Eventイベント

物理学科・専攻

2017年度 第6回 中央大学物理学科談話会

日程
2017年10月5日(木) 16:30~17:30
場所
後楽園キャンパス 3号館3階 3300号教室
日程
2017年10月5日(木) 16:30~17:30
場所
後楽園キャンパス 3号館3階 3300号教室
講演者

中山 洋平 先生(物理学科、宗行研究室)

木下 俊一郎 先生(物理学科、中村研究室)

内容

16:30-17:00 (講演25 分,質疑応答5 分)
講演者:中山洋平氏(宗行研究室)
題 目:小さな系の熱力学で生体分子モーターを理解する
概 要: 熱力学は、巨視的な系のしたがう法則を統一的に記述する体系として発展してきた。最近、その枠組みの一部が少数の自由度からなる小さな系にも引き継がれることが明らかになってきている。私たちの研究対象である生体分子モーターF1-ATPaseは、~10nmという小さなスケールにおいてエネルギー変換を行う系であるので、その性質を小さな系の熱力学の知見を活かして理解したい。ところが、F1-ATPaseの一分子観察によって回転角度の時間発展を測定して、その結果に小さな系の熱力学を当てはめ、散逸する自由エネルギーを求めると、化学反応によって生じているはずの自由エネルギー差より有意に小さいことが分かった。このことは、回転角度だけでは系の非平衡性を記述しきれていないことを意味している。今回は、この問題を統計推定の方法によって解決するという私たちの試みと、またそれによって可能となる新たな実験についても紹介する。


17:00-17:30 (講演25 分,質疑応答5 分)
講演者: 木下 俊一郎氏(中村研究室)
題 目:ストリングによるブラックホールの回転エネルギー引き抜きとBlandford-Znajek機構
概 要: Blandford-Znajek(BZ)機構は、回転ブラックホールまわりの磁場によって、高効率でブラックホールの回転エネルギーを引き抜く機構で、宇宙に様々存在する相対論的ジェットの動力源として有力な候補の一つである。本講演では、BZ機構を記述する定常軸対称force-free電磁場と、一様角速度で剛体回転する南部・後藤ストリングの間に対応があることを示し、ストリングによる回転エネルギー引き抜き機構とBZ機構の等価性について議論する。


問い合わせ先:中大・理工・物理 田口善弘
e-mail: tag@granular.com tel: (03) 3817-1791