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法学部
【活動レポート】田中 陽一朗 (政治学科2年)

「やる気応援奨学金」リポート(57) カナダ留学で生きた英語学ぶ 自然に触れ環境問題を考える

はじめに

私は、「2009年度前期やる気応援奨学金」の受給生として、8月上旬から9月上旬までの1カ月間カナダのビクトリアに行かせていただきました。ビクトリアは、カナダ西部ブリティッシュコロンビア州の州都で、同州には有名な観光地であるバンクーバーもあります。初めに、留学のきっかけと目的を説明したいと思います。ビクトリア市のインナー・ハーバーと州議事堂私は、アジアを対象にした国際交流サークルに所属しており、昨年の夏に韓国の大学生と交流する機会がありました。しかし、英語を使って海外の学生とコミュニケーションを取ることは思った以上に難しく、自分の意見を上手に伝えられないことに気付かされました。大学には、自らが動けば、海外の教授の講演会や外国人との交流など英語を使う機会がほかにもたくさんあります。そうした中で、生きた英語を習得することは、必須だと思ったのが大きなきっかけです。また、私は環境問題に関心があり、大学2年生からはFLP環境プログラムを履修しています。このことから、この留学の主な目的は、カナダ文化に触れつつ英語力の向上を目指すことと環境問題について学ぶことでした。
以下では、私の体験談とその体験から得たものを報告したいと思います。

大学付属の語学学校

私が今回の留学で選んだ語学学校は、ビクトリア大学付属の語学学校です。この学校は、大学付属の学校なので、私立の語学学校に比べて違う点があります。1番大きな違いは、英語の授業以外にアクティビティーが多くあることだと思います。平日の午前中は、通常どおり英語の授業を行うのですが、午後からはさまざまなアクティビティーがあります。例えば、テニスなどのスポーツ、学生たちがお互いの国の文化を発表し合うカルチュラルナイト、カナダの音楽についてのワークショップなどさまざまです。これらのアクティビティーは、カナダの学生が運営のサポートをしてくれていたので、カナダの学生とも交流することが出来ました。ビクトリア大学のカフェテリアにてまた、テニスコート・図書館・カフェテリアなどの大学の施設を使うことが出来、カナダの大学生の気分を味わうことが出来ました。
しかし、同時に大きな欠点もありました。それは、日本人がとても多かったことです。理由は、ビクトリアが日本人に人気であり、日本人の行きやすい時期であったということもありますが、ビクトリア大学自体が日本の大学と提携していることにありました。どの形式の語学学校も一長一短だと改めて感じました。
ところで、私の語学学校での生活についてですが、寝場所から勉強する教室まですべて大学の施設内にあるので、平日は基本的に大学の敷地内にいることが多かったです。1日の流れとしては、朝8時30分から12時30分まで英語の授業を受けます。その後、カフェテリアでクラスの友達と昼食を取り、午後のアクティビティーに参加します。夜は、夕食後でもカナダの夏は日が長いので、スポーツや宿題をして過ごしました。とても健康的で充実した毎日を送ることが出来ました。

カナダ西部の自然

今回の留学の目的の1つに、環境について学ぶというものがありました。そこで、私は土曜日・日曜日などを使って、自然に触れてきました。
残念ながら時間と地理的都合上、世界的に有名なカナディアンロッキーやカナダ東部に行くことは出来ませんでしたが、ビクトリア市のあるバンクーバー島東部の大自然を満喫することは出来ました。具体的には、ナナイモ・ニューキャッスル島・ダンカン市の自然保護区・スプリングアイランド島などに行きました。どの場所にも、広大な自然が広がっており、ほかの人と遭遇するより、リスやウサギなどの小動物に遭遇することが多かったです。特にニューキャッスル島は、島全体が州の海洋自然保護区に指定されているので、電線や道路などの人工的な物をほとんど見ることがなかったです。また、バンクーバー島以外にも、2010年バンクーバー冬季五輪のジャンプスキーの会場であるウィスラーに行きました。ウィスラーには、ウィスラーマウンテンとブラッコムマウンテンがあり、初心者向けのコースから経験者向けのコースまで数多くのトレールコースがありました。私はそのうちの幾つかのトレールコースを回りましたが、ほとんど舗装されていない所もあり、危険を感じつつも、本当の自然を肌で感じることが出来ました。ほかにも、バンクーバー五輪のシンボルである大きなイヌクシュクをウィスラーマウンテンで見ることが出来ました。イヌクシュクとは、カナダの先住民族が、石を人の形に積み重ねて作ったオブジェであり、大平原の旅をする時の道標であったり、その土地に来た人々を歓迎するなどの意味があるそうです。
次に、現地で参加したホエールウォッチングについて紹介したいと思います。私は、語学学校のオプショナルのプログラムでホエールウォッチングに参加しました。私が参加したホエールウォッチングで乗った船は、モータボート型で、スピードは速く、強く揺れました。その一方で、海面にとても近いため、ツアーの間終始広大な海を感じることが出来、とても感動しました。所要時間は約3時間ほどでしたが、シーライオン・シャチ・クジラなど普段は見ることの出来ない動物を見ることが出来ました。しかし、残念なことに、シャチ・クジラに関しては、背びれ・尾びれしか見られませんでした。これは、不運だったこともありますが、クジラの生活とも大きく関係しています。クジラは休むために北上し、カナダ近海に現れるので、カナダ近海にいるクジラは比較的穏やかだそうです。逆に、メキシコ近海では、子育てなどをするので、もっと活発なクジラを見ることが出来るそうです。機会があれば、メキシコ近海のホエールウォッチングにぜひ行きたいと思います。

環境NGOでのインタビュー

先にも述べたように、私の目的の1つに環境について学ぶというものがあったので、語学学校終了後に、現地で環境問題に取り組んでいるNGO団体にインタビューに行きました。そのNGO団体の事務所は、バンクーバー市郊外のラングリーにあります。バンクーバーのダウンタウンからはスカイトレイン(電車)とバスで約2時間近く掛かるのですが、バンクーバーのダウンタウンから近いと思っていた私は先方に具体的な行き方も尋ねず、現地まで行こうとしていたので、行くまでにとても苦労しました。幸いインターネットで世界中の交通手段を検索することが出来るので、このNGOまでの行き方を調べることが出来ました。当日は、バスの運転手や町の人に道を尋ねながら、何とかたどり着くことが出来ました。
さて、私がインタビューをしたNGO事務所は、Langley Environmental Partners Societyと言います。ここでは、NGOの職員からの説明とインタビューをした内容を簡単にまとめておこうと思います。以下NGO職員の話の一部を要約して紹介します。

活動について

このNGOは、大きく分けると5つの活動をしています。

インタビュー先のNGOのオフィスにて

  1. バンクーバー地域の水の流れの調査。このNGOでは、バンクーバー地域の地下水や雨量を調査しています。バンクーバーの多くの家庭では、小型のスプリンクラーを設置しており、各家庭での水の消費が著しいです。水の過剰な使用を防ぐため、このNGOでは各家庭に手作りの節水装置を配布しています。
  2. 環境教育。子供たちに、本やビデオを使って、環境問題についての知識を深めています。
  3. フリーターやニートの社会復帰を支援。これは、環境保護活動を通じて、フリーターやニートの人々の社会復帰を支援します。
  4. 地域の人々に対する環境問題についての啓発活動。例えば、道路などに黄色いサーモンを描きます。これは、サーモンが危機的な状態にあるという意味で、市民に警告する効果があります。
  5. 地域の人々と交流。このNGOでは、地域の人々に土地を貸して、野菜などを自由に育ててもらっています。

カナダの環境保護について

カナダには、絶滅危惧リストがあります。特に北極グマが、近年深刻な状況です。それは、地球温暖化の影響によって氷が解け、今や住む場所が年々少なくなっているからです。ビーバーやサーモンも、産業の発展や生のサーモンを食べる食文化などの人間の活動によって、激減しています。また、ジャスパー(カナダ西部ロッキーマウンテンの近くの都市)ではクマと列車の交通事故が起こるそうです。
その一方で、私たちは生物の多様性を尊重し、動物保護を進めています。サーモンの例では、養殖などの人間の保護活動によって、生態系を維持しています。最近では、都市開発計画の中でも野生動物に配慮しており、今の私たちには環境を考える心の余裕があります。カナダの場合、州単位で動物に関する法や計画を進めているので、州立公園や国立公園のモニタリングや保護活動のシステムがとても整っています。重要なことは、州政府と連邦政府がうまく連携をして動物保護に取り組むことだと思います。
ちなみに、カナダでは政府がNGOに対して、多くのサポートを行っています。直接的な支援でなくても、多くの機関や基金などが間接的にNGOの活動に対して支援をしています。私たちもその恩恵にあずかっています。

活動によって得た成果

今回の留学の成果は、大きく分けて4つあります。
まず、当然のことですが、英語力が向上したことです。特に、海外で生活するのに必要な英語力が身についたと実感しました。もちろん語学学校の授業の成果でもありますが、土曜日・日曜日に、ツアーではなく、積極的に自分で計画を立て、行動したことが大きいと思います。「やる気応援奨学金」の制度もそうだと思いますが、自分で計画を立て、それを実行することは、決められたプランで行くよりも自分が大きく成長します。なぜなら、自分で計画をすると、どうしても計画どおりに進まないことが多々あるからです。その時に、どう対処していくかがとても重要なことです。私の場合、初めての町を訪れた時は、観光案内所の人に場所を尋ねたり、町の人やお店の人とその町について話したりしました。また、私は大学の寮で生活をしていたので、海外の友達とスポーツや食事などで一緒に過ごす機会がたくさんあり、会話をする機会がたくさんありました。会話練習ではなく、本当の会話が英語力を向上させたのだと思います。日本ではこういった機会はめったにないので、現地に行くことによって大きな成果を上げることが出来たと感じています。

ダンカン市内にあるトーテムポール

第2に、カナダの文化に触れることが出来たことです。ビクトリア大学では、午後にワークショップなどのカナダについて知る機会がありました。私は、カナダの音楽についてのワークショップに参加しました。また、ダンカンというカウチン族の居住地のすぐそばにある町やブリティッシュコロンビア博物館に行きました。ダンカンには、40を超えるトーテムポールが建てられています。駅を降りれば、一面にトーテムポールを見ることが出来ました。トーテムポールは、先住民族の死者を弔うための記念碑や自然との共生を表しているそうです。
第3に、さまざまな文化的背景を持つ国の人々と交流出来たことです。最初にも述べましたが、私はアジアで国際交流をするサークルに入っており、アジアの人たちと交流する機会は多くありますが、欧米の人々と交流する機会があまりありませんでした。カナダ西部では、この機会を持つことが出来ました。ちなみに、私の語学学校での友達の国籍は、スペイン・ドイツ・イタリア・コロンビア・メキシコ・サウジアラビア・中国などです。本当にさまざまな人と交流が出来たと実感しています。
最後に、カナダの環境問題について学べたことです。最も大きな収穫は、バンクーバー市内にあるNGOへのインタビューです。私は話す方に自信はなかったので、インタビューに行く前はとても緊張し、しっかり話すことが出来るか不安でしたが、NGOの職員の方は、とても親切で丁寧に説明してくれたので、予定時間を大幅に超える充実したインタビューになりました。私にとって、更に大きな自信になりました。

終わりに

今まで述べてきたように、語学学校で知り合った仲間やNGOの職員の方など多くの人々との交流によって、今回の活動ではさまざまな発見があり、実りのあるものになりました。私は、今回留学することが出来て、本当に良かったと思います。お互いの文化の違いから理解に苦しむこともありました(例えば、チップの習慣など)が、多くの場合は相手に共感出来、やはり同じ人間なのだと感じました。なぜ世界では、同じ人間同士がいつまでも戦うのでしょうか。短期の留学でしたが、さまざまな文化の人々と交流する間にふっと思いました。また、人間の配慮の足りない活動によって進行する環境問題。カナダでのNGOのインタビューを通して、1人1人が小さなことでも環境問題について考え、行動することの大切さを知りました。この留学から、私は日本や海外で、NGOでのボランティアまたはインターンを残りの大学生活でしたいと思います。
最後になりましたが、このような貴重な経験を可能にしてくださった先生、両親、先輩方や友人、「やる気応援奨学金」の関係者の皆様に感謝をしたいと思います。

草のみどり 231号掲載(2009年12月号)

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