ドイツ語文学文化専攻

岩城京子さん(ロンドン大学ゴールドスミス校 講師)のゲストスピーチのご案内

2017年06月07日

 演劇研究者・演劇ジャーナリストとしてご活躍中の岩城京子さんによる講演会を下記の通り開催します。ご興味のある方は是非、ご参加ください。申し込み不要です。

 

日時・会場:6月21日(水)11時~12時30分 文学部3号館 3252教室

 

講演タイトル:『演劇進化論:戯曲がない、演技しない、劇場がない演劇』

 

講演概要:  

 「演劇」ということばから多くの人がイメージする表現はおそらく、戯曲があり、俳優がおり、舞台美術が仕込まれた劇場で上演される作品だろう。しかし欧州最先端(特にドイツ、フランス、ベルギー)の演劇シーンではいま、戯曲がなく、演技をせず、ときに劇場も使われないような<ポスト・ドラマ演劇>と呼ばれる作品群が増えている。果たしていま演劇は、どのように「進化」しているのか。

 本講演ではクリストフ・シュリンゲンジーフ(ドイツ)、リミニ・プロトコル(ドイツ)、ブレット・ベイリー(南アフリカ)、ラビア・ムルエ(レバノン)、高山明(日本)、さらに今月世界演劇祭(ハンブルグ)で上演される作品群などを事例にとり、自明だと思われる「演劇」への思考を拡張する。また、演劇は単なる娯楽ではなく、現実に介入し・思考を変容させるための政治装置になり得るという考えを推し進める。

 

岩城京子(いわき きょうこ)さんのプロフィール

 

 パフォーミング・アーツ(演劇・舞踊など)を専門とするフリージャーナリストとして活動。東京とロンドンを拠点に世界19カ国で取材、和英両文で執筆を行う。主な執筆先に、AERA、新潮、朝日新聞など。ロンドン大学ゴールドスミス校博士課程在籍、ならびに同校非常勤講師。ロンドン大学東洋アフリカ研究学院メディア研究所、ヨーロッパ日本研究国際会議などで日本現代演劇にまつわる研究論文を発表。近年はフリーのアート・コンサルタントとして、フェスティバル/トーキョーやウェールズ国立劇場などに協力。芸術公社では主にScene / Asia チーフ・ディレクターとして、アジア諸地域のリサーチ、執筆、ウェブサイト運営、キュレーションの指揮を執っている。

(「芸術公社」のHPより:http://artscommons.asia/directors/iwaki