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国文学専攻
授業紹介

「中古文学研究A B」 国文学専攻 池田和臣 教授

文字に目を凝らし、表現の深奥を読み取り、時代を見る

時代とその文化の中に文学の創造をとらえ、また文学表現から時代そのものをとらえ、そして人間存在の普遍的ありようを認識することを目的とする授業である。

『中務親王集』は現代に写本が伝存していない歌集である。古筆切と呼ばれる断簡が残るのみである。その平安時代書写の古筆切を精査し、それぞれ精読することによって、もとの写本の姿を復元できはしないだろうか。これがこの授業が試みていることである。文字の姿の美しさゆえに切れ切れになり、切れ切れになっても美しさゆえに大事に伝えられた。その断簡たちが、この授業を通じてもとの歌集の姿を再び見せ始めていくのである。授業は演習形式で古筆切を一葉ずつ解読していくのであるが、解読のためには、まず平安時代の文字の姿を知り、それを正確に読み取る能力が要求される。そして、一首ずつ丁寧に注釈し、表現の意味を十全に捉えなくてはならない。さらに、表現の真意を捉えるためには、時代の生活・文化・思想、また言葉に対する知識が必要となる。そういった受講者の努力の積み重ねによって、かつて存在した写本が教室に姿を現すことになるのである。