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法学部
【活動レポート】敕使河原 梨沙 (政治学科3年)

「やる気応援奨学金」リポート(71) イギリスで国際関係学学ぶ(上) 自分の新たな可能性を再発見

はじめに

はじめまして。私は現在「やる気応援奨学金(長期海外研修部門)」並びに中央大学国外留学生奨学金の奨学生として、約九カ月間イギリスのケント大学にて認定留学をしています。私にとって今回の留学が初めての海外長期滞在となるため、日々の生活の中でさまざまな困難にぶつかったり、異文化との触れ合いの中で苦労をすることも多いのですが、その中で多くのことを学び、更に掛け替えのない人々との出会いを経験し、何よりも自分自身の人間性を高めることが出来ていると感じております。早いもので留学生活も残り3分の1となってしまいましたが、今回の報告では主に日々の生活や授業を中心に私が留学生活で学んだことについて報告したいと思います。

ケント大学について

私が現在認定留学をしているケント大学は、イングランド南東部のカンタベリーに位置する国立大学です。1965年に設立された300エーカーの広大なキャンパスで、約1万6000人の学生が学んでいます。ケント大学の特徴は国際色が豊かであるという点で、2010年度は130カ国から留学生が集まり、その数は全学生数の19%に上ります。アジアやアフリカ諸国からの留学生や、EU圏内からの留学生も多く、さまざまな国の人々と共に学び考える機会を得ることが出来ていると考えています。また、教育機関としての評価も非常に高く、2007年度の全国学生調査では学生のコース満足度においてイギリス内の大学の中で上位10位以内にランクインしました。更に施設面でのサポートも大変充実しており、テンプルマン図書館には100万冊以上の蔵書が収蔵されており、エッセーを書く際には非常に満足のいくリサーチが出来ています。留学生が非常に多いということもあり、留学生に対するサポートも非常にきめ細やかであると感じています。英語科では英語を母語としない学生のために毎週エッセーの書き方やプレゼンテーションの行い方などの補講を開講しており、私はケント大学に来る以前に一切英文のエッセーを書いたことがなく、書き方も全く分からなかったのですが、このサポートシステムのおかげできちんと英文エッセーの書き方を学ぶことが出来ました。また、ケント大学における留学生のサポート機関が学期中にさまざまなイベントを企画しているので、さまざまな国から集まった学生と交流する良い機会を得ることが出来ています。
長期留学を決意した際、交換留学生として協定校へ留学するか、それとも認定留学生として自分自身が選んだ大学で勉強するかどうか、かなり悩むこところではありました。しかし、約9カ月間もの長期にわたって海外で学ぶという機会を与えられる以上は、自分が本当に行きたいと思った環境で勉強がしたいと考え、認定留学を選択しました。留学先を選定する際に、留学あっせん機関などを利用しなかったため、自分自身で国際関係の学べる大学について調べ、応募書類をすべて調達し、更に大学側とも何度もコンタクトを取らなくてはならず、認定留学という選択肢を選んでしまったことを後悔した場面もありました。しかし、バーフィールド先生やニックス先生、そして法学部事務室の職員の方々の協力のおかげで、中央大学の奨学生として、第1希望の大学へ留学することが出来、本当に感謝しております。大変御迷惑をお掛けしてしまった場面も多く反省しておりますが、今日この地でさまざまなことを学び、感じ、そして吸収する機会を得ることが出来たことを心からうれしく感じております。ありがとうございました。

寮生活について

大学構内のスチューデントハウス

私は現在、大学の構内にあるスチューデントハウスにて私を含めた5人の学生とハウスシェアをしています。フラットメートはアメリカ人、フランス人の男子学生、イギリス人、イタリア人の女子学生であり、更にイタリア人のフラットメートはベジタリアンであるため、さまざまな生活文化を見ることが出来ています。私は実家から中央大学へ通っていたため、今回が初めての1人暮らしということもあり、初めは毎日の生活について不安な気持ちでいっぱいでした。また、初めの3カ月ほどは想像以上に生活習慣や文化の違いに悩まされました。例えば学期が始まってから1週間ほどは毎日のようにハウスパーティーを深夜まで私の家で開いていて毎晩明け方まで眠れなかったり、冷蔵庫に入れておいた私の食べ物を勝手に食べられてしまったり、ごみ捨てや洗い物を全くしてくれない人がいたりなど、毎日の生活に疲れてしまっていました。しかし、イタリア人のフラットメートと偶然話をした時に、同じように彼女も悩んでいるということが分かり、その後フラットメート全員でその状況について何度も話し合いを重ねたりお互い注意し合ったりして、現在は五人で快適な暮らしをすることが出来ています。
初めのうちは、本当に自分の家に嫌気がさして、フラットメートを避けて生活したり、冷たい態度で接していたりしてしまっていました。しかし、私がそういう態度を取っていても相手に不快な思いをさせてしまうだけで何も伝わらないということに気が付き、それからは笑顔であいさつをしたり、なるべく毎日会話をするようにしたり、注意する際もなるべく相手の気持ちを害さないようにしたりということを心掛けています。そうすることで、初めは嫌で仕方がなかったハウスシェアでの生活も、最近は自分の生活に張りを与えてくれるものとなっています。また、フラットメートとの毎日の会話を通じて、一人一人の素晴らしい部分や見習いたいところなどを発見することが出来、きちんと伝えたいことをはっきり伝えて、心から相手とコミュニケーションを取ることで、お互いを理解し、尊重し合えるのだということが分かりました。先日21歳の誕生日を迎えたのですが、誕生日の朝にイタリア人のフラットメートからサプライズのバースデーカードをもらい、その中で"you are the best flatmate I've ever had"と言ってもらうことが出来、本当にうれしく感じました。

授業について

私の今回の留学の研究テーマは、「東アジア共同体構想の実現可能性について」というものでした。中央大学にて学ぶ中で、国際関係の観点から現在の日本の外交関係について考える機会があり、現在の日本を取り巻く状況の中で東アジアにおける協調の重要さを感じることが多かったため、地域協力機関の最先端を行くEUの政治体制などについて学びながら、どのようにして東アジアにおいてEUのような地域共同体を構築していけば良いか、そしてそのような構想は果たして実現可能であるのかについて自分なりに研究したいと感じ、EU圏内のイギリスにて国際関係学を中心に履修しようと考えました。
秋学期は「EUの政治と政策」「東アジア諸国の政治システム」「外交政策の分析とマネジメント」の3つの授業を履修しました。更に、私の参加している留学プログラムでは学部を超えてさまざまな授業を履修することが可能となっており、これを機に何か新しいことに挑戦したいと考え、通年でイタリア語のインテンシブコースを履修しています。イギリスの大学の授業は日本の大学の授業とは大きく異なり、ほぼすべての科目に講義とセミナー形式の授業が設定されており、講義で扱った内容についてセミナーで議論するという構成となっています。今回の報告では主に政治系の授業について報告したいと思います。
多くの日本人留学生がbasicレベルの授業を選択する中で、私は秋学期はintermediateとhigherレベルといってこちらの2年生や3年生向けの授業を中心に履修していました。そのため、かなりレベルが高く、毎日閉館まで図書館で課題図書を読み、とにかく授業に付いていくことに毎日必死でした。また、エッセーの語数も2500語から3000語とかなり高いレベルを求められており、秋学期はとにかく図書館に通って本を読んだりリサーチをしていました。そのため留学生活を通じて伸ばしたいと考えているスピーキング力の向上にあまり多くの時間を費やすことが出来ず、更にセミナーでもほとんど発言することが出来なかったので、その点は反省点として春学期の課題となっています。しかし、さまざまな国籍を持つ自分と同じ年齢や学年の学生たちと一緒に国際問題について議論したり、一緒に学んだりするということを通じて、かなり多くの刺激を受けることが出来ました。特にEUの授業に関してはさまざまなEU諸国の学生たちと共にEUが現在抱える問題やEUの将来について議論することが出来、とても貴重な経験を積むことが出来ていると感じています。また、エッセーについても、英語のアカデミックな文献と格闘しながらかなりのリサーチを行った結果、3つの科目のうち2つの科目についてgood essayという評価を頂くことが出来、ライティングスキルやリサーチのスキルにかなり自信をつけることが出来ました。

サークル活動について

ケント大学はsocietyという、日本の大学でいうサークルの活動がかなり活発であり、スポーツや文化系のものなど多くのsocietyが週に1回を基本としてさまざまな活動をしています。私は現在Japan Society とAnimal Rights Societyの2つのsocietyに所属しています。

折り鶴のワークショップの様子

Japan Societyは日本に興味のある学生と日本人の交流のためのサークルで、毎週1回日本文化体験のワークショップや日本の映画の観賞会などを行っています。実際ケント大学では多くの日本人学生が学んでおり、また私の所属する政治と国際関係学の課程の中に日本の大学で1年間交換留学をするプログラムなどがあるので、多くの学生が日本について興味を持っています。私自身、そのサークルに所属して活動する中で非常に多くの学生が日本について学び、更に日本語を勉強しているということに驚き、改めて日本という国の素晴らしさを発見することが出来ました。また、日本文化を紹介するワークショップの中で、「千羽鶴を折って平和について考える」というワークショップをオーガナイズさせてもらうことが出来ましたが、その際にさまざまな友人たちと広島や長崎の原爆について真剣に語り合ったり、初めて折り紙を折るような人が「平和のために頑張る」と言って一生懸命折り鶴を折ってくれている姿にとても感動しました。結果としてはまだまだ1000羽には程遠いですが、「日本」という国を通して、さまざまな国籍を持つ友人たちと平和について思いを通じ合わせることが出来たという点で、非常に有意義なワークショップとなったと思います。
Animal Rights Societyでは、動物の権利について考えるために数週間に1回集まって映画を見たりデモに参加したりしています。私はまだデモには参加出来ていませんが、機会があれば留学中にぜひ参加したいと思っています。映画については、先日見た映画の中で日本の捕鯨に関するVTRがありました。以前農林水産省にてインターンシップをした際に、捕鯨課で日本政府の捕鯨に対する見解についてインタビューをする機会がありましたが、今回捕鯨に反対するグループが日本の捕鯨についてどう感じているのかを見ることが出来、改めて捕鯨の問題について考えるきっかけとなりました。また、捕鯨の問題以外に関しても、さまざまなバックグラウンドや国籍を持つ友人たちと共通の興味について議論したりすることが出来るということは、とても素晴らしい経験となっていると思います。

留学生活前半を振り返って

一生懸命鶴を折ってくれた参加者と

以上、留学生活前半について報告いたしましたが、最後にイギリスでの留学生活を通じて自分自身が学んだことについて報告したいと思います。
まずは今まで感じたことのない自身の新たな可能性を発見出来ていると感じています。慣れない環境や新しい人々との出会いの中で、今までは出来ないと思って行動に移さなかったようなことに挑戦してみたり、今まで自分が気付きもしなかったような評価を受けることが出来て驚いたりすることがとても多いです。例えばワークショップのオーガナイズなども、今までの自分ではちゅうちょして行動に移せなかったと思いますが、日本について考える中でどうしても平和についても皆で思いを共有したいという強い意志から、千羽鶴のワークショップを実現させることが出来ました。また、今までは自分自身について独創性が欠けていると強く感じていたのですが、こちらに来てから「面白い考えた方をする」や「アイデアが素晴らしい」という評価を受けることがあり、とても驚いています。新しい環境の中で、今まで隠されていた自分の可能性を発見するということは、とても貴重な経験であると思っています。
また、一方でこちらに来て新たな文化の風に触れ、成長出来たことも多くあります。特に、こちらに来てから強く感じているのは、日本人の「集団を尊重する文化」の素晴らしさです。相手の迷惑を考えて気を配ったり、相手のことを考えて行動したりという文化は、日本人の持つ文化の中で最も美しく素晴らしいものであると思います。

Japan Societyのハロウィーン

もちろん個人差はあるのかも知れませんが、日本人には周りの国の人々と比べて、相手のことを考えて行動するということが行動心理の中に深く根付いているように感じます。こちらに来て、このような日本文化の素晴らしさを再発見し、そして今まで以上に自分も相手の気持ちを考えて行動しようと思うようになりました。こちらで知り合った友人が「留学生は一人一人その国の国旗を背負っている」と言っていましたが、まさにそのとおりだと思います。私の行動を見て、さまざまな友人が「日本人はやはり素晴らしい」と言ってくれることを、何よりも光栄に感じています。海外へ出て、自国の文化の素晴らしさを再発見し、そしてその素晴らしい面をより伸ばしていこうと感じるという体験は、まさに留学生活を通じてでなければ得ることの出来ない、貴重なものであると思います。
「留学」という言葉を聞いて、皆様はどのようなことを想像されるでしょうか。「国際的」「コミュニケーション能力の向上」「異文化体験」などほかの人々や文化との交流に関する言葉を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。留学に来る前は、私もそのように考えていました。しかし、実際に留学というのは「自分自身との闘い」「自分自身ともう一度向き合う期間」であると思います。以上に述べたような新たな可能性の発見だけではなく、自分の悪い部分を思い知らされたり、自分の限界に直面したり、つらい思いをすることも多くありました。特に英語に関しては、流暢に英語を話せない、コミュニケーションがまだまだ完全には取りきれないといったように、自分の限界を目の当たりにし、自信を失っていた時期もありました。しかし、同時に「どうすれば課題を克服出来るか」を常に考え、それに向けて一生懸命取り組むことが出来るという自分の良い面についても自信を持つことが出来ました。
大学3年から4年という自分の人生についてしっかり考えなければならない時期に、このように自分自身についてじっくり考える機会を得ることは、自分自身の人生において掛け替えのない、貴重な経験となっていると思います。中央大学ならではの充実した奨学金制度があったからこそ、このような素晴らしい経験をすることが出来ました。心より感謝申し上げます。
次回の報告では、イタリアへの1人旅や留学生活の後半期について報告したいと思います。残りの3カ月間、この留学生活がより有意義なものとなるように日々精進してまいりたいと思います。

草のみどり 245号掲載(2011年5月号)

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