Eventイベント

物理学科・専攻

2015年度 第3回 中央大学物理学科談話会

日程
 2016年1月21日(木) 16:30-18:00
場所
後楽園キャンパス 3号館3300号室
日程
 2016年1月21日(木) 16:30-18:00
場所
後楽園キャンパス 3号館3300号室
講演者

白幡直人 (所属:国立研究開発法人 物質・材料研究機構 WPI-MANA)

内容

題目: サステイナブル社会に調和する環境蛍光体の創製と応用 

概要: 半導体をナノ粒子化することで発現する現象の1つに量子閉じ込め効果があります。特に II-VI 系や III-V 系化合物半導体の量子ドットが有名です。蛍光体としての量子ドットは、波長可変レーザー、LED、蛍光イメージングなどさまざまな産業分野で利用されています。シリコンはトランジスターや IC の基盤となる材料ですが、間接遷移型バンド構造を有するために、バルク体のままでは、効率良い発光を望むことはできません。しかしながら結晶のサイズを 8 nm 以下に微小化することで、強く発光するシリコンを作製することができます。さらに、サイズによって発光波長範囲を「紫外―可視―近赤外」の広い範囲で連続的に制御することが可能となっています。 本セミナーでは、結晶性シリコンをナノ粒子化した時に発現する特異な発光特性および応用について紹介します。特に、ダイヤモンド構造を維持できる最小粒径の決定、波長可変や高効率発光を導くナノ構造解明の現状、そして、シリコンのナノ構造に特異的に現れる電子構造を利用した発光デバイスのプロトタイプに関する研究がハイライトされます。 シリコンは、資源に富み、環境や人体に低毒性という元素に固有の性質があります。これらに加えて、シリコンをサブナノスケールで巧みに制御することで得られる優れた発光機能は、我が国の指向する次世代環境材料の発展に大きく貢献できると期待されます。