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法学部
【活動レポート】瀧上 由佳 (法律学科3年)

「やる気応援奨学金」リポート(5) 中国に語学留学し人々と交流 環境問題では砂漠化にも関心

「上海だ、陸が見えた!」
日本から中国へ向かう船の中で、だれかがそう叫ぶと、私たち乗客は一斉に船のデッキに集まった。
故郷を懐かしむ中国人。これからの旅に心躍らせる旅行者。皆、思い思いに中国大陸を見詰めていた。そんな中、私もこれからの中国での生活に対する、期待と不安でいっぱいになりながら、青い海の向こうの中国を見ていた。

中国へ

さて、私は大学から頂いた「やる気応援奨学金」で、今年の2月から3月にかけての約2ヶ月間、中国の北京に語学留学をする機会に恵まれた。以前から、中国留学にあこがれつつも、なかなか踏み切れなかった私の背中を、後ろから強く押してくれたのがこの奨学金だった。
私が渡航前、中国留学の目標としたことは、第1に、リスニングや、スピーキングなど実践的な中国語能力を高めること。そして第2に、中国の環境問題について調べることだった。中国の環境問題については、以前中国での霊宝という場所で行われた、植林活動のミッションに参加したことがあり、関心を持っていた。だから今回の中国滞在を利用して、中国の環境問題についてもっと深く知りたいと思ったのだ。
また、私は、この留学を「自分で切り開いていく留学」にしたいと思った。ただ、行って、大学側から提供されるプログラムに乗っかって、ただ帰るだけの留学にはしたくなかった。だから、あえて行きは船、1人で行く小旅行などを留学に組み込んだプランにしてみた。この「船で行く」というプランは、大成功だったと思う。
東京から大阪へ、大阪から船で上海へ、上海から列車で北京へ。上海で2泊したこともあり、北京に着いたのは出発から6日後だった。飛行機で行けば数時間の場所へ、こんなふうに遠回りして行くのはばかげているのかも知れない。しかし、この6日間の1人旅の中多くの中国人と出会うことで、中国語にも慣れることが出来たし、何より「自分の中国語でも通じるのだ」という自信と、「もっとうまくなりたい」というやる気が出た。
おかげで、良い中国留学生活のスタートを切ることが出来た。

大学での語学研修

私は、北京到着後、まず北京の北京語言大学で行われている「夏の短期プログラム」に参加した。この北京語言大学は、外国からの留学生を多く受け入れており、中国語教育で優れているといわれている大学だ。さすがそういわれているだけあり、教師陣も優れており、とても質の高い授業を受けることが出来たと思う。
授業中は、すべて中国語のみで行われるが、先生が簡単な単語を選んで話してくれたので、ほぼ聞き取ることが出来た。授業は午前8時から12時までで、前半と後半に分けられており、前半が文法、後半が会話と聞き取りだった。

午後は授業がなく、勉強したり、市街地に遊びにいったりと、各自好きなように過ごせるようになっていた。私も、午後は友達と近所のスーパーへ水や食料の調達に行ったり、予習をしたりと、充実した毎日を送ることが出来た。現在、北京のスーパーではさまざまな商品が売られており、日本のスーパーとほとんど違いがなかった。
健康状態も抜群で、むしろ日本にいる時よりも「よく食べ、よく動き、よく寝る」健康的な毎日を過ごせた。むしろ、安くておいしい、本場の中華料理のおかげで少し太ってしまったくらいだ。休日は、万里の長城、故宮、天安門、天津……と、さまざまな場所へも行った。
すてきなクラスメート、ルームメート、そして先生と過ごした、この北京語言大学での四週間はとても有意義で楽しいものだった。
実際に中国の大学で生活してみて、1番驚いたのが、日本人の大学生活と中国人の大学生活の違いの大きさだ。中国の大学は敷地も広く、大学の敷地の中に、学生や先生の寮が設けられている所が多い。
北京滞在中に、1度、中国人学生の宿舎に入らせてもらったことがあった。私がお邪魔した部屋は4人部屋で、6畳ほどの大きさの部屋の中に、2段ベットの下の段の部分が机になっているような家具が4つ置かれていた。ほかの中国人学生にも寮の様子を聞いてみたが、中国の大学の寮では6人部屋や8人部屋が当たり前のようだ。そこで共同生活しながら大学生活を送っている。

プライバシーなんてほとんどない中での共同生活。大学での4年間を共に過ごしていくのだ。これは、私たち日本人学生には考えられないような生活だろう。しかし、家族のように仲の良い中国人学生たちが、私にはとてもうらやましく思えた。
また、もう1つ驚いたことがある。それは中国人学生が、とても勉強熱心であることだ。図書館で勉強しようと思っても、どこも満席で席を探すことが困難だった。席がないために、立ったまま勉強している学生もいた。こうした学生たちと共に勉強することは、とても良い刺激になった。

北京ボランティアネットワーク

こうした北京での滞在の中で、中国へ行く前に2つ目の目標として掲げた「中国の環境問題を調べる」ため、北京のボランティアグループ「北京環境ボランティアネットワーク」の活動に参加させてもらった。
この「北京環境ボランティアネットワーク」とは、北京在住の日本人を中心として設立された市民グループだ。彼らは、環境問題の解決には、政府の力だけではなくNGOなどの市民の力を結集させることが必要であると考え、草の根交流の場を通じて、環境問題を学んだり、情報の懸け橋になる場を提供したりしている。日本人でありながら中国の環境問題に取り組んでいる団体があることを日本にいる時に知り、ぜひ彼らの活動にかかわってみたいと思ったのだ。
私は、彼らのミーティングに参加すると共に、北京市内のごみ処理場見学ツアーにも同行させていただくことが出来た。また、見学終了後には、意見交換会も開かれた。こうした活動を通じて知り合った、環境問題に関心のある中国人との交流も、とても有意義なものだった。
私たちが暮らす日本では、ごみを捨てる際、ペットボトル、缶、びん、電池……と細かく分別しなければならない。しかし、北京では、それらの物を1つの袋にまとめて捨てていた。まだ、分別が行われていないのだ。
また、中国では、道端に捨てられた大量のごみを見ることが出来る。お菓子などの包装紙、ペットボトル、空き缶……。当然のように人々が、ごみを投げ捨てていく。風が吹くと、こうしたごみが舞い上がって、視界がごみでいっぱいになった。このような状態であるから、ごみのリサイクルも満足に行われていないのだ。
しかし、分別のためのごみ箱の設置、テレビなどを使った環境教育など、至る所で中国政府の努力も見られた。

大同への小旅行

北京での授業が終了し、ほかの留学生が帰国していく中、私は1人リュックサックを背負って「大同」への小旅行へと出掛けた。北京から電車で約6時間の場所にある大同は、北京から1番近い砂漠としても知られるほど、砂漠化が深刻化している場所だ。現在、中国における砂漠化は深刻な問題となっている。毎年平均で神奈川県の面積に相当する大地が砂漠化しているという。そして、近年は一層その速度を増しているのだ。
また、最近は「砂塵暴」と呼ばれる、砂が強風で舞い上がる砂あらしも頻発している。この砂塵暴による被害は長江流域の都市のみならず、日本にも及んでいる。
実際に大同へ行き感じたのは、「浸食谷」が予想以上に多いということだった。植物の少ない大同の地に降る激しい雨は、土壌を押し流し、深い浸食谷を作り出す。押し流された土は、川を埋め、表土が押し流されたことにより植物は育たなくなり、砂漠化が進んでいるのだ。
しかし、こうした浸食谷のすぐそばには農民の集落がある。彼らは、こうした条件の悪い土地で畑を作っていた。畑は土地の栄養分を奪い、更なる環境破壊へと導くはずだ。また、こうした農民の集落のそばではたくさんの家畜が飼われているのも見ることが出来た。家畜は、大地に生えたわずかな植物を食べ尽くしてしまうだろう。いくら大地が緑をよみがえらせようとしても、人間がそれを駄目にしてしまっている、そんな悪循環があるように感じた。

だが、大同の大地で暮らしている彼ら農民に「畑を耕すな」「家畜を飼うな」と言うことは、彼らに「死ね」と言うのと同じだろう。
日本にいる時は、「砂漠をなくすためには木を植えれば良い」と単純に思っていた。しかし、実際に砂漠化が進む大同へ行き、「砂漠化は、木を植えるだけでは解決出来ない、人間の貧困と密接にかかわる複雑な問題」であると考えるようになった。貧困がもたらす砂漠化という問題について、1人の地球人として、日本に帰国した後も考えていく必要性を感じた。

留学を終えて

今回、中国へ行くのは初めてではなかったが、1人で行くのは初めてだったこともあり、行く前は不安もあった。特に、1人で旅している時は「宿が見付からなかったら」「切符が買えなかったら」と毎日がどきどきの連続だった。
しかし、そんな中、多くの中国人に助けられながら無事、留学生活を終えることが出来た。2ヶ月間の留学生活を思い出す時、真っ先に頭に浮かんでくるのは、どんな世界遺産よりもこうした1人1人の中国人だ。
「何かあったら連絡をするように」と連絡先を教えてくれた、上海から北京へ向かう列車の中で出会った中国人の方々。道に迷った時、親切に案内してくれた方、駅の待合室で荷物を背負って列車を待っている時、スーパーで困っている時……さまざまな中国人の方が私の手助けをしてくれた。そんな時、私は泣きたいくらいうれしくって、感謝の気持ちでいっぱいになった。

しかし、私の中国語が未熟なこともあり、思ったことを伝えることが困難だったり、聞き取れなかったりしたことが度々あった。もっと伝えたいことや、聞きたいことがある。そのためにも、今後の中国語の学習に力を入れていきたいと思う。
たった2ヶ月の留学で、語学が著しく上達したというわけではないだろう。しかし、2ヶ月間で中国という国、中国の人々が好きだという思いは何倍にも膨れ上がったように思う。そして、以前より中国を身近に感じることが出来るようになった。この思いが、これからの語学上達のための、大きなエネルギーになってくれるはずである。

草のみどり 179号掲載(2004年9月号)

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