広報・広聴活動

国内最大級の展示会「イノベーション・ジャパン2013 - 大学見本市」に6件の研究成果を出展

2013年09月02日

日時:8/29~30
場所:東京ビッグサイト(江東区)
主催:科学技術振興機構、新エネルギー・産業技術総合開発機構
入場料:無料

上記の日時、場所にて「イノベーション・ジャパン2013 - 大学見本市」が開催されました。

イノベーション・ジャパンは、産業界の持つ「ニーズ」と大学の持つ「シーズ(研究成果)」のマッチングを目的とした、国内最大級の展示イベントです。本学からは、情報通信 1件、マテリアル・リサイクル 1件、医療 1件、ライフサイエンス1件、装置・デバイス2件、計6件もの研究成果が厳しい審査を通過し、出展するに至りました。
当日は、研究者および実際に研究を担当している学生が説明にあたりました。

《情報通信》
I-17
○次世代スパコン上での大規模グラフデータ解析システム
 理工学部教授 藤澤 克樹

情報科学・数理科学分野のアルゴリズムとビッグデータの利活用を行い、次世代アプリケーション基盤技術をペタスケールスパコン上で構築する研究を行なっています。特にグラフデータ解析はソーシャルネットワーク、災害対策、脳の機能解明等の分野で大きな期待が寄せられています。本システムでは、大規模グラフデータに対する高い並列性を要したグラフ解析システム、GPU 等のアクセラレータを用いた数理最適化ソルバー、ストレージの階層性を考慮した大規模グラフデータストア、超大規模グラフのリアルタイム可視化など従来実現されていなかった新しい技術によって超大規模グラフに対する高速解析システムを構築することを目的としています。
詳細はこちら:http://innovation-japan2013.jp/exhibitors_page/en10147.html

《マテリアル・リサイクル》
Z-11
○複合材料からのPETやPCの選択的モノマー回収
 理工学部教授 船造 俊孝

熱水条件下の希薄アミン水溶液を反応溶媒として、ポリエチレンテレフタレート(PET) やポリカーボネート(PC)などのエステル結合やカーボネート結合を有する高分子材料の高速・高選択的なモノマー化プロセスを開発しました。具体的には、回分式反応器と半回分式反応器を用いて、純品のPETやPC樹脂、飲料ボトルやコンパクトディスク、携帯電話のケース等のPETやPCを含む種々の実製品について、各種アミンの希薄水溶液を反応溶媒として、モノマー化速度およびモノマー回収率を求め、アミンの種類による反応性と反応速度の違いを明らかにしました。いずれの場合も、反応後残渣固体は殆どなく、水溶液のため、モノマーの溶解度は低く、生成モノマーは反応器下部に堆積するため、モノマー回収も容易です。高収率・高選択的にモノマーを回収でき、本プロセスの有効性を実証しました。
詳細はこちら:http://innovation-japan2013.jp/exhibitors_page/en10489.html

《医療》
W-68
○光学式白杖や側視鏡に活用できる裸眼3D表示システム
 理工学部教授 鈴木 寿
当技術は、光学式白杖や側視鏡に活用できる3Dスコープによって撮影されたステレオ画像から3D空間を高精度で瞬時に再構成する計算技術、を基盤とします。「できる限り立体的に見える」「凹凸の視認性が良い」などの映像を観察したいときは、再構成した3D空間を奥行方向に増強したのち再レンダリングするなどの3D特有の加工が、従来技術とは異なり入力時の撮影条件とは無関係に可能となります。また、偏光方式、液晶シャッター方式、視差障壁方式、レンチキュラー(かまぼこ型)レンズ方式、ホログラフィック方式、積分写真方式などの多様な3D表示装置が提案されているなかで、方式を選ばず汎用的に表示することが可能となります。
詳細はこちら:http://innovation-japan2013.jp/exhibitors_page/en10149.html

《ライフサイエンス》
L-15
○人工酸素運搬体“HemoAct(TM)”の開発
 理工学部教授 小松 晃之
生体内で酸素輸送のできる新しい人工酸素運搬体として、ヘモグロビンの分子表面に複数個のヒト血清アルブミンを結合した(ヘモグロビン-アルブミン)クラスター『HemoAct™』を開発しました。生理条件下で酸素を安定に吸脱着できるので、赤血球代替物(組織への酸素輸送)や酸素治療薬(虚血部位への酸素供給)としての応用が期待されます。合成方法は簡便で、収率は高く(~100%)、特殊な製造装置も必要としません。さらに、分子構造は明確、酸素輸送能力が高く、酸素親和性は調節可能、血液適合性が高いことも実証されています。生体内では血漿タンパク質として認識されるため、副作用はないと考えられます。
詳細はこちら:http://innovation-japan2013.jp/exhibitors_page/en10328.html


《装置・デバイス》
M-12
○常温接合技術で実現した高性能深紫外波長変換レーザー
 理工学部教授 庄司 一郎
波長変換結晶BBOを用い,新構造の高効率・高ビーム品質深紫外レーザーを開発しました.波長変換において効率低下の原因となるウォークオフ効果を補償するため,すべて等しい厚さのプレートを用いていた従来構造に対し,両端に半分の厚さのプレートを1枚ずつ付加し,従来比1.5倍の効率が得られる新構造を考案しました.複数枚のBBOプレートから構成される新構造を,常温接合技術を用いて実現し,全長5 mmのデバイスを作製することに成功しています.緑色レーザーを用いた第2高調波発生において,同じ長さのバルクBBO結晶にくらべ約2倍の深紫外光出力が得られ,ビーム品質も改善しています.この技術は他の波長変換材料にも適用可能です.
詳細はこちら:http://innovation-japan2013.jp/exhibitors_page/en10131.html

M-47
○固液・高粘性流体を垂直搬送可能な蠕動運動ポンプ
 理工学部教授 中村 太郎
現在の固液混合流体の搬送には、アースオーガ方式や水希釈による重力搬送方式の2方式が主に用いられています。しかしこれらの方式は、省スペース化・省資源化を考慮した場合に好ましい方式ではありません。そこで、ゴム人工筋を用いて腸の蠕動運動からヒントを得た新しいポンプを開発しました。
本研究では、このゴム人工筋肉を基礎として作成されたポンプユニットを複数連結し、ユニットの膨張・収縮作用を利用して、腸の蠕動運動のような搬送機能を作り出し、従来の1/500の圧力によって固体(粉体)・液体・固液の垂直搬送を可能にしています。また本ポンプは長距離垂直搬送、固液の分離や攪拌、逆方向への輸送等も可能です。
詳細はこちら:http://innovation-japan2013.jp/exhibitors_page/en10096.html


シーズに関するお問い合わせは産学官連携・知的財産戦略本部まで
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リンク:イノベーション・ジャパン2013 - 大学見本市
http://innovation-japan2013.jp/

リンク:中央大学の出展者一覧
http://innovation-japan2013.jp/exhibitor_list_keyword.php?cate=all&keyword=%E4%B8%AD%E5%A4%AE%E5%A4%A7%E5%AD%A6