学部

理工学部人間総合理工学科 石川幹子教授研究室:第29回都市公園コンクール-国土交通省都市局長賞受賞

2013年09月25日

石川研究室が、取り組んできた葛飾区新宿六丁目における都市再生プロジェクト「葛飾にいじゅくみらい公園」が、平成25年度第29回都市公園コンクールにおいて、「国土交通省都市局長賞」を受賞しました。
 
■地区の概要
 葛飾区北部地域は、優れた自然環境と歴史・文化を有している地域です。江戸川、中川、小合溜の水郷景観は、江戸・東京400年の水害との戦いの中で形成されてきた貴重な資産であり、現在では、生物多様性の宝庫として貴重な動植物の生息空間、及び市民の憩いの場となっています。また、豊かな水源の存在は、区内に大小の都市内工場の立地を促してきましたが、産業構造の変化に伴い、この間、工場の移転が行われてきました。JR 常磐線金町駅に隣接し、平成15年3月に操業を停止した旧三菱製紙工場の跡地は、その規模からも、当該地域のこれらの地域の在り方に大きな影響を与えるものです。

■プロジェクトの経緯
 葛飾区では、この工場跡地を活用した「新宿六丁目地区まちづくり方針」を掲げ、その先導的なプロジェクトとして、新しい文化の発信源となる大学を誘致するとともに、大学と一体となった都市公園を整備して、防災・環境面で質の高いまちづくりを推進しています。
 そこで、まず「緑の基本計画(都市緑地法に基づく法定計画)」を踏まえて、「北部地域水と緑のネットワーク構想」を策定し、この公園を、新たな「水と緑の拠点」として位置づけて、区民等の参加による公園計画がつくられました。

■公園計画の基本的考え方
 公園計画設計では、次の三点に重点を置きました。第一には、地球環境問題の解決への地域からの寄与という視点を、区民が共有できるわかりやすい形で提示すること、第二は、当該地域の自然資源を活かし、生命の回廊としての水と緑の回廊を創り出すこと、第三は、都市再生の拠点となる大学と公園の新しいあり方に関する検討です。この公園整備事業は、将来のまちづくりの基盤となるものであり、葛飾区北部地域が、地球環境をリードする地域として、貢献していくことを大きな目標として、公園のデザインが成されました。