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法学部
【活動レポート】宮本 夏帆 (国際企業関係法学科4年)

「やる気応援奨学金」リポート(81)
 アメリカ留学で世界を広げる ファッションで途上国発展を

将来の夢と留学

 私は中学生のころより途上国支援に興味を持ち、実際に自分の目で途上国の現状を見るために、高校三年の夏アフリカのエリトリアを訪問しました。現地の人々と触れ合い彼らの生活を目にし、途上国支援に携わるという私の将来像はより一層強いものになりました。しかし、一口に途上国支援と言っても途上国とのかかわり方は、国連職員として、日本政府の立場から、NGO職員としてなどさまざまです。私はエリトリア訪問後、自分がどの立場から具体的にどのように途上国の発展に寄与していきたいのかを模索していました。

 大学二年次に国際インターンシップを履修し、年間の授業を通じさまざまなアクターがあらゆる活動を通して国際社会の発展に貢献していることを学びました。特に、夏季休業に訪れたインドやベトナムではNGOや日本領事館、JICAなど異なる機関を訪問し、実際に現場で働く人々と触れ合うことが出来ました。また、それぞれのアクターの長所や短所なども学び、私は草の根のレベルで途上国の発展に寄与していきたいと考えるようになりました。

 また、私はファッションがとても好きで、おしゃれな服を安価に販売しているいわゆるファストファッションのお店で、トレンドに合わせて服をしょっちゅう購入していました。しかし、ある日これらの服は低賃金・長時間労働を強いられている途上国の人々、また児童労働などによって生産されていることを知りました。私は自分が日々楽しんでいるファッションによって途上国の人々が搾取されているという現状に耐えられず、ショックを受けました。

 これらの経験から、将来はインドやバングラデシュなど途上国の生産者からフェアトレードで衣服を輸入し、日本や海外で販売する独自のフェアトレードファッションブランドを設立する、あるいはエディターとしてファッション誌を通してフェアトレードファッションを推進したいと考えています。私は、フェアトレードによって途上国の生産者が公平な賃金を得、その結果家族を養い子供を学校に通わせることが出来、このサイクルが国の持続的な発展につながると信じています。

 私は幼少のころより英語を勉強しており、アメリカへの留学はいつも私のあこがれでした。高校は英語の学習と異文化理解にとても力を入れている学校に通うことが出来、さまざまな留学プログラムが用意されていたため、これまでに留学のチャンスはいくらでもありました。しかし、大学受験の勉強に後れを取ってしまうのではないか、就活は大丈夫なのかなどの不安に打ち勝つことが出来ず、留学は私のあこがれのままでした。

 国際インターンシップでインドを訪問中、以前交換留学を経験した先輩が旅の途中で合流し、彼女から交換留学を通して貴重な経験をすることが出来たと伺いました。また、ヘッセ先生にも交換留学が私の将来にとってとても有意義なものになると勧められました。一緒に旅をしていた友人の一人も交換留学を考えていることを知り、彼女らから刺激を受け、交換留学を真剣に考えるようになりました。

 当たり前ですが、留学する前から留学でどのような経験が出来るのか、それが自分にとってどのような利益をもたらすかは分かりませんでした。しかし、将来国際社会を舞台に活躍するには十分な英語力が必要不可欠であり、パデュー大学で二学期間学ぶことでその英語力が養われることは確実だと思いました。また、パデュー大学には途上国問題を扱う授業などが設置されており、留学が私の将来の夢への第一歩となると確信し、ついに留学を決意しました。

授業

 私はパデュー大学で、政治学、社会学、アフリカ系アメリカ人学、女性学の系列の授業を履修してきました。中でも、女性学は私の留学生活の中で最も有意義な授業だと感じています。女性学の授業を履修した動機は、中央大学では学ぶことが出来ない学問であったこと、また途上国において衣料品工場で働いている多くは女性で、したがって彼女たちのエンパワーメントが国の発展の鍵であると考えたからです。女性学について全く知識がなかったため、前期は Introduction to Women's Studiesを履修し、女性学とは何か、社会にはどのような問題があるのかなどの基本を学びました。後期は、導入と同じ教授によるGlobal Feminismを履修し、更に広く深く女性を取り巻くさまざまな問題について学んでいます。

 授業内容は、例えば、女性らしさ、男性らしさとは何か、メディアやポップカルチャーが女性の美に対する意識にどのように貢献しているか、またそこから発生するさまざまな問題(美容整形、過激なダイエットに伴う摂食障害など)、家族と結婚、女性の社会進出、ゲイ&レズビアンを巡る問題、生殖に関する女性の自己決定権、レイプやドメスティック・バイオレンスなど性暴力、そのほか多岐にわたります。Global Feminismの授業では、期末試験の代わりに一五枚のファイナルペーパーを提出します。私はバングラデシュ経済の最大の収入源が衣料産業であることから、バングラデシュにおける女性を取り巻く問題に焦点を合わせて、研究を続けています。

親しくなった友達
親しくなった友達

 ほかには、前期に履修した政治学の授業International Relations between Rich and Poor、また後期に履修している社会学の授業Sociology of developing nationsもとても有意義な授業でした。両者は共に途上国と先進国の国際関係や途上国が抱える問題を扱う授業なのですが、前者は政治学の観点から、後者は社会学の観点から考察しました。なぜ格差や貧困問題が存在するのかを体系的に学問として学んだのは今回が初めてだったので、とても理解が深まりました。

 話に聞いていたとおり、宿題の量は今まで中央大学で出されていた物とは比べ物にならないほど多く、こなすのがとても大変でした。特に、リーディングの宿題は平均して週に約四〇頁が当たり前で、正直毎回すべてこなすことは出来ませんでした。初めはすべて終わらせることに躍起になり、それでもやはりすべて終わらせることが出来ず、どんどん読まなくてはならない頁数が日々増えていくことに強いストレスを感じ、勉強が嫌になってしまいました。しかしすぐに考え方を変え、すべてこなすことを目標にするのではなく、出来るところまで終わらせることを目標にして、終わらなかったからといって自分の英語力に悲観的になったり、ストレスをためたりしないようにしていました。おかげで、初期を除いて留学中特にストレスがたまることもなく、充実した毎日を送れたと思います。

授業以外の生活

 パデュー大学でも大好きなダンスを続けたかったので、ダンスサークルに所属することにしました。このサークルは、各学期末にショーを開き、五ドルでショーのチケットを販売しその全利益を、病気の子供にダンスセラピーを施しているAndrea Rizzo Foundationに寄付するというチャリティーの側面も持っています。練習は週に一度一時間程度だったので、勉強にも支障なく続けられました。

 ダンスサークルに所属したのはただ単にダンスのためだけではなく、ダンスを通して友達を作り英語を使う機会を増やしたかったからなのですが、正直なところ前期は友達が話している内容が分からない時なども度々あり、なかなかうまくメンバーとコミュニケーションを取ることが出来ませんでした。日本だったら、外国人がグループ内にいたら珍しがって興味を持ったり気を遣って話し掛けたりすると思うのですが、こちらではあらゆる国籍の学生がいるのが当然の環境なので、外国人だから特別扱いということも全くありません。ただ待っていても何も変わらない、自分から殻を破って積極的に話し掛けることが大切だということを痛感しました。

ダンスサークルのメンバーと
ダンスサークルのメンバーと

 前期の苦い経験から、後期はもっとほかのメンバーとかかわれるようにと、思い切って振り付けを担当することにしました。振り付け希望者は後期の初めにほかのサークルメンバーの前で自分のダンスの説明と振り付けの一部を発表しなくてはなりませんでした。一〇〇人以上もの前で踊るのは本当に緊張しましたが、一七人ものメンバーが集まってくれました。最終的には自分も含め一五人のグループとなり、週に一度ショーに向けて練習してきました。練習のために一五人のスケジュールを調整したり、ダンスの振り付けを英語で教えるのはとても大変でした。

 ダンス経験はあるものの、振り付けの経験は全くなかったため不安ばかりでしたが、グループの皆が私の振り付けを気に入ってくれ、最終的にショーは成功に終わりました。多くの友人がショーを見に来てくれ、「とても良かったよ」とたくさんのうれしい言葉をいただきました。ショーの終わりには、メンバーが私のダンスを本当に気に入ってくれ、すごく楽しかったと言ってくれました。私にとって、皆がダンスを楽しんでくれたことが一番の喜びです。

パデュー大学の魅力

 私にとってパデュー大学の最大の魅力は、学べる学問の幅広さです。中央大学には、三五の学科・専攻が存在しますが、パデュー大学には一九四もの専攻があり、その分野は私が専攻している政治学から航空宇宙学、コンピューター、何種類もの工学、薬学、アパレルデザイン、演劇、動物科学、映画製作など、多岐にわたり、そのほとんどは日本の総合大学では学ぶことが出来ない学問です。

 私の将来の夢は、フェアトレードファッションの会社を立ち上げる、あるいはファッション誌を通してエシカルファッションを普及させることです。持続的なファッションを日本だけにとどまらず世界中のファッション界のトレンドにしていくことが私の夢です。これらを実現するためには、世界情勢や政治、国際法などを学ぶだけではなく、ビジネス、マーケティング、アパレル関連、マガジンデザインなどの知識が必要不可欠です。しかし、現在の日本の学問システムでは、総合大学に入学したら、法学部生は基本的に法学部系列の学問しか学ぶことが出来ず、服飾関連やデザインを学ぶためには専門学校に通う必要があります。

 パデュー大学では、多岐にわたる専攻を複合的に学ぶことが出来ます。また、ほかの学問を専攻している学生と知り合う機会がたくさんあり、彼らと情報を共有することが出来ます。例えば、私は政治学を専攻していますがファッションにも携わりたかったので、アパレルデザイン専攻の学生が運営しているPurdue Fashion Associationに所属し、そこでアパレルデザイン専攻の学生やファッションに興味のある学生と知り合うことが出来ました。パデュー大学では年に一度アパレルデザイン専攻の学生による大きなファッションショーが開催されるのですが、運良くショーのモデルに選んでいただき、アパレルデザイン専攻の学生と出会い、採寸から服が出来上がるまでの過程に携わったり、普段見ることが出来ないファッションの裏側を見たりすることが出来ました。また、このファッションショーで美術を専攻する学生と仲良くなり、スタジオで彼の作品作りの工程を見学させてもらうことも出来ました。彼の考えや作品から私の将来の夢に関するたくさんのインスピレーションを得ることが出来ました。これらの経験は、日本の大学ではなかなか出来ないことだと感じています。

ファッションショーに出演
ファッションショーに出演

 パデュー大学の第二の魅力は、学生の人種の多様性です。パデュー大学はアメリカの公立大学の中でInternational Studentの人数が二番目に大きい大学です。実際に、私は北アメリカだけではなく、中米、アジア、中東、アフリカ、ヨーロッパなど世界中から来た学生と友達になることが出来ました。また、キャンパスではそれぞれの国の文化を広めるためのイベントが頻繁に行われ、パデュー大学の学生の多様性を常に感じています。

 また、こうした多様性は授業内でも大いに役立っていると感じています。例えば、Global Feminismの授業の履修生の中にイスラム教徒がいます。ある日Honor Killing(名誉殺人)について学んでいました。Honor Killingはイスラム教とよく関連付けられますが、彼女は、自分の父親の家族に対する姿勢やイスラム教徒としての意見をクラス内で共有し、Honor Killing=イスラム教というのは間違っていると主張しました。彼女の意見はとてもリアルで説得力があるものでした。また、私は日本からの学生として、日本の現状や私の経験を伝えることが出来ます。このように、さまざまなバックグラウンドを持った学生が存在することで、一つの問題をあらゆる角度から見ることが出来るという点がとても魅力的だと感じています。

アートの街ニューヨーク

 留学中、幾度か休暇があり、その度に旅に出掛けました。感謝祭の休暇はグランドキャニオンへ、冬休みはハワイとバハマ国へ旅行しましたが、とりわけ春休みに訪れたニューヨークにすっかり魅了されました。私はこれまで二二カ国訪問して、大都市はあまり好きになれないと思っていたので、ニューヨークに対してそこまで大きな期待を抱いていませんでしたが、今では自分の大好きな街となりました。

 私にとってニューヨークの最大の魅力は、街そのものがアートな点です。路上は画家や革職人、ミュージシャン、ジュエリー職人などがあふれています。壁にはたくさんの落書きがあり、それらの完成度は落書きの域を超えており、私にはそれらがニューヨークの街のアイデンティティーを形成しているように思えました。また、地元のデザイナーやヴィンテージ販売業者を集めたマーケットも存在し、これらは無名のデザイナーが活動の場を広げるのに貢献していると思いました。町中には小さなギャラリーがあり、プロのアーティストの作品だけではなく、学生の作品なども展示され、多くのアーティストに可能性が開かれていると感じました。

 週末にはフリーマーケットがあちこちで開催され、ヴィンテージショップやアンティークショップもあちこちに存在し、掘り出し物を探すニューヨーカーであふれています。大量生産・大量消費の現代社会でも、古い物を長く大切に使おうというエシカルファッションにとって欠かせない考え方が世界の中心とも言えるニューヨークに根付いているのがとても印象的でした。

おわりに

 留学生活が残り一カ月を切った今、この九カ月間を振り返るとあらしのようにあっと言う間に過ぎてしまったように感じます。この九カ月の間、自分とは無縁だと信じていたホームシックになったり、傷ついたり、落ち込むこともありました。しかし、今は日本に帰りたくないと思ってしまうほど、パデュー大学での生活がとても充実していて、楽しくて仕方がありません。ここに書いた私の経験はほんの一握りで、私はこの留学を通してここには書ききることが出来ない数えきれない経験をし、本当にたくさんのことを学びました。こうして充実した生活を送ることが出来たのは、留学計画の相談に乗ってくださった多くの先生方、リソースセンターのスタッフ、色々な形で「やる気応援奨学金」に御支援をいただいた方々、留学中いつも相談に乗って励ましてくださったヘッセ先生、国際交流センターの渡辺さん、離れていてもいつもそばにいてくれた家族、そして私のパデュー大学での毎日を楽しいものにしてくれ、いつもそばで支えてくれたたくさんの友達のおかげです。私の留学生活は数えきれない人々の支えにより成り立っていることを強く感じています。この場を借りて、心からの感謝をお伝えしたいと思います。

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