広報・広聴活動

高大接続教育の一環として「経済学部入学前特別教育プログラム」を新たに実施
―経済学部に進学予定の全附属校生が参加―

2018年03月26日

 中央大学経済学部では、経済学部に進学予定の附属4校(中央大学高等学校、中央大学杉並高等学校、中央大学附属高等学校、中央大学附属横浜高等学校)の全生徒を対象に、「経済学部入学前特別教育プログラム」を2018年度入学者より新たに始めました。
 高大接続教育の一環として、経済学部で学ぶために必要な力をつけてもらうため、入学前に本学部の教育の特徴の一つであるゼミ活動の一端を経験し、 自信と誇りをもって経済学部に入学してもらうことを目的としています。

 

 プログラム内容は、本学部の教員が執筆した『高校生からの経済入門』(中央大学経済学部編、中央大学出版部)から出題された課題に5名程度のグループで取り組み、パワーポイントにまとめて経済学部教職員の前で研究発表をするものです。研究発表に対し、優秀賞・準優秀賞の表彰も行われます。
また、課題に関するデータや資料を集め、生徒同士で議論を進めるなかで出てきた疑問や、論理の組み立て方などを経済学部の教員や在学生に相談できる「事前相談会」の機会も、研究発表の前に4回設けています。
 

研究発表会の様子

 今回は、経済学部に進学予定の附属4校全219名の生徒が参加し、3月12日(月)に中央大学多摩キャンパスで研究発表会を行いました。「終わって初めて、もっと頑張れば優秀賞を取れたのかなと思うと悔しい。同時に、悔しいと思えるほどに頑張っていたのだとも実感した。」「非常に有意義な経験であった。大学でゼミに入ってこの経験を活かしたい。」「自分と異なる意見が出るグループワークの難しさを感じたが、そこが面白く、新たな視点を獲得できた。」といった感想がありました。

 

 本プログラムは来年度以降も実施予定です。

 

 

 

課題の例

『高校生からの経済入門』より、以下の4つの課題を各教室に割り当てました。

 

【2章より】(和田光平先生)
「ある地域の少子化や高齢化、人口減少を解消するために、1)出生を増やす、 2)結婚を増やす、3)人口の流入を増やすか流出を減らすためには、どのような政策が考えられますか?また、すでに進行中の高齢化や人口減少に対応するために、4)増加する高齢者を活用する、5)少ない人口でも地域社会や地域経済を活性化するためには、どのような政策が考えられますか?
1)~5)の政策目標のうち、複数の政策目標に対してでも、 1つだけを深く研究してもよいでしょう。
なお、予算にはもちろん限りがあります。また、出産や結婚、住所の選択は 個人の完全な自由ですので、強制的な政策はできません。」

 

【4章より】(佐藤拓也先生)
「1)現金と預金を合わせたお金をまとめてマネーストックと呼びますが、1990 年代からあまり増えていません。このことを、日本銀行のグラフで確認してみよう。
2)なぜ、1)のようにお金があまり増えていないのか。また、日本銀行券をどんどん印刷して発行すれば景気がよくなるのかどうか。これらの点について、グループの考えをまとめて発表してください。」

 

【5章より】(武田勝先生)
「希望する誰もが大学で学べるように、学費を無償化すべきだとの議論があり、その財源として、「教育国債」が考えられています。
1)希望する誰もが大学で学べるように、大学の学費を無償化すべきですか。
2)その財源として、「教育国債」、つまり、教育無償化のために、借金することは望ましいですか。
これらの点について、グループの考えをまとめて発表してください。」

 

【7章より】(江川章先生)
「日本農業では高齢化に伴う離農が進み,中山間地域(平野の外縁部から山間地までの生産条件が悪い地域)を中心に農業の担い手不足が深刻化しています。 そこで、1)なぜ、農業の担い手不足が深刻になったのかを明らかにし、そのうえで、2)どのような対策をすれば若い農業者を確保・育成できるのかを考えましょう。」

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