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法学部
【活動レポート】松澤 奈々 (国際企業関係法学科4年)

「やる気応援奨学金」リポート(87)
 留学生活体験し広い世界知る イギリスで国際関係論を学ぶ

はじめに

 この度二〇一一年八月から一年間、中央大学法学部より「やる気応援奨学金」を受給し、イギリスのブライトンにあるサセックス大学へ留学し一年次のゼミより専攻していた国際関係論を学ぶと共に、スイス・ジュネーブの国際連合欧州本部で国連研修会に参加してきました。

 サセックス大学では、Global studiesとEU:European politics and governanceに重点をおいて勉強し、世界規模での安全保障や開発・発展について考察を深めました。私が留学中に一番履修したかったEUの政治学の授業はヨーロッパ全土から学生が集まっていてとても真実味に富んだ授業でした。未来のEU像を描くのは自分だ!というようにどの学生も積極的にゼミや講義で発言していました。やはり日本でEUについて勉強するのとは違い、イギリスで勉強することによりとても現実に沿った机上の空論ではない勉強をすることが出来ました。

 ゼミでは、ゼミ生としての貢献度が最重要課題でした。絶対に発言するという意気込みで行くことが絶対条件です。そのため、ゼミは下準備をしないと付いていけませんでした。なお、プレゼンテーションの機会もたくさんありました。プレゼンテーションを通して、知識の定着を図り、自分の持っている知識をまとめてアピールをする練習になりました。どの授業でも留学生扱いは一切されないので毎授業が闘いでした。しかしながら、チューターが勉強の相談に乗ってくれるため、勉強に対して前向きであればサポート体制を十分に利用出来ます。尋常ではない予習量、そして予習したのにもかかわらずゼミで発言を逃した時のふがいなさ。毎日がチャレンジの連続。つらく悲しく、なぜイギリスに来たのかと後悔する日もありましたがすべては未来への投資と受け止め、がむしゃらに前進した一年でした。また、授業を通して批判がいかに学問の上で重要であるかも知りました。イギリス人教授いわく、長年色々な人種を教えてきて、アジア人は特に批判することを恐れる風潮があることが分かったとのことでした。批判的思考力を高めることは、互いに批判することで客観的に物事を考え、自分の意見を確立するのに役立ち、論文を書く上でも非常に大事であると教えられました。

 そんなイギリスの授業ですが、週八時間しかなく中央大学法学部国際企業関係法学科と比較すると授業数は非常に少なく感じました。つまり、自分で研究を進める自主研究が主ということです。イギリス人はよく本を読む国民だと広く知られていられますが、自主研究の重視により、図書館で本を読む人が非常に多く、六法全書のような分厚い本をたくさん借りて通読している姿がよく見受けられました。そのように本を何冊か読み批判的に考察し比較して違いを比べ、一つのソースに頼らないで研究することが徹底出来ました。また、プレイジャリズム(剽窃)はアカデミックな世界では非常に重大な犯罪だということを徹底的にたたき込まれました。論文制作においては、事細かに参照文献に記載が必要です。そのため、どこに根拠があるのかをしっかり書く習慣が出来ました。プレイジャリズムについてはプレセッショナルコースという通常授業前に行われる留学生用のイギリスのアカデミックカルチャーを学習するコースで嫌というほど教わりました。それも学問に対する敬意があるからこそたたき込まれたのだろうと理解しています。その影響からなのか、二四時間空いている図書館で夜な夜な勉強している際にふと膨大な量の図書館の書籍を目にした時、自分は過去の遺産の下勉強しているのだと再度実感し、先人に感謝の念を覚え、学問に対する敬意がふつふつとわいてきて自分の勉強態度を改めることが出来ました。

 今後留学しようと考えている人たちへのアドバイスとしては、先ほど述べたようにイギリスと日本ではアカデミックカルチャーが異なるため、日本人が少ないという条件が付きますが、学期が始まる前に行われるプレセッショナルコースに行くことをお勧めします。通常授業が始まる前に世界中から来た英語を第二言語とする仲間が増え、学校周辺の地の利も分かり、生活用品をそろえるなど新学期に落ち着いた行動が取れてストレスが少なく勉強に集中出来るからです。

学生たちの人種の壁を越えて

 サセックス大学には世界各国から学生が集まっています。そのため、キャンパスは世界の縮図のようでした。チベット人留学生や台湾人留学生と対立する中国本土から来た学生の間の確執など目の当たりにし、普段ニュースでしか見ることのない構図に頭を悩ませる日もたくさんありました。けれども、国際交流や外交を考える良い機会になりました。普段は、外務省に任せきりで自分事でなく他人事としてとらえ、自主的に動こうとは思わなかったのですが、自分が日本を代表して来ているんだと考えると一つ一つの国と国との問題を平和に解決する方法や対策を考える良い練習にもなりました。歴史問題や領土問題を抱える国同士の者でも友達になり、平和に問題解決が出来ることを共に祈りました。

 付いていくのがやっとの授業もあり、図書館で徹夜した日々。しかし、夜中の図書館は何ともいえぬ連帯感があり、今となっては良い思い出でいっぱいです。それぞれの課題に向かって深夜皆で勉強したことは日本では味わえない経験で、目と目でアイコンタクトを取り、エールを送り合ったり、たまに息抜きで全く接点のない者同士が自身の課題について、語り合いそしてまた不満をさらけ出したりもしました。

 また、日本ではあまり目にすることがないアフリカ大陸のナイジェリア人やエチオピア人留学生とも仲良くなりました。国から奨学金をもらい国の将来を背負って来ている優秀な学生の気迫に良い刺激をもらい、いかに自分が勉強出来ることを当たり前のこととして捉えているかを認識し、自分を振り返る良い契機になりました。

仲間たちとの休日
仲間たちとの休日

 世界は広く、そこで生きている人々の多様な考え方や行動様式を目の当たりにし、広い視野で自分自身を客観視して見ることが出来ました。服装一つ取ってみても、真冬でもタンクトップ一枚でキャンパス内をかっ歩する学生がいたり、また反対にダウンジャケットの下にタートルを着込んで歩く学生がいたりして、人それぞれの個性が輝いていました。日本だと個性はあまり尊ばれず、人目を気にして行動することが重要視されますが、ここイギリスにいると自由な発想で自分を解き放つことが出来ると感じました。留学中、自分の殻に閉じこもりたくなる時も確かにありましたが、そこで踏ん張ることが重要でした。友達作りの極意としては、とにかく人との交流を深め、顔を広めることが大事だと思いました。

一難去ってまた一難

 留学生活はトラブルの連続でした。住民間トラブルやはたまたハウジングオフィスとのトラブルなど数えきれず、人生でこんなにトラブルに見舞われたのは初めてでした。金曜日の夜のパーティー騒音トラブル、シャワーの水が止まる、お湯が出ない、火災報知器が鳴りやまないなど、トラブルは絶えません。そんな中、ルームメートとのトラブル解決の極意とは、もめることを恐れず自分の意志をはっきり示すことです。困難を超えて理解し合うことが出来る。その経験も交渉力を培う練習となるからです。さまざまなバックグラウンドを持った人々が集まるから擦れ違いがあって当然。そのため、交渉力や自己主張力、そしてどんな時でもあきらめないという粘り強さを得ることが出来、失敗は成功の母であると実感しました。大事なのは失敗して転んでも何かを学んで立ち上がる根性を備えることです。更にトラブル続きの毎日は、粘り強く交渉をすることも教えてくれました。授業の履修も交渉の連続で、法学の授業は学部生が優先されるため取るのが困難でしたが、教授に聴講だけでもさせてもらえないか聞きに行くなど、自分で自分の道を切り開かねばならないと感じる出来事の連続でした。チャンスは自分でしかつかむことは出来ないのです。

フットボール大会にて
フットボール大会にて

 サセックス大学はBA(学部生)、MA(大学院生)の境があまり感じられず、皆和気あいあいとしていました。年齢、性別、人種の関係なく学生同士励まし合い、情報交換をして、お互いの文化の理解を深められるとても良い環境でした。MAの人とも仲良くなり、MA用の行事やワークショップや講演会に誘ってもらったり、休みの日には、学生同士、出身国の料理を作って持ち寄り交流を深めたり、とても日本での学部生活では経験出来ない時間を共に過ごすことが出来ました。

 また、休日は留学生同士でヨーロッパ旅行に出掛けたり、今振り返ると日本では経験出来ない休日を送りました。また、学校外でも知り合いを作ってロンドンで着物を着てオペラを鑑賞に行ったり、ロンドンの日本のお寺に友達と行ったり、日本文化を広めるためのさまざまな活動に参加しました。中央大学の留学生同士でもドイツに留学している友達とエストニアに留学している友達に会いに行くなどしてヨーロッパにいることを思い切り満喫することが出来ました。またヨーロッパ圏内は時差もあまりないので、中大生同士落ち込んだ時はスカイプを通じて励まし合い、切磋琢磨することが出来、海外という同じ環境で頑張っている仲間たちは掛け替えのない大きな支えになりました。

夢の国際連合欧州本部

 かねてから国際機関への就職を希望していたため、春休みを利用し、スイス・ジュネーブの国際連合欧州本部で行われたジュネーブ国連研修会に参加しました。

 この研修会に参加した経緯は、サセックス大学にて行われた「外務省/IDDP国際機関就職ガイダンス」の勉強会でスイス日本代表部の方に本研修を御紹介いただいたからです。

 中央大学では、前英国大使・折田正樹教授に国際関係ゼミにて一年次より御指導いただき、国際関係論を学んできました。ゼミで国連について学んだこと、そして自分自身で研究し深めたことを自分の目で確かめる絶好の機会が訪れました。本研修に参加した理由。それは、国際機関に多額の拠出金を出しているにもかかわらず、国連事務局における日本人職員はあまりにも少ないという現実を打破したいとかねてから思っていたことが挙げられます。そして、日本の国際的な発言力を向上させ、国際社会に貢献していきたいという夢があるためでした。

 サセックス大学での留学を通し、自分たちのことを他の言語で海外に伝えることがどれだけ重要かを痛切に感じました。そしてそれを不得意とする日本人は、世界を舞台に仕事をする際にいかにハンディキャップを背負い、損をしているか、そのことを再確認しました。そのため本研修に参加することで、国際社会で日本の立場を立て直すことを真剣に考える契機になりました。本研修は、国際公務員採用には即戦力として働くことが必須事項とされているため、どのように自分の力を高めるのかなど、これからのキャリアプランを練る絶好の機会となりました。そして、国連と国際機関の事情に詳しい講師陣より御教授賜り、コンピテンシーの研究を行うことが出来ました。国際機関で働く際にいかに本研修で学んだ事項が役に立つか今から楽しみです。更に、自分に足りない基本的な職務遂行能力を理解し、向上させることが出来るようこれからもっと努力しようと心に決めました。

インターナショナルフードパーティーにて
インターナショナルフードパーティーにて

 また、今回研修に参加したBAは私ただ一人だったのでMAの方と寝食を共にし、国連就職を直近の問題としている人々と触れ合えて刺激的な毎日を送りました。通常ならば国連就職の前の段階にある私とでは、講義の内容、国連機関の訪問の方法などは当然異なるはずですが、勇気を持って本研修に応募することで、掛け替えのない経験をすることが出来ました。研修では、各機関の説明や模擬面接を受け、また討論の実習の強化を図ることが出来たと実感しています。

 研修の最終日にはスイス・ジュネーブの日本代表部を訪問することが出来ました。菅沼大使と日本の世界での位置付けや将来への展望などをお話しすることが出来、貴重な経験をすることが出来ました。

 この研修を通して国連就職の道筋がよく見えるようになり、希望と自信が高まり人生観が変わりました。この体験は間違いなく将来への貴重な資産となりました。

 私は、本研修で、目標として、研修参加者と切磋琢磨し英語での討論に磨きを掛け、国際舞台における発言力の向上に貢献することを挙げていました。この目標は生涯掛けてかなえたい私の夢です。また、プログラムにおいては、国際連合欧州本部、国際機関を訪問し、今後目指すべき国際機関を具体的に絞り込み、日本人あるいは外国人幹部と情報・意見の交換を通じて人的ネットワークをいかに形成していくかを実際に学ぶことが出来、実りある研修になりました。

あれもこれもやってみる

 留学生活の締めくくりに「震災復興祈念ふくしま・みんなの演奏会」の実行委員を務めました。音楽の力で地震のみならず放射能汚染で心まで落ち込んでしまっている福島の人たちに元気になってもらいたいと、世界的指揮者西本智実女史指揮の下、日本各地そして遠くはニューヨークからも多くの演奏家たちが楽器を持って福島市に集まり音楽を奏でました。被災地の復興は、被災地以外の国内外の方々の支えがあってここまで進みました。今もなお心配してくれている海外からの温かな支援に恩返しするために、どこまで東北が復興したかをアピールする。そのことが恩返しにもつながると思いこの企画に海外広報担当、そしてボランティアをまとめる役として参加しました。演奏会は、前日のリハーサルと当日まで顔を合わせたことのなかった三三〇人を超える演奏者が、約一〇〇〇人の聴衆の中、音楽の力で一つになり本番では信じ難い感動の演奏を成し遂げることが出来ました。

 留学中、国内のボランティア活動に携われるのか不安な時もありましたが、そんな自分から一歩踏み出して行動してみることにより、どんなことにも不可能なことはないと実感することが出来ました。この行動力も留学生活により培われたものと確信しています。自分のためではなく、他人のために尽くすことで不可能も可能になる。この経験を生かし、今後も国内外を問わず精力的に活動していきたいです。

大切な仲間たちと
大切な仲間たちと

 毎日新しいことの連続でしたが、この経験を生かしチャンスをつかむのはほかならぬ自分だということを痛感しました。いまだかつてない孤独を味わい、自分と向き合い、逃げずに自分と対話が出来る時間を持てたのもとても良い経験でした。つらい思い出も笑い飛ばせるようになった今、ネクストステージへの夢の扉がまた一つ開いたと実感しています。

 ここに一年を通しての留学の成果と体験談を語らせていただきました。後輩の皆さんも広い世界に出て留学生活を体験されることをお勧めします。百聞は一見に如かずということわざがあるとおり国際社会を肌身に感じることが出来る機会を与えてくださったすべての方々に感謝します。

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