文学部

文学部主催シンポジウム「アートとドラマから見る韓国」が開催されました

2016年11月25日

 

 

 

 去る11月12日、中央大学駿河台記念館において文学部主催シンポジウム「アートとドラマから見る韓国」が開催されました。このシンポジウムは2016年度前期プロジェクト科目「アジア共同体を考える──共に生きるための15のヒント」(ワンアジア財団寄付講座)の関連企画で、学内外から幅広い年代の来場者約百名が集まる盛況でした。
 

ヂョン・ヨンドゥ氏

 

 冒頭、都筑学・文学部長より開会の挨拶がありました。

 

 第Ⅰ部「韓国現代アートの世界」では、作家・東京経済大学教授の徐京植(ソ・キョンシク)氏がテレビドラマでも有名な「風の絵師」申潤福(シン・ユンボク)の作品を中心に、朝鮮半島の美術史を概観しました。そのあと、韓国現代アート界を代表するヂョン・ヨンドゥ氏が主要な映像作品を自ら紹介し、アフリカ・ルワンダに取材した最新作を世界初公開しました。来場者の中には美大生や美術史研究家などもおり、活発な質疑応答が行われました。

宇佐美毅教授の講演

 第Ⅱ部「韓流は何をもたらしたか──2016年から問い直すドラマの可能性」では、著書『韓流の社会学』で知られる立教大学教授の李香鎮(イ・ヒャンジン)氏が、過去10年にわたる調査研究に基づき、現在「第3段階」に至った韓流の現状や特徴について解説しました。次に中央大学文学部教授の宇佐美毅氏が、日本と韓国それぞれのテレビドラマの特徴を「号泣」をキーワードに分析し、ドラマというフィクション世界において、強烈な感情表現がむしろ「リアリティ」を高めていることを鮮やかに提示しました。ドラマの各場面を紹介しながらの生き生きとした報告は時間を忘れさせるほどで、質疑応答の時間も途切れなく来場者の手が挙がりました。

 今回のシンポジウムでは、優れた作品が国境を越えて人々の共感を呼び起こすことを改めて確認し、アジアの隣国との共生の可能性について考えることができました。充実した時間を一緒に作ってくださった講師の先生方と来場者のみなさまに心より感謝申し上げます。(報告:榎本泰子・文学部教授)

 

当日出演者の集合写真

(右から)宇佐美毅教授、徐京植氏、李香鎮氏、ヂョン・ヨンドゥ氏、大田美和教授、榎本泰子教授