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法学部
【活動レポート】光本 圭佑 (国際企業関係法学科3年)

「やる気応援奨学金」リポート(73) 留学が決して到達点ではない 新たな経験求めまた次も挑戦

はじめに

私はこの度、2010年度前期の「やる気応援奨学金(海外語学研修部門英語分野)」をいただき、8月4日から9月8日までの約1カ月間、アメリカ合衆国の大都市ニューヨークにて語学研修をしました。

応募当初、私は全くといって良いほど自分の将来像について具体的イメージがありませんでした。強いていえば、中央大学の体育連盟に所属している自動車部の部員でもある私は、好きな乗り物に携われる職業に就ければ良いな、何となくそう思っていた程度でした。決して「将来絶対に海外で働きたいから留学したい」とか、「将来長期留学をするために現地で語学を習得しておきたい」といった明確な具体像があったわけではありませんでした。そのせいもあってか、大学生活でいったい何をすれば良いのか想像もつかず、その一方で、1年生の時から目的意識を持って積極的に海外留学に挑戦していく友人たちを見て、何となく焦りと劣等感を覚えるだけの自分でいました。

以下では、海外に対する思いが決して強くはなかった私が留学に挑戦しようと思った経緯と、今回の留学を通じて得たものについて御報告させていただきたいと思います。

出会った転機と奨学金への挑戦

今回の留学へつながるきっかけをつかんだのは大学1年も終盤を迎えた冬でした。12月に誕生日を迎え19歳になった私は、翌年には成人し選挙権なるものを得て、国政に触れていくのだと気付かされました。法学部生であるにもかかわらず、政治に関する興味・知識共に大学受験の終了と共に停止していて、それでは浅いのではないか、そう危機感を抱いていました。とはいうものの、それも留学していく友人たちを見ていたのと同様に、何となくの危機感に過ぎず、では何をどうする、ということまで考えてはいませんでした。その時ちょうどクラスメートからの紹介で「議員インターンシップ」と出会いました。これは国会議員や地方議員の下でインターン生として一緒にさまざまな仕事をさせてもらえる、というものでした。タイミングも良かったですし、今までは結局何にも挑戦しないでいたので、今回こそは挑戦をしてみようと思い、全く興味のなかった政治の世界に飛び込んでみることにしました。

そこで学んだのは、「経験すること」の重要性でした。私は政治という多くの人たちの利害が絡まる複雑な世界の中に身を置いて、きっと何か「出来る」人というのは、「自信」を持っていて、ほかの人からの「信用」があり、そのうえで客観的にみた時にその人に「技術・能力」が備わっている人のことを指すのではないかと自分なりに感じ取りました。また、「自信」と「技術・能力」は自分が「経験すること」で力を伸ばせるということ、そうすればほかの人からの「信用」すなわち評価は後から付いてくるということも併せて感じました。結果として、自分には圧倒的に経験値が足りないと思い、今後もっとさまざまなことに積極的に挑戦して自分の経験値を増やしていかなくてはならないと強く感じたのです。

そこでこの「やる気応援奨学金」に出会いました。募集要項を読んでみると、特別な英語力や知識は必要ないと書いてあり、何より、強く心は動いていたけれども何をしようかは決まっていなかった私は、「やる気応援」という響きと今まで1度も経験したことのない「海外留学」というものに、思わず「これだ!」と感じたのを覚えています。

新しいこと、物、人からの刺激

このように私は何かのボランティア活動や現地の大学の授業などに参加することを目的としたわけではなく、24時間英語という今まで経験したことのない難しい世界においても、何事にも自分の知らないことに積極的に飛び込み、経験し(前述の「自信」を得る)、そのうえで英語の力を手に入れること(前述の「技術・能力」を得る)を目標に留学に挑戦しました。ニューヨークに到着し、語学学校の授業が始まりました。ここでは最初にクラス分けのテストが行われます。私は6クラスあるうちの上から3つ目のクラスでした。自分のクラスに行ってみると、クラスメートには韓国・台湾・中国・イラン・ブラジル・イタリア・スペイン・ドイツ・ロシア・コロンビアなど多くの国籍の人たちがいました。彼らはなぜか自分より気軽にそして上手に英語をしゃべっているような気がして、すごく不安に感じました。

しかしこのクラスの1番良かったことは1人も日本人がいないことでした。これは単純に運が良かったと思います。このことが、ほかのクラスメートが自分に対して少しだけ余計に興味を持ってくれる、すなわち彼らが自分に話し掛けてくれる、という結果をもたらしてくれたのではないかと思います。放課後もインターナショナルまた、これはニューヨークという世界的な大都市だからかも知れないとも思うのですが、クラスメートには前述のように本当に色々な国籍の人たちが集まります。国籍が違う人と話すということは、非常に好奇心をそそられます。これは全世界共通のようで、みんながお互いのことを知りたがります。また、語学学校という英語力の発展途上の人たちが集まる場所だということを前提としているわけですから、お互いに分かろうと努力しますし、伝えようと努力します。こういった自然に英語に一生懸命になれる環境が語学学校にはありました。また、ニューヨークには何でもあります。マンハッタンを歩いていれば、必ず何か興味をそそられるものに出会います。クラスメートとの英語の会話も授業時間内にとどまらず、放課後一緒に出掛けたりして授業後も続けられましたし、更にはホームステイを選択したのでルームメートやホストファミリーもいて、本当に1日中英語を使う環境に飛び込めたのも大きかったと思います。

こうして幸いなことに、ニューヨークで色々な国から来た多くの人たちと出会い知り合うことが出来て、そして話をすることが出来て、それは自分にとってとても楽しい時間でした。特にスポーツの話題で盛り上がったことはよく覚えています。例えばスペイン人を始めヨーロッパ系の人とはサッカーの話題になると話は止まりません。韓国人とは野球の話題、アメリカ人とはバスケットボールやアメリカンフットボール、もちろんベースボールもそうです。こういったスポーツの話題でよく話し込みました。特にニューヨーカー(ニューヨークに住む人々)は本当によく話し掛けてきます。会話を楽しむという空気が流れていて、今思うと語学留学にはもってこいだったのではないかと思います。自分はこういうニューヨークという街の性格が大好きです。印象的だったのは、ホットドッグのベンダーショップ(屋台みたいなもの。ニューヨークではそこら中にあり、多くは定職に就けない移民が生活を支えるためにやっているらしい)に立ち寄った時のことです。韓国系の移民と思われるその店員は、私を見てこう話し掛けます。"Are you from Korea?"もちろん自分は日本人なのでその旨を伝えると、その韓国系の彼は私が注文したホットドッグを作るのもほったらかしにして、うれしそうに「マツイ」の話を始めました。マツイは本当に良いやつなんだよ、とか、本当に良い場面で打ってくれるんだよ、ほら、ワールドシリーズのMVPだろ!なのに出ていっちゃって残念だ!などと言います。台湾人もヤンキースでエースを張ったし、マツイも人々の印象に残る活躍をした、アジアの野球選手がどんどん活躍しているし、次はそろそろ韓国人もニューヨークで活躍しないかな!と、言っていました。やはり母国選手の活躍を楽しみにしているようでした。

ここで改めて思ったのは「スポーツは国境を越える」ということでした。スポーツのルールは基本的には共通です。自分のようなつたない英語力でも、選手の名前一つですぐに感動や話題を共有することが出来ます。ニューヨークの国連本部をバックににこうやって人と人の間をつなぐ機会を与えてくれ、また彼のように異国で一生懸命生活を送っている人々を励ましている。改めてこのことの素晴らしさを心から実感し、「スポーツを通じて……」という活動も決して間違いではないとも強く感じました。

また、ありきたりかも知れませんがもっと英語を話せるようになりたいと思いました。というより、もっと深くほかの国の人と話してみたかったです。楽しく会話するのには、それほどの英語力は必要ないのかも知れませんが、人のことをもっと深く知るにはより深く言葉を知らなくてはならないとも思いました。実際、自分の英語力がまだまだであるため、込み入った話をしている時はそのスピードや内容に付いていけずに、にこにこ若しくはうなずいているだけの時もありましたし、聞きたいことがあってもその単語を思い付かなかったりして、不満足な点も多々ありました。自分にもっと英語の力があれば、もっと深くお互いの話が出来たかも知れないし、もっと本当にお互いの言いたいことを理解したうえで笑い合ったり、共感出来たりしたかも知れない、そう思うとちょっとだけ悔しいと感じました。そういうこともあり、幸せなことに今でも連絡の取れる(フェースブックという便利な代物にお世話になっております)海外の友人も出来たので、次会う時には更に楽しい会話に出来るよう、英語を上達させたいと思えるようになりました。

奨学金での留学が教えたもの

さて、今回の留学を経て、自分の中で大きく変わったと思うところがあります。まず英語、特に英会話に対する姿勢です。以前は自分の英語力に自信がなく、どうしても英語に対して消極的な姿勢になってしまいがちでした。なぜなら自分には受験勉強で一年足らずのうちに無理やり詰め込んだ英語の力しかなく、その力というのも当時のような熱心な勉強をしなくなった今の自分では、順調に経年劣化を遂げているのですから。また英語を頭の中で組み立てて会話をするという能力は今まで全く訓練されておらず、英語の会話の授業でも、自らの英語力のなさ(単語を思い付かないし、奇麗な文章を作れないし、発音は下手だし、話すことを考えている間の沈黙って本当に気まずい)に打ちひしがれつつ、とりあえず波風立てないように宿題だけはこなしていくか、というそんな自分だったと思います。

しかしニューヨークへ留学してから、そういった消極的な姿勢は自分の中で変わったと思います。これは正直、留学後は自分の中にある種の「自信」が生まれてきたからだと感じています。英語での生活を1カ月続けてみて、改めて自分の英語力は不十分だと再認識しました。自分よりはるかに英語のうまい人と会話することでそれをまざまざと見せ付けられました。一方で、自分でも英語の世界で生活出来るのだとも思いました。友達も出来ましたし、英語で笑いながら楽しく会話することも出来ました。最初は困難を極めましたがすぐに英語でのオーダーも出来るようになりました。買い物も出来るようになりました。終えてみてから考えて、ニューヨークでの1カ月もの英語生活を楽しく過ごすことが出来たのは紛れもない事実です。

留学を終えて再び中央大学での英語の授業が始まると、自分の中での授業へ臨む心持ちに変化があることに気付きました。以前より余裕が持てています。先生に英語でしゃべり掛けられても、昔のような冷や汗ものの緊張感は生まれず、むしろ、しゃべりたいことが何となくですが頭の中に次々と浮かんできて、分からないことを聞かれても自分の中で混乱せず堂々と"I'm sorry, I don't know that"と言える自分がいました。これは自分の中では、「英語に対して積極的になった」とまではいかないかも知れませんが、消極的な姿勢から抜け出して、「英語でも自然体な自分」になれたのかな、と感じています。やはり自分の経験したことそのものが、何より一番の心の支えになるのかも知れないとつくづく感じました。

そして留学を経て、最も学んだと思うことは「人と人とのつながり」です。海外語学留学を経験して人とのかかわりを持つということの大切さ、素晴らしさ、楽しさを感じられました。だから、将来は自分が今回経験出来たように素晴らしい出会いを世界中に運ぶ、そんな仕事に就きたい、そして飛行機に乗ることというのは、人と出会うことの出来る限界の境界線を大きく広げることが出来る、これってすごいことだな、と、今までぼんやりでしかなかった自分の将来像の中で、航空業界により強くあこがれを抱くようになりました。加えて、アメリカで出会った人たちだけではなく、今回この「やる気応援奨学金」を通じて、21人の何か目標を掲げて世界へ飛び出そうとする仲間たちにも出会えました。こうやって自ら何かをしようと世界に飛び出す人はいったい日本に何人いるのだろう、きっと実は結構いるのではないか、と感じられました。この奨学金以外でも、私の周りには何人もの海外へ飛び出している人がいます。アジア・アフリカの貧困地域でのボランティア活動や国際組織でのインターンシップ、海外の大学での交換留学など、みんなそれぞれ多種多様の何かしらの目標を持って動いています。そしてそれぞれの行く先で貴重な体験、出会いをして帰ってくるのだと思うのです。自分は、こういうことこそ時間を作れる学生だから出来る、人生における宝物なのではないかとも感じました。

もし私が航空会社社員で、コストを気にせず何でも好きな企画を作ってこいと言われたら、この「やる気応援奨学金」システムのように、何か目標に向かっていく若い学生たちを無料で飛行機に乗せてあげるシステムのようなものを企画したいと思います。私は残念ながら自分のことで精いっぱいで、ボランティア精神や向学心にあふれた人間ではないのですが、逆にそういったものを持つ人たちを新たな出会いのもとへ運ぶことの手助けを航空会社なら出来るのではないかと思うのです。新たな出会いを通じて人生の宝物を作って成長していく若者たちを応援していくことは、世界中にヒト・モノを運ぶ航空会社の社員として出来る最大の力添えになると思います。もしこれに追随する企業なども出てきて間口がより広がればそれは更に大きく学生に利益をもたらしてくれるに違いないでしょう。ここまで壮大な夢を語ってきましたが、まずはしっかり就職しないといけませんね。

おわりに

この留学は本当に自分の人生のターニングポイントだったとつくづく感じています。人を変えるのに一番容易なのは何かしらの環境の変化だと思います。意識を自分で変えるのは出来るとは思いますが、きっかけがないととても難しい。場所の変化、周りの人の変化、新しい出会いも変化です。私はこうやって海外である程度の期間を過ごすという大きな変化の連続を通じてたくさんの刺激を受けて、自分が変わっていくのを感じました。だから、やはり何かしらの変化を求めて動き続ける、新しいことに挑戦し続けることは現状を打ち破る良い方法であるということを学びました。

一方で得たものを忘れずに続けることもまた大事だということも併せて感じています。何かを継続することは、これもまた大変で良い経験になり、ゆくゆくは大きな自信を得られると思います。新しいことに挑戦しても、他方でどんどん何かをやめたり捨てたりしていってはせっかくの挑戦も意味がないと感じました。挑戦と継続、これを達成することで後から振り返った時にすごく充実した大学生活になるのではないかなと思いました。

やはり将来は自分の好きなことをしたいと強く思います。好きなことには一生懸命になれるからです。だから逆に今は嫌いだと思っていること、面白くないと思うことにあえて挑戦してみようかと思います。好きなことばかりをやったら、世界が狭まってしまうような気がして、その結果小さな世界の中で満足して勝手にプライドの高い頑固な人間になるのではないかと思うからです。今回の留学で、世の中にはまだまだ私の知らない世界が広がっていることを痛感しました。だからこそ、ここで満足しないで今後も挑戦と継続を続けていきたいと思っています。最後になりますが、リソースセンターのスタッフの方々や先生方には大変お世話になりました。そして今回ニューヨークに共に留学した「やる気応援奨学金」の仲間にも色々と助けてもらえて、本当に感謝しています。ありがとうございました。

草のみどり 247号掲載(2011年7月号)

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