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商学部
フランス語 Envolez-vous pour le monde !

フランス語で世界にはばたこう

どこで話されていることば?

フランス語の常時使用者は約1 億2300 万人、時々フランス語を話す人は7200 万人で、世界のフランス語人口は合計約2 億人です。フランス語は英語と並んで国連の作業用の言語であり、欧州会議やオリンピック委員会など多くの国際機関の公用語・作業語として用いられ、国際機関で活躍するには必須の言語です。

さて、フランス語は世界29 か国の公用語であり、また50 か国以上の国で話されています。
それでは、フランス以外のどこで話されているのか見ていきましょう。

まず、ヨーロッパではベルギーやスイス、ルクセンブルグ、モナコの公用語です。また、北米ではカナダのケベック州を中心に約650 万人が母語としてフランス語を話します。また、マグレブと呼ばれる北アフリカのモロッコ、アルジェリア、チュニジアではフランス語が第2言語として広く使用されています。サハラ以南のアフリカ諸国(セネガル、コートジボワールなど)、カリブ海(ギアナやグアドループなど)、かつて仏領インドシナと呼ばれたベトナム、ラオス、カンボジア、太平洋の島々(ニューカレドニア、フランス領ポリネシアなど)でもフランス語が使用されています。

日本語・英語とはどんな関係?

1066 年に、フランス国王の臣下であるノルマンディー公ギヨーム(英語ではウィリアム)がイギリスを征服します。その後300 年以上にわたってイギリスの歴代の王はフランス語を話すことになります。その結果、現在の英語の語彙の半分はロマンス語系(フランス語とラテン語)です(ポッター『英語学概論』)。たとえば「生きている牛」ox や「豚」swine、「仔牛」calf は元々のイギリス語ですが、「料理された牛肉」beef、「豚肉」pork、「仔牛肉」veal はフランス語源の言葉です(スコット『アイヴァンホウ』)。庶民的な言葉は英語起源で、貴族階級の言葉はフランス語起源であるところは、日本語の大和言葉と漢語の違いと比較してみると興味深いと思います。

また古いフランス語が英語になだれ込んだので、同じ起源を持つ現代英語と現代フランス語とに異同があるのも面白い現象です。現代でも英語のbeauty とフランス語のbeauté(ボテ)は同意ですが、英語のtravel(旅)とフランス語のtravail(トラヴァーユ 仕事)では異なっています。古仏語のtravail は中世ラテン語のtripalium(「三本杭」の意で動物を繋いで焼印を押したり人を縛って拷問に使った)ので「拷問」「激しい苦痛」の意味でした。島国の英国人にとっては旅が苦痛であり(同じ島国の日本の「かわいい子には旅をさせよ」=「苦労させよ」と似ています)、フランス人にとっては仕事が苦痛だったわけです。

現代英語のnice は古仏語のnice(無知な、愚かな)から派生していて、英語の現代の意味「すてきな」を十分に説明することは不可能に近い(ウィークリー『言葉のロマンス』)とされています。ですが、中世の物語に拠れば、「無知な」青年ペルスヴァルが最後に聖杯を手に入れることができます。してみると「無知な」ことは、これから大事なことを知ることができるという意味で、「すてきな」ことなのかもしれません。不思議なことにnice は現代フランス語では消滅してしまっています。

次に日本語との関係を見てみましょう。フランス語は日本語とは大変異なった言葉です。でも、みなさんが意識してなくても知っているフランス語が日本には溢れています。まず、料理の言葉。「カフェオレ、パン、クロワッサン、ガトーショコラ、タルト、ムース、エクレア」など。ところで、「ラングドシャ」というビスケットをご存知ですか? ラング=舌、ド=英語の「of」に似た前置詞、シャ=猫 という3語からなり、「猫の舌」という意味です。確かに薄いビスケットの形が猫の舌に似ています。こんなふうに、お菓子や料理の名前からどんな食べ物か推測してみましょう。

次に、ファッションの言葉。「パンタロン、ジレ、プレタポルテ、オートクチュール、ブティック」など。もちろん「シャネル」や「ルイ・ヴィトン」などのブランド名はフランス語(フランス人のデザイナー、オーナーの名前)ですね。

フランス料理やお菓子、ファッションはフランスが世界に誇る文化産業です。ですから、日本でもフランス語をそのまま使用しているのです。中には、「モンブラン」のように、お菓子(栗のケーキ)とブランド(高級万年筆を始めとする服飾メーカー)の両方で知られた言葉もあります。モンブランは西ヨーロッパ最高峰の山の名前ですが、「モン=山」と「ブラン=白い」の2語でできた「白い山」という意味です。おしゃれや食べ物が好きなあなたなら、フランス語はきっと楽しく勉強できるでしょう。

音と文字

フランス語はラテン語が崩れてできたロマンス語(他にイタリア語、スペイン語、ポルトガル語、ルーマニア語など)のひとつなので、原則的にはローマ字読みです。ローマ字読みしない点だけを以下に説明しましょう。

なぜローマ字読みしないかというと、音は革新的で、文字(表記)は保守的だからです。文字はまずその当時の音を正確に表記しようとします。ところが文字表記が一旦できあがると、音は次第に変わって行くのに文字表記はなかなか変えられません。たとえば日本語の「私は」「図書館へ」「本を」も「わ」「え」「お」と発音するのに、発音の通りには書けません。保守的ですね。フランス語でも中世・ルネサンスを通じて慣例化した表記は、十七世紀にはすでに発音と合っていなかったのですが、当時の言語学者が慣例を尊重してそのまま採用してしまったのです。そのときすでに最後の子音は発音しなかったし、重母音は短母音化していたのです。

最後の子音は例外を除いて発音しません。Paris は「パリ」、Louis は「ルイ」です。重母音の短母音化の現象は規則的なもので例外がほとんどありません。ai は「アイ」ではなく「エ」と発音します。なぜ重母音が短母音化するのでしょうか。それは口の筋肉の経済効率化なのです。発音は短母音の方がはるかに楽です。日本語でも「見たいmitai」と言うより「見てえmite」と言う方が楽です。「アイ」が「エ」になるのですから、現象としてはフランス語と全く同じですね。口の構造はどの民族でも似ているからでしょう。au とeau は「オ」と、ou は「ウ」と発音します。eu とœ u は「オ」の口で「エ」と発音します。面白いのはoi を「ウワ」_と発音することです。日本語で人を後ろから脅かすとき「ウワ」と言いますが、フランス語のこの音変化から推理すると、元は呼びかけの「オイ」だったのでないかと思われるからです。またe は音が弱くなり単独ではほとんど音がありません。menu は「ムニュ」でmadame は「マダーム」です。ただし後ろに子音があったり上にアクセント記号がつくと「エ」と読みます。dîner「ディネ」、café「カフェ」、mère「メール」です。

またフランス語には鼻母音(母音が鼻に抜ける)があります。日本語にも似たような現象に鼻濁音がありますがご存知ですか?鼻に抜けるために口の中が広くなるので、これも文字表記と発音が若干ずれます。im, in, eim, ein, aim, ain は「アン」に近い音に、em, en, am, an は「オン」に近い音になります。ですが、どういうわけか、銀座のデパートPrintemps の日本語表記は「プランタン」となっています。

最後にアクセントに関していうと、フランス語のアクセントは強弱アクセントで、その位置は素晴らしく簡単です。最後に発音する母音にアクセントがあります。これまであげた単語例のアクセントのある母音がゴシックで印刷してありますから確認してください。なぜこれほどアクセントが簡単なのかというと、アクセントのある母音より後にある音は飲み込まれて消えてしまい、表記されなかったからなのです。

日本人にとって学びやすい点/学びにくい点

まず、英語に比べて発音するのが簡単なことです。フランス語の発音は難しいと思われているかもしれませんが、そんなことはありません。フランス語には英語のような強いアクセントがありません。上でも説明したように、フランス語のアクセントは単語の最後に発音される母音にあり、とても簡単です。日本語に似て平坦な言葉なのです。ですから、真似るのは難しくありません。もちろんネイティブのような完璧な発音をするのは難しいでしょうが、習い始めてすぐでもあなたのフランス語はフランス人に通じるでしょう。

マスターするのが大変なのは、動詞の活用でしょう。動詞が主語によって変化するのは英語も同じですが、フランス語の場合はその変化の数がずっと多いのです。たとえば、「歌う」にあたる動詞chanter ですが、次のように変化します。主語が「私」、「君」、「彼(彼女)」、「私たち」、「あなたたち」、「彼ら(彼女たち)」と変化するのに連動してchante(シャントゥ), chantes(シャントゥ), chante(シャントゥ), chantons(シャントン), chantez(シャンテ), chantent(シャントゥ) と6(5)つの形に変化します。実は、よ~く見ると語尾の形が異なりますね。でも、chantons とchantez を除くと他のすべての発音は同じで「シャントゥ」です。確かに全部覚えるのは大変ですが、大学ではそのうちの重要なものだけを学びます。

フランス語豆知識

フランスで伝統的な女性の名前といえば、Marie(マリ), Nathalie(ナタリ), Isabelle(イザベル), 男性の名前なら Jean(ジャン), Michel(ミッシェル), Philippe(フィリップ) などでしょうか。実は、これらは皆カトリックの聖人の名前です。Marie(マリ)はもちろん聖母マリアのことですね。Jean(ジャン)は使徒ヨハネのことです。そのせいで、フランス人は自分の誕生日とは別に、もうひとつ自分の名前の由来する聖人の日をお祝いすることがあるそうです。たとえば、Michel(ミッシェル)くんは、聖ミカエルの日9 月29 日がもう一つの誕生日です。名前のせいでもう一日お祝いできるなんて楽しいですね。

ところで、最近の傾向は短くて母音で終わる名前です。たとえば、フランスで2010 年につけられた最も人気のある名前は、女性は1. Emma(エマ), 2. Chloe(クロエ), 3. Lola(ロラ)、男性は1. Nathan(ナタン) , 2.Noah(ノア), 3. Lucas(リュカ)でした。時代によって流行があるのは日本と同じですね。

姓のほうは流行で変えるわけにはいきません。姓もまた聖人から由来しているものが多いです。フランスで最も多い姓のひとつMartin(マルタン)はこのタイプです。やはりポピュラーなDubois(デュボア) は、bois が「木」や「森」を意味するのでもともと森の近くに住む人を意味していたのでしょう。日本なら「林さん」でしょうか。でも、とても体の大きな人がPetit(プチ)(「小さい」という意味)という姓だとなんだか妙な気がするかもしれません。姓は選べませんが、結婚すれば相手の姓に変えることができます。

最近のトピック

フランスといえば、皆さんはまず何を思い浮かべるでしょうか?パリやヴェルサイユなど の観光でしょうか、それともチ-ズやワインなどの食品、ほかにもマカロンやサヴァランなどのケーキ、エスカルゴやブイヤベースなどのフランス料理、ルイ・ヴィトンやイヴ・サンローランなどのファッションでしょうか?

ところで、案外に知られていないのが、航空機産業のような機械工学の分野です。フランスのトゥルーズに本社のあるエアバス社は、アメリカのボーイング社と唯一肩を並べる航空機メーカーです。

いま世界で最も大きな航空機をご存知ですか?

それはエアバス社のA380 です。A380 は、日本の航空会社が所有していないため、日本人にはあまり馴染みがないかもしれませんが、2007 年10 月初めてシンガポール・シドニー間に就航し、2015 年4 月現在では148機が世界を飛び回っています。アラブ首長国連邦のエミレーツ航空は最大の59 機を所有しています。A380 はすべて2 階建てで、定員は3 クラスで525 名、すべてエコノミークラスにすると853 名(!)になります。全長は73 メートル、主翼の幅はなんと79,8 メートルもあります。左右の主翼のそれぞれにバスケットボールのコートが1 面ずつ作れる広さがあります。そして地上から垂直尾翼の先までは24.1 メートルもあり8 階建てのビルの高さに相当します。写真では、A380 のシンガポール航空機に比べると手前の全日空機が小さく見えます。

エアバス社は、大都市を結ぶ基幹路線では一挙に大勢の乗客を運ぶほうが効率もいいし、環境にも優しいと考えているようです。実際、A380 が乗客一人を100 キロ運ぶのに必要な燃料は3 リットル以下で、これは最新のハイブリッド車に相当するとしています。

成田空港にも飛んできていますから、皆さんもどこかの航空会社のA380 に乗ってみたいと思いませんか?

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