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法学部
【活動レポート】齋藤 直哉 (法律学科1年)

「やる気応援奨学金」リポート(90)
 フィリピンへ留学し英語学ぶ 更なるやる気で人生の転機に

はじめに

 このリポートでは、私の二〇一二年八月一八日から九月一七日にわたる一カ月間の研修がどのようなものだったのかを想像しやすいように、時にはユーモアを交えながら説明したいと思います。また留学前の道のりについても若干触れたいと思います。なるほどこんな経験がたったの一カ月で出来るのかと思っていただければ幸いです。

留学の動機

 私が留学したいと思い始めたのは大学受験生時代からでした。受験生の頃は、受験科目の要である英語を勉強することに抵抗は感じなかったですし、成績も人並みでした。しかし、ある時ふと思ったのです。「死刑や原発の賛否について一五〇語ぐらいの英作文を書いたり、英語の細かい文法事項を学んでいたりするのに、それらを全然生かしきれてない。これでは受験や資格試験に合格するためだけの勉強だ」。そこで、「今英語を勉強しているのは将来海外で使うためにしているのだ。留学を通じて勉強の成果を試そう」。そう捉えて勉強の動機付けにしたのです。

 そして二〇一二年四月、私は中央大学に入学しました。新入生歓迎イベントや履修相談などはそっちのけで真っ先に中央大学での留学手段を探しました。そこで出会ったのがこの「やる気応援奨学金制度」でした。やる気さえあれば、飛び切り高い英語能力の持ち主でなくても支援するという制度です。エントリーに必要なのは動機・目的、現地での計画、受け入れ先機関の特徴、そしてこの計画全体が将来像にどのようにかかわるのかを英語でまとめることです。また旅行代理店を用いてはならないという条件がありました。つまり、語学学校やボランティア団体とやりとりしたり、ビザを取得したり、航空券を取ったりするのはすべて志願者がやらなければならないということです。

 当時、私はNGOやNPO、国連職員など国際的な舞台で活動したいと思っていました。そのためには「世界における貧困」とはいかなるものなのか、実際に目で見て肌で感じる必要があると考えました。また英会話を通じて、苦手だったリスニングやスピーキングの力を養おうと思いました。この二点を踏まえて考えた結果、頭に浮かんだ国がフィリピンでした。

語学学校

 今回、私はセブ島に一カ月滞在しました。セブ島はフィリピン中部のヴィサヤ諸島にある島で、南北に二二五㌔にわたって延びる細長い大きな島です。その中でも中心都市のセブ市にあるUSP-ESLという語学学校に通いました。ここを選んだ理由としては、①マンツーマンの授業が中心であり、TOEICやTOEFL対策の授業が無料で受講出来るなど学習面でのサポートが手厚いこと②危険地域から離れている上に学校から寮までの距離が近く安全だったこと③巨大なショッピングモールが近くにあり、買い物に便利だったことが挙げられます。

 さて、実際にこの語学学校に通って得た成果とは何なのか。一言では言い表せないけれども、確実に言えるのは英語力の飛躍です。語学学校では基本的に一〇〇分授業三つ(グループクラスが一つ、マンツーマンクラスが二つ)でしたが、空き時間に更に無料の授業が選べたのでCNN student newsを聞き、それを要約する授業を選択しました。夕食後のTOEIC対策授業や宿題に掛ける時間を合わせれば、毎日六〇〇分は勉強していました。

語学学校の仲間たちと共に
語学学校の仲間たちと共に

 授業内容も充実していました。英語を使って手紙や履歴書の書き方や就職面接の受け方を学んだり、ほかには死刑、レイプ、万引き、離婚、麻薬、尊厳死・安楽死、同性愛などの社会問題に関する文献を読み議論したり、Extemporaneous Speakingといって思い付いたことを瞬時にその場でスピーチしたりと、とても新鮮で刺激的な日々を送れました。

 最後の授業日には年に四回開催されるcreative writing contest/story telling contestが運良く行われ、もちろん出席しました。コンテストの内容は初めに各々違うテーマが生徒たちに与えられ、それについて制限時間二〇分以内に創造的な話を作り、それを聴衆の前で発表するというもの。この機会をセブ留学の成果を示す集大成と考え、ベストを尽くし優勝した時には達成感に浸りました。

音楽を通じたボランティア

 発展途上国の現状を知るために私が選んだボランティア団体はNPO法人セブンスピリットです。ここは毎週土曜日の午前にセブ市内のスタディーツアー(ごみ集積場や差別地域)を実施し、午後にストリートチルドレンのために食事作りと音楽教室を行っている団体です。音楽教室といっても、まだ活動初期段階でしたので合唱がメーンでした。

 最初に音楽教室に参加した際、真っ白なTシャツを着ていったために、ストリートチルドレンと触れた後真っ黒になってしまったことは思わぬ体験でした。頑張った勲章として、家に保管してあります。

音楽教室後の記念撮影
音楽教室後の記念撮影

 このボランティア活動の中で、一番鮮明に覚えていることといえば、ストリートチルドレンに元気を与えるというよりはむしろたくさんの元気をもらったことです。両親から見放されて生活している子が大半で、優しさを求める子が非常に多かったと思います。青空教室に来ると彼らはすぐにおんぶをするよう求めてきたし、役員が帰る用意をしだすと彼らはこぞって、お礼とお別れの挨拶をしに来てくれました。とても活発だったことはやはり忘れられません。おかげで音楽教室の翌日は筋肉痛になるのが当たり前でした。

 私がこの音楽教育に携わって一番うれしかったことは、仲良くしていたストリートチルドレンの一人がこの教室に来るようになってから、シンナー依存症からの脱出に成功したことです。これは日本に帰ってきてから教えてもらったことですが、少しは成長に貢献出来たのかなと思える瞬間でした。

セブでの寮生活

 寮生活を振り返ると楽しい経験と同じくらいつらい経験もしたのかなという気がします。初めは台湾人や韓国人と友達になって国際交流って本当に楽しいのだなと胸にひしひし感じていたのですが、風邪を引いた時や寮の食事に嫌気がさした時は正直に言ってホームシックになりかけました。二回も風邪を引いたのですが、そのうちで一回三九℃を超えた時はパニックになりましたし、伝染病の疑いを掛けられたので病院で検査を受ける羽目になりました。しかもかん腸です。

 そうはいっても、病院に連れていってくれたのも、体温計を何度も貸してくれたのも、お菓子や栄養ドリンクを差し入れしてくれたのもすべて寮の仲間でした。彼らはまたセブの危険な地域や主な暮らし方を教えてくれました。日を重ねるごとに、寮の仲間と親睦を深め、感謝するようにもなりました。彼らは今でも大事な友人ですし、出会いに恵まれたのも寮生活のおかげだと思っています。

帰国後の成果

 語学学校で学んだ成果はフィリピンだけではとどまりませんでした。中央大学ではもともと週に四つ英語の授業(リーディング二クラス、リスニング・スピーキング二クラス)を履修していましたが、このうちのリスニング・スピーキングのクラスの方で明らかに授業が受けやすくなりました。発言の機会が増えたことに加え、先生が言わんとしていることを多少なりとも理解出来るようになり、何といっても英語で話そうと工夫するようになりました。

 成績向上は英語能力試験にも顕著に出始め、帰国後に受けたTOEICの試験で入学時よりも点数が一二五点伸びました。特に聞き取りの伸びが大きかったです。もっとも英語力はそれを維持することが大変なのであって、やらなければすぐ落ちることを認識しておく必要がありますが。

転機

 英語力が伸びたこと。研修の成果として目に見えるのはこれかも知れない。しかし、この研修で得た最も大きな成果は進路変更でした。進みたい道が一八〇度変わってしまったのです。

 自分の全人生を考えた時、ボランティア活動だけに自分をささげるのは性に合わないと、音楽活動を通じて悟りました。理屈で説明するのは難しいのですが、直感でそのように感じたのです。

 周りからの影響も大きかったです。海外では大抵の人が口をそろえて次のように聞いてきました。「君の専攻は何ですか」。私は一応法律だと答えましたが、正直春学期の大学生活で学んだことが乏しくて話を発展させることも出来なければ、知識を披露することも出来ませんでした。非常にもどかしかったです。更に、グループクラスの生徒はみんな私よりも年上で専門を持っていました。例えば、エンジニアであったり歯医者であったり。世界において英語を話せるだけでは通用しない。それなりの専門を持っていないと全く評価されないのだと知りました。このような環境で一カ月生活をしたので、法律を学びたい気持ちと法曹になりたい気持ちが次第に高まりました。

 入学当初はあまり法律を深く学ばない、「なんちゃって法学部生」になる予定でしたが、フィリピンへの短期留学で法学部に入学した意味を見いだすことが出来、法曹の道に進むためにも法律と真剣に向き合っていく決心を固めました。

おわりに

 「やる気応援奨学金制度」に出会えて光栄でした。前期に応募する一年生は比較的少ないのですが、すぐにでも成果を出したいといった気持ちや進路を決めたいといった気持ちが自分を奮い立たせました。特に、これから法曹を目指す自分にとって一年生の夏にこうして海外で勉強出来たのは大きな財産ですし、上級生になっては難しいことだと思っています。海外で勉強するのはもろ刃の剣でもあり、法律を学ぶ機会が減ってしまうからです。

 留学を経て更に興味や関心が深まったというのが普通なのかも知れません。ただこうして気が変わったことを「やる気応援奨学金」にかかわる先生には肯定していただきました。君のちょっとしたやる気が、方向は違えど、更なるやる気を生み出したのだから、これこそが「やる気応援奨学金制度」の趣旨であると。

 ちょっとしたやる気を見逃してはならない。青二才が言うのも大それたことですが、人生の秘けつとはもしかしたら「やる気の連鎖」なのかも知れません。このように悟ることが出来たフィリピンへの短期語学研修でした。

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