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法学部
【活動レポート】若松 絵美莉 (法律学科3年)

「やる気応援奨学金」リポート(50) アメリカで国際関係学学ぶ(上) さまざまな人種の人々と共に

はじめに

私は、現在、「やる気応援奨学金(長期海外研修部門)」の御支援を頂き、アメリカテネシー州の東テネシー州立大学で、交換留学生として留学生活を送っています。大学のあるジョンソンシティーという都市は、アパラチア山脈に囲まれた、本当に何もない所です。車もないので最初は生活に不便を感じていたのですが、今ではこの自然の中での生活にも少しずつ慣れてきました。今回は前編として、留学に至った経緯と秋セメスターまでの大学生活について御報告したいと思います。

留学までの経緯

私は以前から国際機関での仕事に興味を持っていて、将来は世界の平和構築にかかわる仕事がしたいと考えています。一昨年の夏に、国際インターンシップの授業を受講し、スイスのジュネーブにある国際労働機関(ILO)の本部で研修を行った際、世界で活躍する国際公務員の方々のお話を伺い、語学力を向上させ、より自分の視野を広げる必要性を感じました。また、一昨年の11月に国際協力機構(JICA)のプログラムである「アジア・アフリカ地域地方行財政」というセミナーにオブザーバーとして参加し、アジア・アフリカからの参加者のディスカッションやプレゼンテーションを聴講した際、自分が今まで訪れたことのない国の人々と交流し、またその国々が抱えている問題を知ったことで、自分がいかに狭い世界にいるかということを痛感しました。これらの経験を通じて、自分が専門としている国際関係学をさまざまな人種の人々と学びたいと思い、長期留学を決意しました。

多くのアメリカの大学では、法律系の科目は大学院レベルとされているそうですが、中央大学の協定校である東テネシー州立大学のDepartment of Political Scienceでは、政治系の科目だけでなく、国際関係や法律系の科目も提供されています。法律、政治両方の側面から国際関係を勉強したいと思っていた私には、このカリキュラムは最適だと思い、東テネシー州立大学を留学先に選びました。

トラブル続きのスタートと寮生活

留学のスタートは、トラブルの連続で本当に大変でした。まず、フライトが2時間以上遅れ、3度の乗り継ぎを経て、予定より1時間遅れてテネシーの空港に到着しました。更に、3度の乗り継ぎの際に私のスーツケースはどこかへ消えてしまい、手荷物のみで大学へ向かうことになりました。

また、留学中は、大学内の寮に住むことにしていたのですが、初日はスムーズに寮に入ることが出来ず、色々な課をたらい回しにされ、1時間後にようやく寮に入ることが出来ました。更に初日は、シャワーのお湯が出ず、シーツやブランケットのないベッドで自分の荷物もなしにとても寒い夜を過ごすことになりました。しかし、次の日には無事にスーツケースも届き、ルームメートも入寮し、いよいよ寮生活が始まりました。

友達の誕生日会

私の寮は、450人ほどの学生が住んでいる男女共同の寮で、1年生や私と同じような留学生が多く住んでいます。部屋は机といすとベッドとタンスとクローゼットが備え付けられているだけです。私はルームメートと2人で住んでいますが、仕切りも全くありません。私はこのような環境ではなかなか勉強に集中することが出来ませんでした。また、ルームメートとどのようにコミュニケーションを取って良いか分からず、最初はルームメートとの関係で悩むことも多くありました。しかし、秋セメスターでは彼女と大きなトラブルもなく、次のセメスターも一緒に住む予定です。

また、寮では同じ留学生の友達をたくさん作ることが出来ました。彼らとはお互いについて語り合ったり、一緒に食事をしたり、部屋で映画を見たり、旅行に行ったりと多くの時間を共に過ごしています。

食生活とアメリカの病院

私は普段、キャンパス内にあるカフェテリアで食事をしていたのですが、ここのカフェテリアはお世辞にもおいしいとは言えず、メニューもハンバーガー、ピザ、サンドイッチしかありません。最初はそれでも毎日食べていたのですが、2カ月後くらいに体に異常が出てきました。口の周りが乾燥し赤くはれ、日に日にひどくなっていきました。最初はすぐに治るだろうと思っていたのですが、ひどくなる一方なので大学内のクリニックに行くことにしました。しかし、クリニックの医師も何が原因かよく分からなかったようで、のどのバクテリンの検査など色々と検査され、しまいには大きな注射をおしりに打たれ、その日はアイスパットをおしりに敷いて授業を受けるという事態になりました。友達と日本食レストランへ薬も処方されましたが良くなる気配はなく、ステロイドまで処方され、初めて日本に帰りたいと思った瞬間でした。その後、カフェテリアの食事が原因なのではないかと言われ、カフェテリアでの食事を避けるようになり、少しずつ症状は良くなりました。今では完全に治りほっとしています。この体調不良とアメリカの病院での治療でかなりつらい思いをしたのですが、周りの方が心配してくださり、とても助けられました。大学の日本人の教授は、食事が原因だと言うと、次の日に炊飯器を買ってきてくださり、これで自炊するようにと言ってくださいました。たくさんの人に支えられての留学だと、改めて実感しました。

アメリカでの勉強

留学前、アメリカの大学生はみんな想像以上に勉強すると言われていましたが、ここの学生については一生懸命勉強している人は少ないように感じます。図書館に行っても、熱心に勉強しているのはほとんどがアジアからの留学生です。アメリカ人はと言えば、毎週木曜の夜にはミニスカートにキャミソールでクラブに出かけていき、金曜の午後には実家に帰ってしまうという印象で、最初は彼らの行動に軽くカルチャーショックを受けました。しかし、図書館ではまじめな学生が一日中机に向かって勉強していますし、授業では、専門的な科目を履修したため、熱意を持った学生と共に学ぶことが出来ました。そういった学生に励まされ、私も自分のするべきことを頑張ろうと思い、勉強に励むことが出来ました。

授業では、すべての科目で毎回大量のリーディング課題が出され、更にリサーチペーパーやエッセイの提出があり、何時間も図書館にこもって勉強する日々の連続でした。大学の図書館は大抵夜11時まで開いていて、図書館の横には24時間勉強出来るLate Study Roomがあります。私は自分の部屋ではなかなか集中して勉強出来なかったため、このような環境はうれしく、試験や課題提出前にはLate Study Roomで夜中まで勉強しました。また、大学にはライティングセンターがあり、エッセイやペーパーの指導をしてもらえます。私もすべてのエッセイやリサーチペーパーを添削してもらいました。しかし、ここのスタッフは大抵が学生のアルバイトです。きちんと指導をしてくれる人もいるのですが、文法ミスの指摘だけなど満足の行かない時もあり、友達の中にはライティングセンターを利用しないという人も多くいました。私の場合は、ライティングセンターの添削の後、同じ授業を履修している友達や英語の授業の教授にエッセイを見てもらうようにしていました。

私が秋セメスターで受講した科目は以下の5つ、①Introduction to American Government②Introduction to World Politics③Peace Security and Development④English as Second Language⑤English as Second Language Labです。秋セメスターは政治系の科目を多く履修しました。Introduction to American Governmentは、アメリカ政治の授業で、Governmentとは何かから始まり、アメリカ憲法や連邦制、大統領制など、基本的なアメリカ政治の制度を体系的に学ぶことが出来ました。この授業は1、2年生向けの授業で、人数は40人ほどと、私の履修したクラスの中では比較的人数の多いクラスでした。Introduction to World Politicsは国際政治学の授業で、30人程度で行われる授業でした。この授業の教授はDepartment of Political Scienceの学部長であり厳しいと有名でしたが、教授は私にとても良くしてくれました。オフィスアワーに何度も教授を訪れ、授業で聞き取れなかった個所や教科書の理論が理解出来なかった個所を説明してもらいました。教授は分からないところはいつでも質問に来るように言ってくださり、授業も分かりやすく、私の1番のお気に入りの授業でした。授業の最後には、モンゴルの大使の講演会もあり、非常に興味深かったです。また、専門科目のほかに、英語の授業を2つ履修しました。1つはライティングを中心としたクラスで、もう1つは会話を中心としたクラスでした。アメリカでは、リサーチペーパーの書き方などがきちんと決まっているため、エッセイやペーパーの書き方をきちんと身につけたいと思い履修することにしました。また、クラスではプレゼンテーションも行う予定だったので、会話の授業も追加して履修することにしました。

前期私が最も苦労したクラスが、Peace Security and Developmentです。このクラスは3、4年生向けのクラスで、人数は20人程度でした。この授業では、人間の平和、安全保障に関する問題について学び、これらの問題をよりグローバルな視点で考える力を養うことを目的としていて、授業の内容は、①核拡散②人口増加、貧困、環境③国際政治経済とグローバリゼーション、の3つのユニットで構成されていました。私には少しレベルが高いかも知れないと思っていたのですが、平和構築や安全保障は私が最も興味のある分野なので履修を決意しました。しかし、初回の授業でいきなり原子爆弾開発プロジェクトの指導者であるロバート・オッペンハイマーのドキュメンタリービデオを見せられ、内容も理解出来なければ教授の意図も理解出来ず、不安に駆られました。このクラスはほかのクラスと大きく異なっていて、教授はほとんどレクチャーをしません。その代わり、毎週数100頁の教科書や資料のリーディング課題が出され、授業ではテーマに関連するDVDを見て、その後、DVDについての議論をするという形式でした。最初は何をノートに取って良いかも分からないし、DVDの内容もきちんと理解出来ず、議論には当然付いてもいけず、立ち往生といった感じでした。しかし、課題のリーディングをこなし、シラバスで今日のトピックを毎回確認することで、少しずつ授業を理解することが出来るようになりました。この授業では教授がラテンアメリカ専門ということもあり、最後のユニットではメキシコや南米の経済状況について勉強しました。日本でラテンアメリカについての勉強をしたことがなかったのでとても興味深かったです。また、DVD中心の授業だったためか、非常にアメリカ視点の授業で、私には新鮮で新たな発見が多くありました。試験はエッセイでしたが、教授が試験前にあらかじめ大事なポイントの問題提起をしてくださったので、勉強しやすかったです。留学生仲間とNY旅行それでも、リーディングの資料、授業で見たDVD、授業中の議論、たまに行われる教授のレクチャーをすべて踏まえた上でエッセイを書かなければならないため、復習には本当に苦労しました。また、80分で3つのエッセイを書かなければならなかったため、時間内に文法ミスをせずに量も内容もあるエッセイを書くのは大変でした。私がいつも不安そうな顔をしていたせいか、私は授業中にいつも教授に冗談を言われていて、試験前の授業でも「ちなみに試験は日本語ではなく、英語だからね」と言われ、みんなに笑われました。しかし、試験後教授に「君のエッセイはほかのアメリカ人よりよく書けていたよ」と言われた時は本当にうれしかったです。この教科では、試験のほかにも、3冊の本を読んで、それらの意見を比較しながら10枚のリサーチペーパーを書くという課題もあり、徹夜も何度かし、本当にハードなクラスでしたが、このクラスでAを取れたのは自分がこのセメスターで本当に努力した結果だと思うので、大きな自信にもなりました。

日本文化会

東テネシー州立大学には日本語を履修している学生によって運営されている、日本文化会というものがあります。秋セメスターでは、日本の映画や音楽を学んだり、日本のゲームをしたり、日本食を作ったりと毎週さまざまな企画がありました。私も時間を見付けてハロウィーンパーティーなど色々な企画に参加しました。また、日本の大学への留学説明会では、中央大学についての紹介をしました。ほかにも、ほかの日本人学生と一緒に日本の音楽についてのプレゼンテーションもしました。

日本文化会

日本文化会では、友達もたくさん出来ました。中でも、一番仲良しのアメリカ人の友達は、日本の文化や日本人の考え方が好きと言ってくれ、随分励まされました。私はアメリカに来た当初、ほかの人に対して自己表現が出来ずに悩んでいる時期がありました。アメリカ人には相手にされず、ほかの留学生からも、日本人は物事をはっきり言わないから理解するのが難しいと何度も言われ、落ち込む日がたくさんありました。しかし、彼女から日本人の他人を重んじる考え方や協調性を大切にする精神は良いことだと思うと言われ、日本人という自分に自信を持つことが出来ました。きちんと自分の主張を言うことは大切なことだけれど、彼女の言葉から、日本人らしさも大切にしていこうと前向きに考えられるようになりました。

テネシー州の印象

最後に、私のテネシー州の印象をお話ししたいと思います。私は、今までたくさんの国を訪れたことがあり、アメリカで短期間ですが生活したこともありました。しかし、今回の留学で初めて、自分の人種について考えさせられました。テネシー州は白人が約80%、黒人が約15%と言われています。大学にはさまざまな人種の学生がいますが、多くは白人同士、黒人同士で行動しています。テネシー州に来て初めて、私は白人ではない、と感じました。昨年の大統領選挙ではオバマ氏が初の黒人大統領となりましたが、私の周りではマケイン氏を支持する人の方が圧倒的に多かったように感じます。こちらでの生活環境では、差別とまではいきませんが人種をとても意識させられます。メンフィスなど、ほかのテネシーの都市では更にひどい環境であると聞きました。これはとても悲しいことだと思います。最初はこのような環境にひどく落ち込んだのですが、たくさんのことを考えさせてくれる貴重な体験だと思っています。

後期に向けて

前期はこちらでの生活に慣れることや授業に付いていくのに必死で、あまり活動の場を広げることが出来ませんでしたが、後期は積極的に大学の講演会などに顔を出したいと思っています。また、授業では、ただ良い成績を残すことを目標とするのではなく、もっと積極的に参加出来るように努力し、より詳しい御報告が出来たらと思います。

草のみどり 224号掲載(2009年3月号)

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