ドイツ語文学文化専攻

原サチコ氏講演会「舞台俳優としてドイツ演劇の現場を語る」(ドイツ語劇ワークショップ付き)が開催されました。

2018年08月20日

日 時          2018年7月27日(金)5時限(16時40分〜18時10分)

場 所          多摩キャンパス3353教室(文学部3号館低層棟3 F)

講演者          原サチコ氏(Deutsches Schauspielhaus Hamburg専属俳優)

題 目          舞台俳優としてドイツ演劇の現場を語る(ドイツ語劇ワークショップ付き)

 

 ドイツ語文学文化専攻では、2018年 7月27日に、ドイツでご活躍の俳優、原サチコさんをお招きし、講演会「舞台俳優としてドイツ演劇の現場を語る(ドイツ語劇ワークショップ付き)」を実施しました。原サチコさんは、Deutsches Schauspielhaus Hamburg(ハンブルク・ドイツ劇場)の専属俳優です。学生時代は、ドイツ語圏を専門のフィールドとして学ばれています(上智大学外国語学部のご卒業)。

 当日の講演会は、演題に見るように、演劇トーク(第1部)とワークショップ(第2部)から構成されていました。

 第1部では、ハンブルク劇場を中心にドイツの劇場・演劇について、また、ご自身の出演作品について、映像とともにご紹介くださいました。ちなみに2018年7月にドイツ、シュツットガルト歌劇場で上演されたオペラ「地震・夢」(細川俊夫作曲)にもご出演で、現地で好評を博していらっしゃいます。オペラ公演終了直後に日本に一時帰国され、到着の翌日には本専攻でご講演くださるという強行スケジュールでのご来校でした。感謝に耐えません。

 原さんは俳優としての活動のほか、ハンブルク大学日本学科で日本語劇を指導された経験もお持ちです。実際の日本語劇の様子をビデオ撮影した映像を目にし、学生たちは感銘を受けていました。

 第2部のワークショップは、⑴参加者全員を対象にしたドイツ語の発音指導と⑵ドイツ語劇からなります。⑴ではドイツ語の子音・母音の発音を、参加者全員で体を使って表現しながら練習しました。原さんの指導のもと、ドイツ語の調音を文字通り「体現する」経験をしました。⑵は、事前に配役を決めて練習を積んでいた学生の公開レッスンです。『ファウスト』(ゲーテ)『ウィルヘルム・テル』(シラー)『物理学者たち』(デュレンマット)の3作品から、それぞれ1シーンを取り上げました。前期の授業最終週で最終日というハードな日程の中でしたが、公開レッスンを受けた学生たちは、あらかじめセリフをほぼ暗記するまでに練習して臨むなど、よく準備をしていました。その甲斐あって、また何より原サチコさんの優れた指導力によって、言語的にもドイツ語劇の側面からも充実したワークショップとなりました。直接、ご指導を受けた学生にとどまらず、参観していた学生たちにとっても大きな刺激となり、モチベーションに繋がったと思います。

 第1部、第2部とも、積極的な協働が促され、参加者全員が能動的に体験を共有しました。特に第2部は、優れた指導力で学生たちの力を引き出してくださり、達成感が与えられた活動であったと思います。

 当日はドイツ語文学文化専攻の学部生・大学院生・教員のみならず、他専攻の先生方も参加されました。学期末の慌ただしさの中ではありましたが、原サチコさんを囲んで、短くも実り多い豊かなひと時を過ごしました。(林明子)